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マルウェア

概要

マルウェア(Malware)は、悪意のあるソフトウェアの総称であり、コンピューターシステムやネットワークに侵入して様々な害を引き起こすプログラムのことを指します。マルウェアは、不正アクセスやデータの盗み出し、システムの破壊、個人情報の窃取などの悪意の目的を持ち、コンピューターやネットワークのセキュリティに脅威をもたらす存在です。

歴史

1970年代から1980年代初頭

最初のマルウェアが出現しました。この時期には、コンピューターシステムのセキュリティ対策が限られており、マルウェアの存在に対する認識もまだ十分ではありませんでした。最も早いマルウェアの一つは、1971年に公開された「クリスマスツリープログラム」と呼ばれるもので、ユーザーの端末に表示されるツリーグラフィックを通じて広まるものでした。

1980年代中盤から1990年代

PCの普及とともに、マルウェアの数と種類が増加しました。この時期には、ウイルスやワームといった形態のマルウェアが台頭しました。1986年に登場した最初のPCウイルス「ブレイン(Brain)」は、フロッピーディスクを介して広がり、個人コンピューターに感染しました。また、1988年には「モーリスワーム(Morris Worm)」と呼ばれる大規模なインターネットワームが登場し、インターネット全体に感染を広げました。

2000年代

インターネットの普及と技術の進歩により、マルウェアの脅威はさらに拡大しました。2000年代初頭には、マルウェアの目的も多様化し、情報の盗み出しや金銭的な利益を狙った攻撃が増えました。また、スパイウェアやキーロガーといった個人情報を収集するマルウェアも増加しました。

2010年代以降

近年では、より高度で洗練されたマルウェアが登場しています。ランサムウェアが大きな問題となり、個人や企業のデータを暗号化し、身代金を要求する攻撃が増えました。また、標的型攻撃やゼロデイ攻撃といった高度な攻撃手法が使われるようになりました。

類義語・類似サービス

ウイルス(Virus)

ウイルスは、感染型のマルウェアであり、他のプログラムやファイルに感染して自己複製する能力を持ちます。感染したプログラムやファイルが実行されると、ウイルスも実行され、新たなファイルやプログラムに感染を広げます。ウイルスは、システムやデータの破壊、情報の盗み出し、ネットワークの乗っ取りなどの被害を引き起こすことがあります。

ワーム(Worm)

ワームも自己複製する能力を持つマルウェアですが、感染したプログラムやファイルに依存せず、ネットワークを介して自動的に拡散します。ワームは、ネットワーク上の脆弱性を利用して広がり、大規模な感染やネットワークの過負荷を引き起こすことがあります。

トロイの木馬(Trojan Horse)

トロイの木馬は、正規のプログラムやアプリケーションに偽装されたマルウェアです。ユーザーが意図せずにトロイの木馬を実行すると、マルウェアが活性化し、様々な不正な活動を行います。トロイの木馬は、バックドアの作成や個人情報の窃取、キーロギング(入力情報の盗み出し)などの攻撃に使用されることがあります。

スパイウェア(Spyware)

スパイウェアは、ユーザーのプライバシーやセキュリティを侵害するためにデータを収集するマルウェアです。スパイウェアは、インターネット上の広告やフリーソフトウェアに潜んでおり、ユーザーのWebブラウジングの履歴やキーストローク、個人情報を収集し、不正な目的で使用される可能性があります。

ランサムウェア(Ransomware)

ランサムウェアは、データやシステムを制限したり、暗号化したりして利用者から身代金(ランサム)を要求するマルウェアです。ランサムウェアに感染すると、重要なデータやファイルが利用できなくなり、身代金を支払わなければデータを復元する鍵が提供されません。

対義語

セキュリティソフトウェア(Security Software)

マルウェアや他のセキュリティ脅威を検出し、防御するためのソフトウェアです。アンチウイルスソフト、ファイアウォール、侵入検知システムなどが含まれます。

ホワイトリスト(Whitelist)

ホワイトリストは、許可されたプログラムやサービスのリストです。ホワイトリスト方式では、許可されたもの以外の実行をブロックすることでセキュリティを強化します。

ブラックリスト(Blacklist)

ブラックリストは、悪意のあるプログラムやサービスのリストです。ブラックリスト方式では、リストに登録されたものをブロックすることでセキュリティを向上させます。

マルチサイト

概要

マルチサイト(Multi-Site)は、ITおよびネットワークのコンテキストで使用される用語であり、複数の物理的な場所や地理的に分散した場所にまたがるシステムやサービスの展開や運用を指します。以下に、マルチサイトに関する詳細な解説を提供します。

