プロフィール
ワンストップサービスで心地よい生活空間を創造
設計や建設、賃貸、管理、修繕・リフォームなど、住まいの入口から出口までをワンストップで提供しているナミキ。1937年の創業から80年以上にわたって事業を展開しており、現在の自社施工物件は1,900棟、管理戸数は16,000戸を超える。ナミキグループとしては14社の事業会社を抱え、その総合力を活かし、社会・地域に心地よい生活空間をつくり続けている。
事業と背景
ご担当
ナミキグループ NFC株式会社 取締役
稲垣 武志 氏
80年を超える歴史
当社はもともと1937年に木造2階建ての町の不動産屋として始まりました。創業後ほどなくして太平洋戦争に突入し、日本陸軍が社屋の近隣一帯(現在の練馬区光が丘)に飛行場を建設したのですが、戦後はGHQによって米軍の居住区に転換されました。1972年の沖縄返還とともに、その一帯も日本に返還されることになったのですが、民間企業を挟む必要があったため当社が手を挙げ、その際の収益が事業の基盤となりました。
その後1983年、社長に並木 洋一(現会長)が就任し、時代の変化に対応する形で、住まいに関わる業務をグループ内で推進できる現在のワンストップサービス体制へと変遷していきました。賃貸から管理、設計、建設、修繕・リフォームと手を広げていき、現在は14社のグループ会社を抱えています。
時代の変化を捉え続けるために
80年を超える長い歴史に信頼を持っていただける反面、「古臭い会社」というイメージを持たれてしまうこともあります。それを払拭するためには、やはり加速度的に進むデジタル社会にしっかりとキャッチアップしなければなりませんが、現社長の蒲澤 亮太の社長就任をきっかけにDXを本格的に推し進めることになりました。
建築・不動産業界は、レガシーな仕組みが多く残っています。現場では未だに紙の図面や資料、対面での打ち合わせが主流ですし、契約などの手続きにおいても手書きであることが一般的です。DXにおいて業界のリーディングカンパニーを目指すことは、業務効率化のみならず企業価値や人材求心力の向上にもつながると考えています。
課題と効果
Google Workspace をDXの土台に据える
DXを推進するにあたってまず取り掛かったのが、レガシーなメーラーやレンタルサーバー、電話によるコミュニケーションから脱却するための、土台となるツール選定です。以前はオンプレミスのグループウェアを使用していたり、SFAの類似機能を使ってみたりしたのですが、社内からしかアクセスできない、機能が十分ではないなどの課題がありました。
さまざまな検証を経て、Gmail や Google チャット、Google Meet、Google カレンダーなどをひとつに集約した Google Workspace にコラボレーションツールとしての可能性を感じ、DXの土台として採用しました。
ワークフローのオンライン化
Google Workspace を活用した取り組みのひとつに、ワークフローのオンライン化があります。かつて紙で申請していた営業エスカレーションなどを Google フォームに移行し、申請された内容を Google スプレッドシートと Google Apps Script(GAS)で他データと突合する仕組みをつくりました。こちらは業務効率改善やペーパーレス化に大きく寄与しています。
社用スマートフォンのリプレース
Google Workspace はモバイルアプリも充実していますが、当社が以前社員に貸与していたスマートフォンではそれらを十分に活用できていませんでした。
そこで、旧スマートフォンを全て iPhone に移行し、モバイルアプリの利用を促進しました。当然リプレースしただけでは浸透しないので、全社員に対面でキッティング(Google Workspace 関連アプリのインストール・ログイン作業など)を行うなど地道な取り組みも行いました。
結果、現在は約98%の社員が Google Workspace のモバイルアプリを活用できています。
Google AppSheet と Gemini による自社アプリ開発
さらに、直近では Google AppSheet による自社アプリ開発も積極的に行っており、「現場一覧・現場チェックアプリ」などを社内展開しています。

「現場一覧・現場チェックアプリ」では、建設現場や事務所の場所が地図で表示され、担当者がスムーズに巡回できるようになっています。工事現場ごとのユニークな番号から物件情報を自動表示したり、写真を記録したりすることも可能です。またその裏側では、現場一覧や案件一覧、スケジュールなどが Google スプレッドシートと Google Apps Script(GAS)によって連動しています。

ちなみにこの「現場一覧・現場チェックアプリ」は、アプリ開発未経験の役員達が Gemini の力を借りながら実際に手を動かして開発しました。Google Workspace ひとつで業務に耐え得るアプリを内製できたことは良い体験でしたし、大きな実績になりました。
今後は各部門がそれぞれ開発したアプリを持ち寄る社内コンペなども実施してみたいと考えています。
プレミアパートナーとしての実績を評価
初期にツール選定をしていた際、いくつかの会社から提案を受けましたが、Google Workspace を推していたのはUSEN ICT Solutionsさんのみでした。当時から Google Workspace のプレミアパートナーだったので説得力がありましたし、兼ねてよりネットワーク周りでもお世話になっていたため信頼を寄せることができました。
おかげさまで現在 Google Workspace は当社にとって欠かせないものとなっているため、採用して良かったと思っています。
今後の期待
働く環境にも「心地良さ」を
当社は経営理念として「心地よい生活空間の創造」を掲げています。これはお客様の取引先に対する経営姿勢であるとともに、広い意味では当社自身、社員に対しても当てはまります。Google Workspace の利活用やDXを進めることで“心地よい”働く環境を目指していければと思っています。
USEN ICT Solutionsさんには、今後も全力支援や情報提供をお願いしたいと思っていますし、当社のDX関連の取り組みを対外的にアピールできるような機会を設けていただけると幸いです。
※本導入事例に記載されている内容は2025年4月現在のものです。