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2026.09.09

ネットワークエンジニアが感じた、“セキュリティ担当者ではない人こそSecurity Daysに行くべき”理由

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「Security Days(セキュリティデイズ)」は、株式会社ナノオプト・メディアが主催する国内最大級のサイバーセキュリティ専門イベントです。福岡・大阪・名古屋・東京の4都市で年に複数回開催され、最新のセキュリティ技術・製品を紹介する展示会と、各分野の専門家によるセミナーで構成されています。

くじ引き会や抽選会も用意されており、セミナーや各企業ブースへの訪問回数に応じて回数券がもらえ、ノベルティや景品と交換できます。ビジネス目的で参加する企業が大半を占めるイベントですが、こうした遊び心もこのイベントの魅力のひとつです。

筆者も先日初めて本イベントに参加する機会がありました。参加前は「ベンダーの製品説明ばかりでは」と半信半疑でしたが、会場で得たものはそれを大きく超えていました。セキュリティ分野の中でも多彩なテーマのセミナーがそろっており、非常に勉強になったため、一度は訪れてみることをお勧めします。

本記事では、その体験をもとに「なぜこのイベントが、セキュリティ専任担当者よりも、むしろ情シス全般・経営企画・管理部門の人にこそ刺さるのか」をお伝えします。

Security Days 2026では何が話題の中心だったか

今回のイベントを俯瞰すると、「ランサムウェア」関連の講演が圧倒的に多く、次いで「ゼロトラスト」「クラウド管理」「SCS評価制度」「アクティブサイバーディフェンス」のテーマでセッションが構成されていました。個々のツール導入から「組織としてどう守り続けるか」という運用・ガバナンスへの関心が高まっていることが、会場の雰囲気からも色濃く感じ取れました。

以下では、本イベントでキーワードとして取り上げられていたトピックをまとめています。

ランサムウェア

VPN脆弱性を悪用した侵入・二重恐喝型の被害事例が多数報告

ゼロトラスト、ZTNA、SASE

「境界防御」から「常時確認」へのシフトが加速

CNAPP、CSPM、CIEM

クラウド環境の設定ミスや過剰権限を一元管理するツール群

SCS評価制度

経産省主導のサプライチェーン向けセキュリティ格付け制度(2025年始動)

アクティブサイバーディフェンス(ACD)

2025年5月に関連法が成立し注目が集中

これらは今や業界共通の「共通言語」となりつつあります。ただし重要なのは、ここからです。こうした言葉の意味はネットで調べれば分かる。Security Daysで得られる本当の価値は、その先にあります。

行ったからこそ分かる!ネットには載っていない「現場の実態」

セキュリティはあくまでも専門家の仕事の範囲であり、自分には関係しないと感じておりました。しかしながら実際に参加してみて、その認識は完全に覆されました。

現代のサイバー攻撃は、「セキュリティ担当者だけで防げる問題」ではなくなっているからです。ランサムウェア被害の侵入口の多くは、VPN機器の更新遅れや、社員の操作ミス、外部委託先の管理不足が要因であり、いずれも「情シス全体」や「経営判断」に直結する問題です。

そして、Security Daysで得られる知見の多くは、セキュリティ専任者よりも、「組織として何をすべきか判断する立場」の人間にこそ刺さるものでした。以下に、その具体的な理由を挙げていきます。

1.「ツールを入れれば安心」という幻想を、現場の声が壊してくれる

あるセッションで印象的だったのは、「EDRを導入した後、アラートが鳴りやまなくなって担当者が疲弊している」という声が複数の企業担当者から出ていたことです。また、ブース担当者との雑談でも「CNAPPを検討しているけど、アラートを全部処理できるリソースがそもそもない」という本音が飛び出しました。

「ツール導入=対策完了」ではなく、むしろ導入後の運用設計こそが最大の課題になるという感覚を、予算を持つ側・承認する人間が知っておくべきでしょう。「何百万円かけてシステムを入れたのに、なぜまだ不安なのか」という疑問の答えが、会場の空気から自然に伝わってきます。