マルチサイトは、組織が複数の拠点や地域に存在する場合に利用されることがあります。これには、企業の支店やオフィス、データセンター、クラウドリージョンなどが含まれます。マルチサイトの目的は、以下のような利点を持つ柔軟性の高いインフラストラクチャを実現することです。

冗長性と可用性の向上

マルチサイト展開は、物理的な場所の分散により冗長性を高め、システムの可用性を向上させることができます。一つのサイトが障害に見舞われた場合でも、他のサイトでサービスを提供することができます。

ローカルデータ処理

ユーザーに近い場所にデータを配置することで、ローカルなデータ処理を実現します。これにより、ネットワーク遅延や帯域幅の問題を軽減し、パフォーマンスを向上させることができます。

地理的な要件の達成

特定の地理的要件に対応するために、データやサービスを特定の地域に配置することが必要な場合があります。例えば、データ保管の法的要件やプライバシー規制に従うために、データを特定の国内サイトに配置することが求められる場合があります。

ビジネスの拡張

マルチサイト展開は、新しい拠点や市場に進出する際にスケーラビリティと柔軟性を提供します。新しいサイトを迅速に展開し、既存のシステムとの連携を確保することができます。

マルチサイト展開を実現するためには、適切なネットワーク接続やデータ同期、セキュリティ対策が必要です。また、マルチサイト展開は、運用上の課題や複雑さも伴うため、十分な計画と管理が求められます。

歴史

ローカルエリアネットワーク(LAN)の普及

1980年代から1990年代初頭にかけて、コンピューターネットワークの普及が進み、ローカルエリアネットワーク(LAN)が一般的になりました。これにより、企業内の複数のコンピューターやデバイスが相互に接続され、リソースの共有やコミュニケーションが可能となりました。

ワイドエリアネットワーク(WAN)の登場

LANの普及とともに、異なる場所や地域にあるLANを接続する必要性が生まれました。このため、ワイドエリアネットワーク(WAN)が登場し、企業間や支店間のネットワーク接続が実現されました。WANによって、地理的な分散環境での通信やデータ共有が可能となりました。

クラウドコンピューティングの台頭

2000年代以降、クラウドコンピューティングの台頭により、企業は自社のインフラストラクチャをクラウドプロバイダーに委託することができるようになりました。クラウドプロバイダーは複数のデータセンターを運営し、地理的な分散を実現しています。これにより、マルチサイト展開が容易になりました。

ハイブリッドクラウドの普及

近年、企業はオンプレミスのインフラストラクチャとクラウド環境を組み合わせたハイブリッドクラウド環境を採用するケースが増えています。ハイブリッドクラウドでは、オンプレミスとクラウドのリソースを統合し、マルチサイト展開が実現されます。企業は柔軟性とスケーラビリティを高めながら、地理的な分散や冗長性を確保できます。

類義語・類似サービス

ロードバランシング

マルチサイトにおいて、トラフィックを複数のサイトやサーバーに均等に分散する技術です。ロードバランサーを使用して、負荷の分散や高可用性の実現が可能となります。

広域負荷分散(GSLB)

複数の地理的に分散した場所に配置されたサーバーやアプリケーションへの負荷を均等に分散する仕組みを指します。広域負荷分散は、ユーザーの要求を効率的に処理し、応答時間を改善し、可用性と信頼性を高めることが目的です。

クラスタリング

マルチサイトで使用される技術の一つで、複数のサーバーを1つのクラスタとしてまとめて管理することです。クラスタリングにより、負荷分散や冗長性の確保、高可用性の実現が可能となります。

フェイルオーバー

マルチサイト環境において、障害が発生した場合に自動的に別のサイトやサーバーにトラフィックを切り替える仕組みです。フェイルオーバーにより、サービスの中断やデータの損失を最小限に抑えることができます。

レプリケーション

レプリケーションは、データやシステムのコピーを複数の場所に作成するプロセスです。マルチサイト展開では、データのレプリケーションを使用して異なる場所で同じデータを保持し、冗長性と可用性を向上させます。データの変更や更新は、レプリケーションによって他の場所にも反映されます。

対義語

シングルサイト

マルチサイトの対義語であり、単一のサイトまたはロケーションでの運用を指します。シングルサイトでは、すべてのリソースやサービスが1つの場所に集中しています。

マウント

概要

マウント(Mount)は、ITおよびネットワークの用語で、外部のファイルシステムやデバイスをシステムに接続し、利用可能にするプロセスやアクションを指します。マウントによって、別のディスクやリモートのリソースを現在のファイルシステムに統合することができます。一般的な用途として、以下のような場面で使用されます。

