プロフィール
木材事業やハウス・エコ事業など、4つの事業を展開
梱包用木材(輸送時の商品の保護に用いられる材料)の製造・販売で国内シェアNo.1を誇る株式会社オービス。創業当時から続く木材事業を主力とし、ハウス・エコ事業や太陽光発電売電事業、ライフクリエイト事業を展開している。特に木材事業においては、建材を含む木材関連の上場企業のなかで唯一梱包用木材をメインとしており、その分野において国内トップクラスの評価を得ている。一方、近年はハウス・エコ事業にも注力し、プレハブハウスや工場、大型倉庫などの設計・施工・引渡しをワンストップで提供。さらに2024年、重量鉄骨を扱う寿鉄工株式会社をM&Aで子会社化し、ハウス・エコ事業のさらなる拡大を目指している。
背景と課題
ご担当
専務取締役 総務部 部長
梅田 孝史 氏
総務部 情報システム課 課長
平賀 文浩 氏
機動力を持って時代の変化に対応

当社はもともと有限会社中浜材木店として設立され、木材でさまざまなものをつくってきました。創業から5年ほど経ち、徐々に梱包用木材の製造・販売が主力事業として定着しはじめ、今では市場の17%を占めています。扱う樹種は国産杉とニュージーランド産松ですが、実は特性の異なる樹種を製材できる工場は当社が国内初で、「ハイブリッド工場」と銘打っています。工場ではコンピュータスキャンやオートメーション化にも取り組んでおり、単一工場における国内最高レベルの生産量を実現できています。
木材事業を主力とする一方で、当社は過去60年以上にわたりさまざまな事業に挑戦してきました。過去にはカラオケボックスの製造・販売や店舗運営、賃貸マンションの管理、ゲームセンター・フィットネスクラブの運営などもやりました。そのなかでもハウス・エコ事業は拡大を続けており、いまでは木材事業に次ぐ主力事業となっています。これまでは軽量鉄骨を扱うプレハブハウスや工場、倉庫の設計・施工をワンストップで提供してきましたが、2024年に寿鉄工を子会社化したことで重量鉄骨を扱う高層・大規模建物にも対応できるようになりました。
創業当初からチャレンジングな社風があり、機動力を持って時代の変化に対応してきました。これは事業に限らず働く環境にも言えることで、情報システムの面からもその整備・運用に努める必要があると考えています。
利用していた拠点間VPNサービスの提供終了
以前は他社の拠点間VPNサービスを利用していましたが、突然そのサービスが部分的に提供終了するという通達がありました。具体的には、他キャリアのアクセス回線との接続メニューを廃止するという内容です。当社の一部拠点では回線事業者の選択肢が限られており、既設のアクセス回線を変えることはできなかったため、当該メニューの終了は喫緊の課題となりました。
いくつかの事業者にお声がけするなかで、USEN ICT Solutionsさんにもご相談しました。実は過去にも拠点間VPN構築のコンペに参加されていたので、リベンジいただいた形になります。
リプレースにあたって、当社としては主に3つの要件を設けていました。
- 全拠点の接続(あるいは他キャリアのアクセス回線との接続が可能)
- 冗長化
- 通信品質の向上
これらを必須としつつ、やはり費用も重要視しました。
通信の逼迫
他社サービスの提供終了により拠点間VPNのリプレースを余儀なくされたのは事実ですが、一方でもともと通信品質に満足していたわけではありませんでした。特に当時は大型 Windows Update やコロナ禍で増えたWeb会議の影響を大きく受け、従業員からは「ネットがつながらない」「Web会議が止まってしまう」など不満の声が上がっていました。
また Windows Update やWeb会議の通信は、基幹システムの通信と同じVPN網内に混在していたため、あらゆる業務が通信の逼迫によって連鎖的に遅延してしまう可能性がある、というのも課題に感じていました。
効果
コストパフォーマンスに優れた提案
USEN ICT Solutionsさんのご提案は、当時お声がけした事業者のなかで最もコストパフォーマンスに優れていた記憶があります。通信帯域が既存環境より拡張されるにもかかわらず、ランニングコストがそこまで増えないというのは驚きでした。加えて、冗長化にご対応いただいたこと、営業の方の通信品質に関するご説明が納得のいくものだったことも、採用のポイントとなりました。
ローカルブレイクアウトの実現
通信品質の向上に大きく寄与してくれたのは、ローカルブレイクアウト※の実現です。逼迫の原因だった Windows Update やWeb会議の通信を各拠点からローカルブレイクアウトさせるというご提案は、当社にとって非常に有意義なものでした。
おかげで通常のインターネット利用や基幹システム(販売管理・受発注など)の通信は快適になり、従業員からの苦情も全く聞かなくなりました。
※特定の宛先への通信を、VPNを経由せず直接インターネットへアクセスさせる仕組み

今後の期待
サービスの安定運営と情報提供
まずは利用しているVPNサービスの安定運用を期待しています。それ以外だと、Web会議は引き続き事業運営において欠かせないものになるため、より良い機材などあればご提案頂きたいです。また、多分に漏れずAIや業務省力化に関する情報はどんどんご提供いただきたいと思っています。
※本導入事例に記載されている内容は2025年2月現在のものです。