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USEN GATE 02 ICT用語集
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パケット

概要

パケット(Packet)は、コンピューターネットワークにおいてデータを転送するための基本的なユニットです。以下に、パケットについて詳しく解説します。

パケットの定義

パケットは、データ通信を行う際にデータを分割して送信するためのデータ単位です。送信元から宛先へのデータ転送において、情報を小さなブロック(パケット)に分割し、それぞれのパケットにはヘッダーとペイロード(データ本体)が含まれます。ヘッダーには制御情報や宛先のアドレスなどが含まれ、パケットは独立して転送され、宛先で再構築されます。

パケットの構造

パケットは一般的にヘッダーとペイロードから構成されます。ヘッダーには送信元や宛先のアドレス、パケットの制御情報(シーケンス番号、エラーチェックなど)が含まれます。ペイロードには実際のデータが格納されます。ヘッダーサイズやペイロードサイズは通信プロトコルやネットワークの仕様によって異なります。

パケットの利点

パケット交換方式によるデータ転送にはいくつかの利点があります。独立して転送されるため、ネットワークの混雑やエラーが生じても他のパケットに影響を与えません。最適な経路を選択して転送されるため、ネットワークの効率が向上します。分割されるため、大きなデータでも転送が可能です。宛先で再構築されるため、データの完全性が確保されます。

パケットのプロトコル

パケットはさまざまな通信プロトコルで使用されます。代表的なプロトコルには、インターネットプロトコル(IP)、トランスミッションコントロールプロトコル(TCP)、ユーザーグラムプロトコル(UDP)などがあります。これらのプロトコルは、パケットのヘッダー形式や処理方法を定義しています。

パケットのルーティング

パケットはネットワーク内で適切な経路を通じて転送されます。ルーターと呼ばれるネットワーク機器は、パケットの宛先アドレスを参照し、最適な経路を選択して転送します。ルーティングテーブルやルーティングプロトコルを使用して、ネットワーク上のノード間でパケットの正しいルーティングが行われます。

パケットは、データ通信において重要な役割を果たしており、ネットワークの効率性や信頼性を向上させるために広く利用されています。

歴史

1960年代 - 1970年代:パケット交換網の初期

パケット交換網の基礎となるアイデアは、1960年代に提案されました。当時、コンピューターネットワークの需要が増える中で、効率的なデータ通信方法が求められました。

1960年代後半には、アメリカのRAND Corporationやイギリスのナショナル物理研究所(NPL)などで、パケット交換ネットワークの実験が行われました。これらの実験では、データを小さなパケットに分割し、それぞれのパケットを独立して転送する手法が確立されました。

1970年代 - 1980年代:TCP/IPの開発と普及

1969年には、ARPANET(Advanced Research Projects Agency Network)が開発され、初めて複数のコンピューターを接続したネットワークが実現されました。

この時期に、TCP(Transmission Control Protocol)とIP(Internet Protocol)という基本的なプロトコルが開発され、TCP/IPプロトコルスタックが形成されました。TCP/IPは、パケット交換方式を基盤としたネットワーク通信の標準となり、インターネットの基礎を築きました。

1990年代 - 現在:高速化とパケットの多様化

1990年代以降、ネットワーク技術の進歩により、パケットの転送速度が向上しました。高速なネットワークインフラストラクチャやファイバーオプティックケーブルの普及により、大容量のパケットデータを高速に転送することが可能となりました。

また、さまざまなプロトコルやサービスが開発され、パケットの種類や用途も多様化しました。例えば、VoIP(Voice over IP)では音声データがパケットとして転送され、ストリーミングサービスでは動画や音楽データがパケットとしてストリーミングされます。

類義語・類似サービス

フレーム (Frame)

パケットと同様に、ネットワーク通信においてデータを分割・転送するための単位です。しかし、パケットと異なり、フレームはデータリンク層で使用される単位です。フレームはヘッダーとフッターで構成され、フレーム内にはデータと制御情報が含まれます。

セグメント (Segment)

パケットと同様に、ネットワーク通信においてデータを分割・転送するための単位です。セグメントはトランスポート層(通常はTCP層)で使用されます。セグメントにはデータとトランスポート層の制御情報が含まれます。

ルーター (Router)

ルーターは、ネットワークパケットの転送を行うデバイスです。ルーターは複数のネットワークを接続し、パケットの送信先を決定する役割を果たします。パケットのヘッダー情報を解析し、適切な経路を選択してパケットを転送します。

ブリッジ (Bridge)

ブリッジは、データリンク層で動作し、複数のネットワークセグメントを接続するデバイスです。ブリッジはパケットの宛先MACアドレスを解析し、パケットを適切なセグメントに転送します。ブリッジはトラフィックのセグメント間の制御を行い、ネットワークのパフォーマンスを向上させます。

スイッチ (Switch)

スイッチは、データリンク層で動作し、複数のネットワークデバイスを接続するデバイスです。スイッチはパケットの宛先MACアドレスを解析し、パケットを適切なポートに転送します。スイッチはブリッジと同様の機能を持ちながら、高速かつ効率的なパケット転送を実現します。