ファイルシステムのマウント

マウントは、別のディスクパーティションやネットワーク上のリモートファイルシステムを現在のファイルシステムに接続するために使用されます。例えば、Linuxシステムでは、mountコマンドを使用してファイルシステムをマウントします。マウントされたファイルシステムは、ディレクトリツリーの一部としてアクセスできます。

ネットワークドライブのマウント

ネットワーク上の共有ドライブやリモートサーバー上のディレクトリを、ローカルマシンのファイルシステムにマウントすることもあります。これにより、ユーザーはネットワーク上のリソースにアクセスし、ファイルの読み書きや操作を行うことができます。

仮想ディスクのマウント

仮想マシンやコンテナなどの仮想環境では、仮想ディスクイメージをホストシステムにマウントすることがあります。これにより、仮想環境内からホストシステムのファイルシステムにアクセスしたり、ファイルの共有やデータの交換が可能になります。

メモリデバイスのマウント

一部のオペレーティングシステムでは、メモリデバイス(例えば、RAMディスク)をファイルシステムにマウントすることができます。これにより、高速なデータアクセスや一時的なデータの保存が可能になります。

歴史

1960年代から1970年代のUNIXの初期のバージョンでは、マルチユーザーシステムの要求に応えるため、大規模で複雑なファイルシステムが必要とされました。この時代のUNIXでは、ディスク装置は物理的なデバイスとして扱われ、デバイスをシステムに統合するためには、デバイスを特定のディレクトリにマウントする必要がありました。

1974年、バークレー大学のComputer Systems Research Group(CSRG)が開発したBSD UNIX(Berkeley Software Distribution UNIX)では、""mount""コマンドが導入され、ファイルシステムのマウントとアンマウントが容易になりました。これにより、ユーザーはリムーバブルディスクやネットワーク上のリモートファイルシステムなど、さまざまなデバイスやリソースをシステムに統合できるようになりました。

1980年代に入ると、マウントの仕組みはUNIX以外のオペレーティングシステムにも取り入れられるようになりました。例えば、MicrosoftのDOSやWindows、AppleのMac OSなどでもマウントの概念が導入され、外部デバイスやネットワーク上の共有リソースをシステムに統合するために使用されました。

現代のIT環境では、クラウドコンピューティングや仮想化技術の進化により、さまざまな形態のマウントが可能になっています。仮想マシンやコンテナなどの仮想環境では、仮想ディスクやネットワークドライブをホストシステムにマウントすることでリソースを共有します。また、クラウドストレージサービスでは、ユーザーはクラウド上のストレージを自身のシステムにマウントして使用することができます。

類義語・類似サービス

レジストリ(Registry)

レジストリは、Windowsオペレーティングシステムにおいて、システムの設定情報や構成データを格納するデータベースです。マウントとは異なり、レジストリはファイルシステムの一部を統合するのではなく、システムの設定情報を管理するために使用されます。

シンボリックリンク(Symbolic Link)

シンボリックリンクは、ファイルやディレクトリのエイリアスを作成するための仕組みです。シンボリックリンクによって、特定の場所にあるファイルやディレクトリを別の場所から参照することができます。マウントとは異なり、シンボリックリンクはファイルシステムの統合ではなく、ファイルやディレクトリへの参照の作成に使用されます。

ストレージエリアネットワーク(Storage Area Network, SAN)

ストレージエリアネットワークは、高速なデータ転送を可能にするために、専用のネットワークを使用してストレージデバイスを接続する技術です。SANでは、複数のサーバーが同じストレージリソースにアクセスできるようになります。マウントとは異なり、SANはネットワークを介してストレージデバイスを接続する技術であり、ファイルシステムの統合ではありませんが、複数のサーバーが共有ストレージを利用できる環境を提供します。

ドライブマッピング(Drive Mapping)

ドライブマッピングは、ネットワーク上の共有リソースやリモートデバイスを、ローカルコンピューターのドライブレターに関連付けることです。これにより、ユーザーはネットワーク上のリソースをローカルのファイルシステムとしてアクセスできます。マウントとは異なり、ドライブマッピングはWindowsなどのオペレーティングシステムで使用される用語です。

対義語

アンマウント(Unmount)

アンマウントは、マウントされたファイルシステムやリソースをシステムから切断する操作です。マウントがリソースをシステムに統合するのに対して、アンマウントはリソースをシステムから切り離すことを意味します。

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