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ベンチマーク

概要

ベンチマーク(Benchmark)は、ITやネットワークの分野で使用される用語で、性能評価や比較のために行われる測定やテストのことを指します。システムやコンポーネントの性能や機能を客観的に評価するために、標準化されたテストケースや基準を使用して実施されます。

ベンチマークの主な目的は以下の通りです。

性能評価

ベンチマークは、システムやデバイスの性能を評価するために使用されます。処理速度、応答時間、データ転送速度など、特定のパフォーマンス指標を測定することが一般的です。これにより、異なるシステムやコンポーネントの性能を客観的に比較することができます。

検証と検収

ベンチマークは、システムやソフトウェアの開発・テスト段階で使用され、設計や実装の妥当性を検証するために利用されます。ベンチマーク結果は、システムの要件や仕様を満たしているかどうかを確認するための基準として使用されます。

プロダクト比較

ベンチマークは、同じカテゴリの製品やサービスを比較するための手段としても活用されます。異なるベンダーの製品やバージョンの性能を評価し、最適な選択肢を特定する際に役立ちます。

ベンチマークはさまざまな分野で利用されます。例えば、CPUやGPUの性能評価、データベースの処理速度、ネットワーク機器のスループットなどが挙げられます。ベンチマークの結果は、ベンダーやユーザーにとって参考となる情報となり、システムの選択や最適化の判断材料となります。

歴史

1970年代中頃ベンチマークの概念が登場し始めました。最初のベンチマークは、コンピューターの性能を評価するための標準的なベンチマークプログラムでした。これらのプログラムは、実際のワークロードに近いタスクを模倣し、コンピューターの処理能力を測定することを目的としていました。

1980年代に入ると、ベンチマークの需要が増加し、業界で広く受け入れられるようになりました。一部のベンダーは独自のベンチマークを開発し、自社製品の性能をアピールするために使用しました。同時に、業界全体での標準化の必要性も浮上し、ベンチマークの標準化団体やコンソーシアムが設立されました。

1990年代に入ると、SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation)が設立され、広く利用されるベンチマークスイートの開発が始まりました。SPECは、ベンチマークの開発、公開、標準化を行い、異なるシステムやプラットフォームの性能比較を容易にするための仕組みを提供しました。

2000年代以降、ベンチマークの種類と使用方法が多様化しました。特定の業界やアプリケーションに特化したベンチマークが開発され、クラウドコンピューティングやモバイルデバイスなどの新たな領域でも利用されるようになりました。

類義語・類似サービス

ベンチマークスイート(Benchmark Suite)

ベンチマークスイートは、複数のベンチマークテストをまとめたパッケージです。ベンチマークスイートは、さまざまなワークロードやタスクを含み、複数の側面や要素の性能を総合的に評価するために使用されます。一つのベンチマークの結果だけでなく、複数のベンチマークテストの結果を総合的に分析することで、より総合的な性能評価が可能となります。

ロードテスト(Load Testing)

ロードテストは、システムやネットワークの性能や耐久性を評価するために行われるテストの一種です。ロードテストでは、実際のユーザートラフィックや負荷をシミュレートして、システムがどれだけのトラフィックや負荷を処理できるかを評価します。ベンチマークと同様に、システムの性能を測定するために使用されますが、ベンチマークは一般的には独立したベンチマークプログラムを使用するのに対し、ロードテストは実際の負荷をシミュレートするために特定のテストツールやフレームワークを使用します。

ストレステスト(Stress Testing)

ストレステストは、システムやネットワークが限界点に達するまでの極限状態での性能評価を行うテストです。ストレステストでは、通常の負荷を大幅に超えるような条件下でシステムをテストし、リソースの枯渇やエラーの発生などの振る舞いを評価します。ベンチマークとは異なり、システムの限界点や弱点を特定することが目的です。

レイテンシ(Latency)

レイテンシは、システムやデバイスにおける応答時間の遅延を指します。ベンチマークでは、処理速度やレイテンシの低さが優れた性能を示す指標となります。

対義語

アイドル

システムやネットワークが最小の負荷や活動状態であることを指し、ベンチマークテストや負荷試験が行われる前の状態を表します。

ベストエフォート

概要

ベストエフォート(Best Effort)は、ITおよびネットワークのコンテキストで使用される用語であり、最大の努力や最善の努力を指す言葉です。以下で詳しく説明します。

ネットワーク通信

ベストエフォートは、ネットワーク通信において特定の品質保証やサービスレベルを提供しない形態を指します。つまり、ネットワーク上でデータが転送される際に最大限の努力が行われるが、データの到達性、速度、順序などは保証されません。パケットベースのネットワークでは、データはベストエフォートで転送され、転送の成功やタイミングはネットワークの状況に依存します。

