プロフィール
「至誠」「質実剛健」「自治進取」のこころ息づく歴史と伝統
明治38年(1905)年10月1日に私塾「英育会」としてはじまった学校法人仙台育英学園は、以来120年にわたり8万人を超える卒業生を輩出している。「至誠」「質実剛健」「自治進取」を建学の精神とし、現在は仙台育英学園高等学校(全日制課程・広域通信制課程)や秀光中学校、仙台育英学園沖縄高等学校(全日制課程)を運営、生徒数は約4,000名に上る。来る2030年の創立125周年に向け、"I-Challenge125"というスローガンのもと、新たな学校づくりを推進している。
背景と課題
ご担当
多賀城校舎 ICT主任
五十嵐 春祐 氏
国際バカロレア(IB)、BTEC、ケンブリッジ国際教育の認定校
学校法人仙台育英学園の設置校では「民主的文化国家の形成に貢献し世界平和と人類の福祉増進にも寄与するために、家庭人・社会人・国民・世界人として能く其の本務を尽くし得る人物を養成すること。」を教育目的に、それぞれ教育目標を定め、各分野で最先端の教育活動を行うことに挑戦し続けています。なかでも、仙台育英学園高等学校は、2015年に東北初となる国際バカロレア(IB)の認定を受けたことを皮切りに、2021年に日本初となるPearson BTECの認定、2024年にケンブリッジ国際教育の認定を受け、現在、日本で唯一、これら3つの国際教育プログラムを提供できる認定校となっています。
本校がケンブリッジ国際認定校に決定!IB、BTEC、ケンブリッジ国際と3つの国際教育プログラムの認定校になりました。 | 仙台育英学園高等学校
本学園が目指すICT環境
こういった国際教育プログラムに基づく、世界基準の高いレベルでの教育活動を展開するにあたって、生徒はもちろん職員も「PC等の先端技術を駆使する能力(ICT skills)」を獲得できる環境が不可欠であると考えています。学校法人仙台育英学園では、目指すICT環境として以下の3つのものを掲げています。
- 全ての生徒が学習活動を行う空間・時間を職員と協力して決定でき、距離的・時間的・空間的制約をなくすことができるICT環境
- 全ての職員が校務・業務を行う空間・時間を本人の意思で決定でき、距離的・時間的・空間的制約をなくすことができるICT環境
- 生徒・保護者・職員が本人の意思によって開示した情報とその対象の範囲内で、情報の見える化と共有が安心・安全にできるICT環境
ICT教育の進化
昨今、全国的にICT教育への対応が進められていますが、そのなかでも本学園は先進的な取り組みをしてきました。1人1台 iPad や MacBook、Microsoft Surface、Chromebook などのデバイスをBWOD形式・貸与形式で展開※しているほか、高性能eスポーツ用PCを全学園で150台を超えて設置しており、それらを活用したカリキュラム・制度が組まれています。具体的には、学習アプリである Classi※ やスタディサプリ※の活用、Weblio英会話※や Zoom※ での授業参加、クラウドでのノート管理・共同記録などです。
また、チャットツールの全学園導入もコロナ禍に先んじて行っていました。まず職員に対しては Microsoft Teams※ の導入を進め、生徒に対しては企業でも一般的に使われている Slack※ のアカウントを配布しました。職員と生徒、あるいは生徒間でのコミュニケーションには Slack の使用を推奨しています。生徒の Slack 利用はトラブル防止という側面もありますが、普及度の高いツールを使ってもらうことが社会での活躍にも繋がるだろうという狙いもあります。
本学園におけるICT教育の新たな試みとしては、2023年の仙台育英学園沖縄高等学校の開校があります。本校では「自立(Independence)、チャンス(Chance)、挑戦(Try)」というテーマのもと、学習者としての自立にむけた「学び方を学ぶ」授業主軸の教科教育や、ITパスポート・情報セキュリティマネジメントなどの国家資格取得にむけた講座、eスポーツ講座といった最先端のICT教育を学ぶ機会を設けていますを実施しています。楽しみながら先端IT分野を学ぶことのできるICT教育、また、挑戦する価値観を醸成するために創業計画書の作成も行う起業家(アントレプレナーシップ)教育に取り組み、卒業後の経済的自立にむけてICTエンジニアとして巣立っていける教育活動を行っております。
※これらはUSEN ICT Solutionsによる提供ではありません。
学校運営のICT化
ICT教育に注力する一方で、学校運営自体にもICTのメスを入れてきました。本学園では職員が利用するツールにクラウドサービスを積極採用することで、ICT化を図っています。今では出欠や成績、テスト、進路の管理などほとんどの校務が Classi※、BLEND※、Google Classroom※ などのクラウドサービスで完結しており、業務効率化やセキュリティ向上に繋がっています。
※これらはUSEN ICT Solutionsによる提供ではありません。
露呈した通信の逼迫
デバイスやツールを展開していくにつれ、通信インフラがそれに追いつけなくなるという事態がじわじわと発生してきました。具体的には、通信の遅延や切断によって、ICTツールを活用した授業が中断せざるを得なくなってしまったり、オンライン英会話できなくなってしまったりなどです。
実は、以前は生徒用のインターネット回線を1校舎1本で運用しており、それが通信の遅延や切断を招いていました。これが長期的に続けば学校運営は文字通り停止してしまうため、回線の増設に乗り出しました。
「できるだけ安価で安定したインターネット回線の提供が可能」「キャリア・設備的な冗長が可能」という2つの要件で事業者を探しているなか、USEN ICT Solutionsさんにご提案をいただきました。
効果
安定したICT教育が実現
USEN ICT Solutionsさんからインターネット回線を導入したことで、通信が著しく遅くなってしまったり、途切れてしまったりということはなくなりました。非常に安定した運用ができており、快適なICT教育を生徒に提供できているかと思います。
要望していた冗長化も盤石な形で実現でき、万が一のことがあってもリカバリーできるようなネットワーク構成になっています。

実際に、2024年9月に開催された「第2回 GIGAを応援!超速Wi-Fiキャンペーン(株式会社フルノシステムズ)」において、当校は第1位(508.10Mbps)に輝くことができました。アクセスポイントなど別要因の寄与もありますが、こういった成果が出せたのはUSEN ICT Solutionsさんのインターネット回線のおかげだと思っています。
eスポーツにも活用
本学園は、授業や部活動eスポーツを取り入れています。特に仙台育英学園高等学校のeスポーツ部は「第1回全国高校eスポーツ選手権」「第2回全国高校eスポーツ選手権」ともにベスト8に進出するなど輝かしい実績を残せており、その環境づくりには力を入れています。
eスポーツに特化した高性能ゲーミングPCを宮城県の宮城野校舎と多賀城校舎にそれぞれ導入しましたが、その通信にもUSEN ICT Solutionsさんのインターネット回線が活用されています。
今後の期待
さらなる回線の増強
提供エリアの関係で多賀城校舎に導入できていないメニューがあるため、エリアの拡大をお待ちしております。
全体的なICT環境という意味では Wi-Fi 7 に興味を持っています。引き続き技術の進歩に合わせた学校づくりを推進してまいります。
※本導入事例に記載されている内容は2025年2月現在のものです。