2.法整備の「今」を、専門家の解釈で一気に把握できる

SCS評価制度やアクティブサイバーディフェンスなど、法令・制度の動きはネットで追おうとしても情報が断片的になりがちです。Security Daysでは、専門家が「現時点でこう解釈するのが現実的」という視点で体系的に解説してくれます。

SCS評価制度のセッションで特に印象を受けたのは、「基準を満たすために管理を厳しくするだけでは、現場が疲弊して形骸化する」という指摘でした。人に依存しすぎない仕組みづくり、この発想は、制度対応を任される管理部門・経営企画の方に直接響くはずです。

そして何より、「この情報を経営層にどう報告するか」という道筋まで、セッションを通じてイメージできるようになり、これは自力で調べるだけでは得られない体験です。

3.「情報資産管理」という土台の重要性を、体で理解できる

各企業のブースを回って共通して強調されていたのは、「そもそも自社に何があるかを把握できていない組織ほど攻撃の標的になりやすい」という現実でした。

ID管理と認証の統合、PC・外部デバイスの一元管理、アプリの脆弱性の自動検出、これらは「セキュリティ担当者が入れるもの」ではなく、「組織として何を優先するか」という経営判断が必要なものです。

セキュリティ対策の第一歩は、自社が「何を、どこまで、どう持っているか」を正確に把握することにあります。Security Daysでは、この辺り感覚を肌で感じることができます。

4.「経営層への伝え方」を、一流のプレゼンから盗める

セキュリティのセミナーなのに、なぜか「伝え方」の勉強になる。これがSecurity Daysの面白さの一つです。登壇者の多くは、複雑な技術を「経営層がYESと言いやすい言葉」に変換して話します。課題を先に提示して解決策を示す流れ、一言で表すタイトルの設計、数字と具体例の使い方、

セキュリティ予算を獲得するプレゼンに困っている情シス担当者、経営層への説明責任を持つ管理職、どちらにとっても、この「伝え方の技術」は持ち帰れる財産になります。

なお、良くない発表も当然あります。資料を読み上げるだけのセッションも見かけました。ただそれさえも「こういう伝え方は刺さらない」という反面教師として機能するので、結果的に学びになります。

5.ワークショップで、インシデント対応の「混乱」を疑似体験できる

フィッシングメール対応を想定したワークショップに参加してみて、痛感したことがあります。「実際にインシデントが起きたとき、どれほど判断が難しく、現場が混乱するか」これは、現場にいないと分かりません。

ここで得た体験と資料は、社内研修の設計に直結します。「どのような訓練を組めばいいか分からない」という担当者の方は、このワークショップに参加するだけで骨格が見えてくるはずです。

現場の温度感・実態・横のつながりこそSecurity Daysに行く価値

端的にまとめると、Security Daysの価値は「最新情報を知ること」ではなく、「現場でしか得られない温度感・実態・人とのつながりを持ち帰ること」にあります。

セキュリティ対策は「導入して終わり」のプロダクトではなく、社会の変化に合わせ続ける運用プロセスです。そのためには定期的に「今業界はどこで詰まっているのか」「どのような失敗が実際に起きているのか」を知る場が必要で、Security Daysはその場として非常に有効でした。

無料で参加でき、専門家・他社担当者・ベンダーが一堂に会するイベントはそう多くありません。情報収集だけでなく、自社のセキュリティ体制を「外の目線」で見直す機会として、これほどコスパの高い場は他にないと感じています。

用語を知るだけならネットで十分?Security Daysに「行くべき」本当の理由

前述のトレンドワードだけ見ると「この程度の用語解説なら、ネットで検索すれば分かる」と思われた方もいるかもしれません。

確かに単語の意味を知るだけであればネットの記事で十分ですが、「セキュリティトレンドを自社の現場でどう活かすか」をリアルに体感できるのがSecurity Daysです。