フラグメンテーション (Fragmentation)

フラグメンテーションは、大きなデータを複数のパケットに分割するプロセスです。データリンク層やネットワーク層の最大パケットサイズを超える場合や、経路上のネットワーク要素が小さいパケットサイズを要求する場合に使用されます。フラグメンテーションによってデータは分割され、受信側で再結合されます。

ハイパーバイザー

概要

ハイパーバイザー(Hypervisor)は、ITおよびネットワーク環境における重要な用語であり、仮想化技術の一部です。ハイパーバイザーは、物理的なコンピューターハードウェア上で仮想環境を作成し、複数の仮想マシン(VM)を実行する役割を果たします。

以下に、ハイパーバイザーの特徴と機能について説明します。

仮想マシン管理

ハイパーバイザーは、物理的なハードウェア上で複数の仮想マシンを作成、管理、実行します。各仮想マシンは、独立したオペレーティングシステム(OS)とアプリケーションを実行できます。

リソース割り当て

ハイパーバイザーは、物理的なリソース(CPU、メモリ、ストレージなど)を仮想マシンに割り当てます。これにより、複数の仮想マシンが同じハードウェア上で効率的に動作できます。

仮想マシンの分離

ハイパーバイザーは、異なる仮想マシン間の相互干渉を防ぐために、仮想マシンを物理的に分離します。これにより、1つの仮想マシンが他の仮想マシンに影響を与えることなく独立して動作できます。

仮想マシンの移行

ハイパーバイザーは、仮想マシンの動的な移行を可能にします。これにより、ハードウェアの保守作業や負荷分散などのために、実行中の仮想マシンを別の物理ホストに移すことができます。

ハードウェア仮想化

ハイパーバイザーは、物理ハードウェアを仮想マシンが利用できる形式に変換する役割を果たします。ハードウェアの抽象化と仮想化により、異なるハードウェア構成上で一貫した仮想環境を提供できます。

ハイパーバイザーは、以下の2つの主要なタイプに分類されます。

タイプ1(ネイティブまたはベアメタル)ハイパーバイザー

タイプ1ハイパーバイザーは、物理ホスト上で直接実行されます。ホストOSの上に配置されず、ハードウェアと直接対話します。代表的な例としては、VMware ESXi、Microsoft Hyper-V、KVMなどがあります。

タイプ2(ホスト型)ハイパーバイザー

タイプ2ハイパーバイザーは、既存のオペレーティングシステム上で動作します。ホストOS上で実行され、ハイパーバイザーソフトウェアがホストOSと物理ハードウェアの間に配置されます。代表的な例としては、VMware Workstation、Oracle VirtualBox、Microsoft Virtual PCなどがあります。

ハイパーバイザーは、仮想化技術によって物理リソースの効率的な利用、柔軟な環境の構築、アプリケーションの分離とセキュリティの向上などの利点をもたらします。また、クラウドコンピューティングや仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)などの分野で広く利用されています。

歴史

1950年代から1960年代

ハイパーバイザーの原型となる仮想化技術は、メインフレームコンピューターの時代に遡ります。この時期、複数のユーザーが共有するために大型のメインフレームコンピューター上で仮想化が利用されました。IBMが開発したCP-40およびCP-67は、ハイパーバイザーの先駆けとされています。

1970年代から1980年代

マイクロプロセッサの台頭により、個々のコンピューターが普及しましたが、仮想化技術は主にメインフレーム環境で利用されました。IBMのVM/370は、この時代の主要なハイパーバイザーであり、複数の仮想マシンを実行し、リソースを効率的に共有する機能を提供しました。

1990年代から2000年代

インターネットの普及に伴い、ハイパーバイザーの役割と重要性が増しました。この時期、ハイパーバイザーは主に企業のデータセンターやサーバー仮想化に使用されました。VMwareが開発したVMware ESX Serverは、1999年にリリースされた最初の商用ハイパーバイザーであり、仮想化技術の普及を促進しました。

2010年代以降

クラウドコンピューティングの台頭により、ハイパーバイザーの需要が一層高まりました。クラウドプロバイダーは、仮想マシンを効率的に管理し、リソースを柔軟に提供するためにハイパーバイザーを利用しました。さらに、オープンソースのハイパーバイザーであるKVM(Kernel-based Virtual Machine)や、MicrosoftのHyper-Vなど、さまざまなハイパーバイザーが登場しました。

類義語・類似サービス

コンテナ仮想化

ハイパーバイザーとは異なる仮想化技術であり、アプリケーションやプロセスを隔離された環境で実行することができます。ハイパーバイザーは完全な仮想マシンを提供するのに対し、コンテナはより軽量で高速な仮想環境を提供します。代表的なコンテナプラットフォームにはDockerやKubernetesがあります。

PV(paravirtual、準仮想化)

ハイパーバイザーが物理的なハードウェアを仮想化するのに対し、PVは特定のハードウェアリソース(CPUやメモリなど)を複数の仮想マシン間で分割して提供します。これにより、物理リソースをより効率的に利用することができます。

