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固定IPアドレスのセキュリティ事情とは?メリット・デメリット、動的IPアドレスとの違いについても解説

著者: 情シスマン
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インターネットを使ううえで「固定IPアドレス」という言葉を聞いたことはあっても、役割や必要性についてご存知ない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、固定IPアドレスを利用するメリット・デメリット、セキュリティ事情について解説します。

普段意識することは少ないですが、ネットワーク機器やなどの設定で、IPアドレスに関する知識が必要になるかもしれませんし、固定IPアドレスの設定やセキュリティ対策の見直しが必要になる場合もありますので、ぜひこの記事を参考に、固定IPアドレスについて理解を深めていただけたらと思います。

IPアドレスとは

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固定IPアドレスについて知るためには、はじめにIPアドレスについて理解しておく必要があります。

そもそもIPアドレスとは、ネットワークに接続する際、スマホやPCといった機器に割り振られる番号で、インターネットで通信するための「住所」と言えるものです。ネットワーク上で送受信をする際は送信元や送信先を識別する必要がありますが、通信機器の居場所を明示するIPアドレスによって相手を識別しています。そのため、IPアドレスはインターネットに繋がる全ての機器に重複せずに割り振られているのです。

IPアドレスの必要性

IPアドレスはインターネットを利用するためにはなくてはならない存在です。自宅や会社内にあるPCやスマートフォン、タブレットなどはIPアドレスが割り当てられていなければ、インターネットに接続してWebページとデータのやり取りをしたりメールを送受信したりすることはできません。

住所がなければ居場所がわからず手紙が届かないのと同じように、IPアドレスがなければインターネット上のどこに存在するのか伝えられず、通信ができないということです。

IPv4とIPv6

IPアドレスにはいくつかのバージョンがありますが、一般的に以下の2つが知られています。

  • IPv4
  • IPv6

IPアドレスは現在、「198.51.100.1」のように0~255までの10進法の数字を「.(ドット)」で4つに区切り表すIPv4が主流となっていますが、IPv4は約43億個(2進数の数字32桁分)まで存在することができます。

一方で、世の中のデジタル化・IoT化が進み、IPアドレスが足りなくなるのではないかという懸念が生まれました。この問題を解決するために登場したのが次世代の通信規格であるIPv6です。IPv6は約340澗個(2進数の数字128桁分)ものIPアドレスを用意することができます。

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グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス

さらに、IPアドレスは以下の2種類に大別できます。

  • グローバルIPアドレス
  • プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)

グローバルIPアドレスはインターネットに接続する際に割り振られるIPアドレスで、プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)は自宅や会社など、特定のネットワークの範囲内で用いられるIPアドレスです。

プライベートIPアドレスでは、インターネットにアクセスできないため、グローバルIPアドレスが設定されたルーターを介して、WAN(Wide Area Network)へとアクセスするのが一般的となっています。

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固定IPアドレスと動的IPアドレス

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少しややこしくなりますが、IPアドレスは割り当て方法にも種類があり、以下の2つに分けられます。

  • 動的IPアドレス
  • 固定IPアドレス

これらの大きな違いは、割り振られたIPアドレスの変動があるかないかという点です。

それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

動的IPアドレス

動的IPアドレスは、常に同じ番号ではない変動のあるIPアドレスを指し、一般家庭向けの回線サービスの場合、特別なオプションサービスを利用しない限りは動的IPアドレスが割り当てられます。インターネットに接続し直したり一定時間が過ぎたりした際にIPアドレスが変わります。

ISP(インターネットサービスプロバイダー)が保持しているIPアドレスのうち、接続に利用されていないIPアドレスが順次割り当てられていく方式です。

固定IPアドレス

固定IPアドレスは、動的IPアドレスとは反対に、一度割り振られた識別番号が何度接続しても変わらないIPアドレスです。いつ、何度接続しても同じIPアドレスを使用できるため、Webサイトを公開したり、社外からサーバーへアクセスしたりする際に役立ちます。

企業の場合、固定IPアドレスを使用するケースと、固定IPアドレスと動的IPアドレスを併用するケースがあります。Webサイトなど、外部からのアクセスを目的とした公開サーバーには固定IPアドレスを用いながら、こちらがユーザーとしてWebサイトを訪問する際には、動的IPアドレスを用いることがあります。

固定IPアドレスを利用するメリット

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固定IPを利用することは、企業に以下のメリットをもたらします。

  • 社外から社内へ安全にアクセスできる
  • 拠点間VPNを構築できる
  • IoT機器の活用ができる
  • セキュリティ強化ができる

メリットについて詳しくご説明します。

社外から社内へ安全にアクセスできる

IPアドレスが固定されていると、社外から社内のネットワークに安全に接続できる環境を構築することができます。リモートワークでも会社のサーバーやシステムに安全にアクセスすることができるようになるため、非常に便利です。