インターネット

インターネットはベストエフォートのネットワークです。データはパケットとして分割され、それぞれが独立してネットワークを経由して送信されます。しかし、インターネット上のトラフィックはさまざまな要因によって影響を受け、遅延やパケットの損失が発生することがあります。

サービスプロバイダー

ベストエフォートは、インターネットサービスプロバイダー(ISP)やネットワークプロバイダーが提供する通信サービスにおいて一般的な原則です。これにより、ネットワークリソースの効率的な利用が可能となります。ただし、特定の品質やサービスレベルを求める場合は、別途の契約やサービスレベルアグリーメント(SLA)が必要となります。

品質サービス(Quality of Service、QoS)

ベストエフォートの通信に対して、一定の品質やサービスレベルを保証するために、QoSメカニズムが使用されることがあります。QoSは、ネットワークトラフィックに優先順位を付けたり、リソースを割り当てたりすることで、特定の通信要件を満たすことを目指します。ベストエフォートとは対照的に、QoSでは特定のトラフィックに対して品質や帯域幅の保証を提供します。

ベストエフォートは、ネットワーク通信における基本的な原則であり、多くの場合に適用されます。ただし、特定の要件やアプリケーションにおいては、より高い品質や保証が必要となる場合があります。その場合は、適切なQoSメカニズムや特定の通信サービスを利用する必要があります。

歴史

1960年代から1970年代にかけて、ARPANET(Advanced Research Projects Agency Network)などの初期のネットワークが開発されました。当時は、主にリソースの共有や研究者間の通信を目的としており、品質保証やサービスレベルの厳密な管理は行われていませんでした。

1980年代には、TCP/IPプロトコルスイートの開発と普及が進み、インターネットが形成されました。この時期にはパケット交換方式が一般的になり、ネットワーク上でデータがベストエフォートで転送されるようになりました。ベストエフォートのアプローチでは、ネットワーク上のデータ転送には最大限の努力が行われるが、到達性、速度、順序などの保証はされません。

1990年代に入ると、インターネットの普及が加速し、商業的な利用や大規模なネットワークインフラの構築が進みました。この時期には、ネットワークサービスプロバイダーがネットワークアクセスを提供し、ユーザーがインターネットを通じてデータを送受信するようになりました。ベストエフォートの原則は、広く受け入れられ、多くのネットワークサービスプロバイダーがベストエフォートの通信を提供しました。

2000年代以降、インターネットの利用がさらに拡大し、新たなアプリケーションやサービスが登場しました。同時に、ユーザーの要求や期待も高まり、特定の品質やサービスレベルの要求が生じるようになりました。これに対応するため、QoS(Quality of Service)メカニズムが開発され、ネットワーク上での特定のトラフィックに優先順位や帯域幅の保証が行われるようになりました。

現在では、ベストエフォートの通信は依然として広く利用されていますが、特定のアプリケーションやサービスでは、QoSメカニズムやプライオリティ制御を用いた品質保証が行われています。これにより、音声通話やストリーミング、リアルタイムのビデオ会議など、特定の要件を持つアプリケーションにおいて高品質の通信が実現されています。

類義語・類似サービス

SLA(Service Level Agreement)

SLAは、サービス提供者と利用者との間で合意される契約や規定です。SLAには、提供されるサービスの品質レベル、可用性、応答時間などが明記されており、ベストエフォートではなく、一定のサービス品質を保証することを目的としています。

QoS(Quality of Service)

QoSは、ネットワーク上で特定のトラフィックに対して帯域幅、遅延、ジッター、パケットロスなどのパフォーマンス要件を保証する仕組みです。QoSはベストエフォートのアプローチとは対照的であり、通信品質の優先度付けやリソース制御を行うことで、特定のトラフィックに優先的な処理を行います。

ストリーミングサービス(Streaming Service)

ストリーミングサービスは、インターネット上で動画や音楽などのメディアコンテンツをリアルタイムに配信するサービスです。ストリーミングサービスでは、高品質のコンテンツ再生を実現するために、低遅延や連続したデータの送信が重要です。ベストエフォートではなく、QoSや特化したネットワークインフラが使用されることがあります。

ファイブナイン(Five Nines)

ファイブナインは、高い可用性を持つネットワークやサービスを指す言葉です。具体的には、99.999%の稼働時間を持つことを意味します。これは、年間でわずか約5分のダウンタイムしか許容されないことを示しています。ベストエフォートのネットワークでは、このような高い可用性の保証は難しい場合があります。