ベアメタル

ハイパーバイザーがホストOS上で動作するのに対し、ベアメタルはハードウェア上で直接実行されます。これにより、仮想化レイヤーのオーバーヘッドを最小限に抑えることができます。代表的なベアメタルハイパーバイザーにはVMware ESXiやMicrosoft Hyper-Vがあります。

完全仮想化(full virtualization)

ハイパーバイザーがホストマシン上で完全な仮想マシンを提供するのに対し、完全仮想化は仮想マシン内のソフトウェアやハードウェアを完全に再現します。これにより、ゲストOSはホストOSから完全に分離され、独自のリソースを持つことができます。

ハイアベイラビリティ

概要

ハイアベイラビリティ(High Availability)は、ITおよびネットワークシステムの性能と信頼性を確保するための概念です。ハイアベイラビリティを実現するためには、システムが障害や故障に対して耐性を持ち、適切な冗長性と回復能力を備えている必要があります。このような設計により、システムの可用性と信頼性を高め、サービスの中断やデータの損失を最小限に抑えることができます。

以下に、ハイアベイラビリティを実現するための主な要素と手法をいくつか説明します。

冗長性

冗長性は、システム内の要素やコンポーネントを冗長化することで、単一障害点を排除する手法です。例えば、冗長化されたサーバー、ネットワーク接続、電源などを使用することで、障害が発生した場合にもシステムが継続して動作できるようにします。

バックアップとリカバリ

ハイアベイラビリティを実現するためには、適切なバックアップとリカバリ戦略が必要です。定期的なデータのバックアップや災害復旧プランの策定、テストを行うことで、データの損失やサービスの中断を最小限に抑えることができます。

これらの要素や手法を組み合わせることで、ハイアベイラビリティを実現することができます。システムやネットワークの可用性と信頼性を高めることは、重要なビジネス要件であり、特に大規模なオンラインサービスや企業の基幹システムにおいて重要な考慮事項となります。

歴史

1960年代から1970年代にかけて、主に大規模なコンピューターシステムやミッションクリティカルなシステムにおいて、冗長性や耐障害性の考え方が導入されました。この時期には、バックアップ電源やホットスタンバイシステム(予備システム)の導入が行われ、システムの可用性向上に取り組まれました。

1980年代に入ると、コンピューターネットワークの普及が進み、複数のシステムやサーバーを組み合わせたクラスタリングが登場しました。クラスタリングにより、システムが障害に見舞われた場合でも別のノードが処理を引き継ぐことができ、可用性の向上が図られました。

1990年代以降、インターネットの普及とともにオンラインサービスやウェブアプリケーションの需要が増加しました。これに伴い、可用性の向上がますます重要となり、さまざまなハイアベイラビリティの技術や手法が開発されました。例えば、ロードバランシングやフェイルオーバーなどの手法が広く採用されるようになりました。

現代では、クラウドコンピューティングや仮想化技術の進歩により、ハイアベイラビリティの実現が容易になりました。クラウドプロバイダーは、物理的な冗長性や自動的なスケーリング、データのレプリケーションなどを提供し、顧客が高い可用性のシステムを構築できる環境を提供しています。

ハイアベイラビリティの歴史は、コンピューターおよびネットワーク技術の進歩とともに進化してきました。ビジネスや組織においては、ハイアベイラビリティの実現は重要な要素となり、システムの中断やデータの損失を最小限に抑えるための取り組みが継続的に行われています。

類似語・類似サービス

フェイルオーバー(Failover)

フェイルオーバーは、主要なシステムやサービスが障害や故障によって停止した場合に、別のバックアップシステムやサービスが自動的に処理を引き継ぐ仕組みです。フェイルオーバーはハイアベイラビリティを実現するための重要な手法であり、システムの可用性を向上させることができます。

ロードバランシング(Load Balancing)

ロードバランシングは、トラフィックや負荷を複数のサーバーやリソースに均等に分散させる仕組みです。複数のサーバーに負荷を分散することにより、システムのパフォーマンスを向上させつつ、単一障害点のリスクを低減し、ハイアベイラビリティを実現します。

クラスタリング(Clustering)

クラスタリングは、複数のコンピューターやサーバーを協調動作させ、一つの論理的なシステムとして機能させる仕組みです。クラスタリングにより、システムが障害や故障に見舞われても別のノードが処理を引き継ぐことができ、高い可用性と冗長性を実現します。

ミラーリング(Mirroring)

ミラーリングは、データの複製や同期を行うことで冗長性を確保する手法です。ミラーリングでは、主要なデータベースやストレージシステムの内容を複数の場所に同期させることで、障害やデータの損失に対する耐性を高めます。

対義語

SPOF(Single Point of Failure、単一障害点)

SPOFは、システムやネットワークにおいて単一の要素やリソースが故障すると、全体のシステムが停止するリスクがある状態を指します。ハイアベイラビリティを実現するためには、SPOFを回避する設計や冗長性の確保が重要です。

ローテーション(Rotation)

ローテーションは、特定の役割や機能を複数の要素やリソースで交代しながら運用することを指します。ローテーションにより、負荷やリスクを均等に分散させることができます。ハイアベイラビリティを実現する手段の一つとして利用されます。

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