働き方の多様性が重要視されている現代においては、企業にとっての大きなメリットであると言えるでしょう。

拠点間VPNを構築できる

VPN(Virtual Private Network)とは、離れた拠点と仮想的にプライベートなネットワークを構築して通信内容を暗号化する仕組みを指します。簡単に言うと、離れた拠点間でも安全にデータ通信が行えるようになるというもので、これには固定IPアドレスを利用するのが一般的です。

VPNを構築すれば、離れた拠点とデータのやり取りも安全に行えるため、拠点が多い企業にとっても需要が高くなります。

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IoT機器を活用できる

固定IPアドレスは、IoT(モノのインターネット)にも活用されます。

IoTとは、身の回りのあらゆるモノがインターネットに接続して、情報をやりとりすることを指します。具体的には、外出先から自宅のカメラ映像をリアルタイムで確認したり、外出先から照明やエアコンを操作できます。また、遠隔地で患者の健康状態をモニタリングしたり、畑の状況をリアルタイムで確認し、適切な水やりや肥料散布を行うことができます。

このようなIoTを実現するためのデバイスひとつひとつに固定IPアドレスが必要です。

セキュリティを強化できる

固定IPアドレスを利用すると、クラウドサービスへの接続を特定のIPアドレス以外では受け付けない「IPアドレス制限」を利用できます。また、VPNと併用すれば、あらゆる拠点やリモート環境からクラウドへの接続を1つのIPアドレスに集約し、監視を強化することでセキュリティを高めることができます。

固定IPアドレスを利用するデメリット

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固定IPアドレスは企業にとってメリットが多いですが、以下のデメリットがあるということも覚えておく必要があります。

  • コストがかかる
  • セキュリティ面の懸念あり

詳しくご説明しますので、メリットとデメリット双方を理解しておきましょう。

コストがかかる

固定IPアドレスのデメリットとして、まずコストがかかることが挙げられます。

費用はプロバイダーによって差がありますが、固定IPアドレスは動的IPアドレスよりも高価で、回線サービスのオプション機能として提供されるのが一般的です。また、固定IPアドレスを複数利用したい場合は、その分だけ費用がかかるので注意が必要です。

セキュリティ面の懸念あり

固定IPアドレスを設定するとセキュリティを強化できると先述しましたが、固定されているがゆえに特定されやすいという懸念があります。特定されればサイバー攻撃の対象になってしまう可能性が高まるということは否定できません。

固定IPアドレスが必要な企業とは

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固定IPアドレスを利用するメリット・デメリットをご紹介しましたが、どのような企業が固定IPアドレスを使うべきなのでしょうか。ここでは、固定IPアドレスを利用するメリットを多く享受できる企業の特徴についてお話しします。

テレワークの需要が高まっている企業

社員であっても、社外では会社のサーバーにアクセスできず、仕事ができないというケースは少なくありません。しかし、固定IPアドレスがあればVPNを構築することができるため、リモートアクセスの環境を用意できます。

リモートワークは個人の都合に配慮した働き方も可能になるため、子育てや介護で出勤できない場合であっても働きやすいと言う利点があり、人材の確保という面で企業にとって固定IPアドレスは価値が高いと言えるでしょう。

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自社サーバーでWebサイトを運営する企業

Webサイトを運営するには、データの保存や送受信を担うサーバーに常に特定のIPアドレスを割り当てる必要があるため、固定IPアドレスが必須です。

自社内にあるWebサーバーに固定IPアドレスを設定すれば、ホームページの公開が可能になるので、Webサイトを運営する企業に向いています。

固定IPアドレスの設定で重要なセキュリティ対策

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インターネット上の住所となる固定IPアドレスを安全に利用するためには、万全なセキュリティ対策が求められます。

具体的には、以下の施策を試みましょう。

  • セキュリティ情報に関する知識を身につける
  • UTMやファイアウォールを導入する
  • EDRなどのセキュリティソフトを導入する
  • 社員にセキュリティ教育を実施する

不正アクセスを受けると、PCやサーバー内にあるデータの閲覧や改ざん、削除、コピーなどといった様々な被害を受けるリスクがあるため、万が一のためのセキュリティ対策を欠かさないようにしましょう。

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用途に合わせて固定IPアドレスを利用しよう

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summaryまとめ

固定IPアドレスを取得すれば、社外から社内サーバーへのアクセス、VPN構築、セキュリティ対策など、企業にとって多くのメリットがあります。

社員の働き方や業務内容に固定IPアドレスが相応しいか、メリットとデメリットをよく確認したうえで導入を検討しましょう。

また、固定IPアドレスを設定する際には、リスクについても十分理解したうえで、不正アクセスなどのトラブルを未然に防ぐために、セキュリティ対策を万全にして適切に運用していただけたらと思います。

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