ベアメタルサーバー

概要

ベアメタルサーバー(Bare Metal Server)は、IT/ネットワークのコンテキストで使用される用語であり、物理的なサーバーハードウェアへのアクセスを提供するサーバーサービスの形態を指します。ベアメタルサーバーは仮想化やコンテナ化のレイヤーを介さず、直接的に物理サーバーハードウェアを利用することが特徴です。

以下に、ベアメタルサーバーの特徴と利点を説明します。

物理的なリソースへの直接アクセス

ベアメタルサーバーは仮想化レイヤーがないため、アプリケーションやサービスが物理サーバーハードウェアに直接アクセスできます。これにより、ベアメタルサーバーは高いパフォーマンスとリソース利用効率を提供します。

専有性とプライバシー

ベアメタルサーバーは他のテナントとリソースを共有せず、専有的に利用されます。これにより、他のユーザーのアクティビティやトラフィックの影響を受けずに、安定性とセキュリティを確保できます。

カスタマイズ性と柔軟性

ベアメタルサーバーは物理ハードウェアにアクセスできるため、カスタムオペレーティングシステム、ミドルウェア、ネットワーク構成などを自由に設定できます。これにより、特定のアプリケーションやワークロードに最適化された環境を構築できます。

高いパフォーマンスとスケーラビリティ

仮想化レイヤーのないベアメタルサーバーは、処理能力やネットワークスループットなどの面で優れたパフォーマンスを提供します。また、ハードウェアのリソースを直接制御できるため、高いスケーラビリティも実現できます。

ベアメタルサーバーの利用は、特にパフォーマンスが重要なアプリケーションやデータベース、ビッグデータ処理などのワークロードに適しています。また、セキュリティやコンプライアンス要件が厳しい場合にも好まれます。

ベアメタルサーバーは、仮想化技術を使用する仮想サーバーやコンテナ環境といった類似のサービスと比較されることがあります。それらのサービスは複数のテナントやアプリケーションを同じハードウェア上で実行することができますが、ベアメタルサーバーは専有性と物理ハードウェアへの直接アクセスを提供する点で異なります。

歴史

1990年代には、パーソナルコンピューター(PC)が急速に普及し、企業や組織内でのデータ処理やネットワークインフラの需要が増加しました。この時期には、物理的なサーバーハードウェアが一般的であり、多くの組織が専用のサーバールームやデータセンターを運営していました。

2000年代初頭には、仮想化技術が台頭し、サーバーの仮想化が一般的になってきました。仮想化によって、1台の物理サーバー上で複数の仮想サーバーが稼働できるようになり、ハードウェアのリソース効率化や柔軟性の向上が実現されました。これにより、物理サーバーの利用効率が向上し、コスト削減や管理の簡素化が図られました。

しかしながら、一部のワークロードやアプリケーションにおいては、物理的なリソースに直接アクセスする必要がありました。仮想化レイヤーが存在することで性能やレイテンシーの制約が発生するため、一部の企業や組織はベアメタルサーバーの需要を感じるようになりました。

2010年代以降、クラウドコンピューティングの普及により、ベアメタルサービスがクラウドプロバイダーやホスティングサービスプロバイダーから提供されるようになりました。これにより、利用者は物理的なサーバーハードウェアを専有し、直接制御することができるようになりました。ベアメタルサーバーの需要は、特にパフォーマンスやセキュリティが重要なアプリケーションやワークロードにおいて高まっています。

類義語・類似サービス

仮想マシン(仮想サーバー)

仮想マシンは、物理的なハードウェア上に仮想化ソフトウェアを使用して作成された仮想的なサーバーです。複数の仮想マシンを1台の物理サーバー上で動作させることができます。ベアメタルサーバーとは異なり、仮想マシンはハイパーバイザーによって管理され、ハードウェアリソースを共有します。

コンテナ

コンテナは、アプリケーションを独立した実行環境にパッケージ化する仮想化の手法です。コンテナは仮想マシンよりも軽量で、より素早く起動し、スケーラビリティが高い特徴があります。コンテナはホストOSのカーネルを共有するため、ベアメタルサーバーのように物理的なハードウェアへの直接アクセスが可能です。

マネージドサーバー

マネージドサーバーは、ベアメタルサーバーと同様に物理的なサーバーを提供しますが、運用や管理の面でサポートを受けることができるサービスです。プロバイダーがハードウェアの設定やセキュリティパッチの適用、ネットワークの設定などを管理し、ユーザーはアプリケーションの開発や運用に集中できます。

ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)

HCIは、ストレージ、ネットワーキング、仮想化、管理などの要素を統合したシステムです。HCIは物理的なハードウェアにおける仮想化と統合を提供し、ベアメタルサーバーと同様に物理的なリソースへの直接アクセスが可能です。

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