ここからは、単なる展示会見学や情報収集にとどまらない、Security Daysの「本当の活かし方と持ち帰りノウハウ」をご紹介します。

Security Daysに参加する最大の価値は、ネット検索では得られない現場のリアルな知見と体験を得られる点にあります。

会場では、他社のセキュリティ担当者やベンダーと直接対話することで、EDRのアラート対応などネットに出ない生々しい運用事例や他社動向を把握でき、自社の体制見直しにつながります。また、個人情報保護法の改正や各種ガイドライン、経産省のSCS制度といった最新の法令・制度動向も、専門家の解説を通じて体系的に効率よく学べるため、情報漏れを防ぎ経営層への報告にも活用可能です。

さらに、洗練されたプレゼンテーションからは、複雑な課題を経営層へ分かりやすく伝えるスキルを習得できます。加えて、フィッシングメール対応などのワークショップによるインシデントの疑似体験や入手した資料は、自社の教育訓練の設計に直結します。

単なる知識理解にとどまらず、実務的なノウハウの獲得から社内伝達、体制強化まで、セキュリティ担当者が現場の課題を解決するための実践的な気づきが得られる絶好の機会です。

少なくとも、情シス・経営者・管理部門は全員Security Daysに行くべき

最後に、「こういう人に特に向いている」と思った方を挙げます。意外かもしれませんが、セキュリティ専任担当者よりも、以下のような方のほうが重要だと感じました。

セキュリティ専任ではないけれど、社内のIT管理を担っている情シス担当者

ランサムウェア対策・クラウド管理・認証設計など、「何をどこから始めればいいか」の優先順位が見えてきます。専門家の言葉を聞くことで、経営層に対して「なぜ今これが必要か」を説明する材料がそろいます。

経営企画・管理部門で、セキュリティ予算の判断に関わる方

SCS評価制度やアクティブサイバーディフェンスの法整備など、「経営リスクとしてのサイバーセキュリティ」の現在地を把握するには最適な場です。専門用語が分からなくても、セッションの文脈で肌感覚としてリスクの重みを感じ取れます。

セキュリティ知識をこれからつけたい若手・キャリアチェンジ志望の方

無料で業界のリアルに触れられる場として、学習の入口に最適です。「情報処理安全確保支援士」向けの講座も毎回開催されており、資格取得を目指している方にとっても見逃せない内容です。また、会場内でベンダーや同業担当者と直接話せる機会は、採用・転職市場ではめったにない経験になります。

まとめ

「Security Days」は、巧妙化するサイバー攻撃の最新動向と対策を社外向けに共有する極めて重要なイベントです。また、製品展示でも勉強会でもなく、「業界の今を体感する場」であり、ランサムウェア等の新たな脅威が増加する中、最新のインシデント動向と対策を常に把握することは、企業や組織のセキュリティ強化において不可欠です。

本イベントの最大の魅力と意義は、警察庁や内閣官房といった公的機関や専門家のセミナーから深い知見を得られると同時に、展示会を通じて実際のソリューションに触れる実体験ができる点にあります。

参加無料で最新の脅威動向と対策が学べるため、実践的な対策を図る上で非常に価値の高い場と言えます。筆者が今回の参加で持ち帰ったのは、トレンドワードの知識ではなく、「なぜ今これが問題なのか」「現場でどのような壁があるか」「経営層にどう伝えるか」という視点でした。これらはネット検索ではまず出てこない類の情報です。会場での時間をどう使うかで、得られるものが大きく変わりますため、「セキュリティ担当者でもないし」と思っていた方は、ぜひ今年の秋も開催される予定ですので一度足を運んでみてください。

執筆者

中薗 祐也

中薗 祐也

前職でネットワークエンジニアに5年半従事し、大規模プロジェクトにおいて監視から設計フェーズまで一貫した業務を経験。CCNP 等の専門資格を保持し、ネットワーク分野における高い専門知識を保有する。2026年1月、USEN ICT Solutionsにセキュリティエンジニアとしてジョインし、サイバーセキュリティラボの企画運営や記事執筆を担当するほか、社内の新規事業の立ち上げにも参画。ネットワークエンジニアの知見を活かしつつ、セキュリティエンジニアとして日々セキュリティ技術に関する専門知識の習得に邁進している。
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