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シングルサインオン

概要

シングルサインオン(Single Sign-On、SSO)は、ユーザーが複数のアプリケーションやシステムに対して1回の認証でアクセスできる仕組みです。ユーザーは1度だけ認証情報を入力することで、複数のシステムやサービスに対して自動的にログインできます。以下に、シングルサインオンの詳細と仕組みについて解説します。

シングルサインオンの仕組みは、以下の要素から構成されます。

認証プロバイダー(Identity Provider、IdP)

シングルサインオンの中心となる要素であり、ユーザーの認証情報を管理しています。ユーザーが認証プロバイダーに対してログインすることで、他のサービスへのアクセス権が付与されます。認証プロバイダーは、ユーザーの識別情報や認証情報(ユーザー名、パスワード、トークンなど)を保持し、他のサービスへの認証を管理します。

サービスプロバイダー(Service Provider、SP)

シングルサインオンを実装したいアプリケーションやサービスです。ユーザーがアクセスしようとするサービスプロバイダーは、認証プロバイダーに対してユーザーの認証状態を確認し、ユーザーを認証します。サービスプロバイダーは認証プロバイダーと信頼関係を築き、ユーザーの認証情報を受け取ることができます。

トークンベースの認証

シングルサインオンでは、認証プロバイダーとサービスプロバイダー間でトークンが交換されます。ユーザーが認証プロバイダーにログインすると、認証プロバイダーはトークンを生成し、サービスプロバイダーに渡します。サービスプロバイダーはこのトークンを使用してユーザーを認証し、アクセス権を付与します。このトークンにはユーザーの識別情報や認証情報が含まれており、サービスプロバイダーはトークンを検証してユーザーを識別します。

シングルサインオンの利点は次のとおりです。

利便性

ユーザーは1回の認証で複数のサービスにアクセスできるため、パスワードの入力回数が減り、利便性が向上します。

セキュリティ

ユーザーは複数のパスワードを管理する必要がなくなり、強力なパスワードを使用しやすくなります。また、認証プロバイダーがセキュリティを強化し、アクセス制御や認証の監視を行うことでセキュリティの向上が図られます。

管理の簡素化

シングルサインオンは、アカウント管理やユーザーの追加・削除などの作業を効率化し、管理コストを削減します。

歴史

Kerberosプロジェクト(1983年)

Kerberosは、マサチューセッツ工科大学(MIT)で開発された認証プロトコルです。Kerberosプロジェクトは、セキュリティを強化し、ユーザーが複数のシステムに対して1回の認証でアクセスできる仕組みを提供しようとしました。Kerberosは、シングルサインオンの基礎となる暗号化技術や認証プロトコルを確立しました。

Security Assertion Markup Language(SAML)(2001年)

SAMLは、セキュリティ情報の交換を目的としたXMLベースの標準プロトコルです。SAMLは、認証情報や属性情報を含むセキュリティトークンを生成し、異なるドメインや組織間でのシングルサインオンを実現します。SAMLは、ウェブベースのアプリケーションにおいて広く使用されており、SSOの実現に重要な役割を果たしました。

OpenID(2005年)

OpenIDは、ユーザーが1つのIDとパスワードを使用して複数のウェブサイトにログインできるオープンな認証プロトコルです。OpenIDは、ウェブサイトによるユーザーの認証を外部の認証プロバイダーに委任することで、シングルサインオンの機能を提供します。OpenIDは、ユーザーの利便性とセキュリティの向上に貢献しました。

OAuth(2006年)

OAuthは、アクセス権限の委譲を目的とした認可フレームワークです。OAuthは、ユーザーがアプリケーションに対してアクセス権を付与するための仕組みを提供します。OAuthを使用することで、ユーザーは複数のアプリケーションに対して1回の認証でアクセスできるようになります。OAuthは、シングルサインオンの一形態として広く利用されています。

これらの技術の進化と普及により、シングルサインオンの実現が可能になりました。

類義語・類似サービス

フェデレーション

フェデレーションは、異なるドメインや組織間での認証情報の共有を可能にする仕組みです。異なるシステム間でのシングルサインオンを実現するために使用されることがあります。

パスワードマネージャー

パスワードマネージャーは、ユーザーが複数のアカウントやサービスの認証情報を一元管理するためのツールです。ユーザーが1つのマスターパスワードでパスワードマネージャーにログインし、自動的に認証情報を入力することで、シングルサインオンの体験を提供します。

フェデレーテッドアイデンティティ

フェデレーテッドアイデンティティは、異なる組織間でのユーザー認証情報の共有を可能にする仕組みです。ユーザーは1つのアイデンティティを保持し、複数の組織やサービスでシングルサインオンを実現することができます。

対義語

マルチサインオン

マルチサインオンは、複数の異なる認証情報を使用して複数のシステムにログインする仕組みです。ユーザーは各システムごとに個別の認証情報を入力する必要があります。

パスワード認証

パスワード認証は、ユーザーがユーザー名とパスワードを入力して個別のシステムにログインする仕組みです。ユーザーは各システムごとに認証情報を提供する必要があります。

マルチファクタ認証

マルチファクタ認証は、複数の認証要素(例:パスワード、指紋、ワンタイムパスワード)を組み合わせてユーザーの認証を行う仕組みです。複数の認証要素が必要であり、シングルサインオンとは異なるセキュリティレベルを提供します。

シンギュラリティ

概要

シンギュラリティ(Singularity)は、主に人工知能やテクノロジーの進化に関連して使用される用語です。

定義

シンギュラリティは、人工知能やテクノロジーの進化が人間の知性や能力を超え、予測不可能な変化やパラダイムシフトをもたらす将来の時点を指します。これは、超人的な知能を持つ機械が創造されることや、人間の知性が機械によって増強されることなど、異なる考え方や予測が存在します。

起源

シンギュラリティという用語は、数学者のヴァーナー・ヴィンジとレイ・カーツワイルが提唱しました。彼らは、人工知能や技術の進歩が指数関数的な速度で進んでいるため、将来的に人間の知能を超えるポイントが到来すると予測しました。

主な概念

シンギュラリティにはいくつかの主な概念が関連しています。

  • 強いAI(Strong AI):人間と同等の知性を持つ機械が創造されることを指します。強いAIの出現は、シンギュラリティの一部として考えられることがあります。
  • 生命延長技術:高度な医療技術や遺伝子療法などによって人間の寿命を延ばすことを目指す取り組みもシンギュラリティの一環とされることがあります。
  • バーチャルリアリティ(VR)や拡張現実(AR):現実世界と仮想世界が融合し、新たな情報環境が形成されることもシンギュラリティの一つとされます。

歴史

シンギュラリティ(Singularity)の概念は、数学者のヴァーナー・ヴィンジ(Vernor Vinge)とレイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)によって提唱されました。以下に、シンギュラリティの歴史的な背景と進化を解説します。

ヴァーナー・ヴィンジの提案

シンギュラリティの概念は、1993年に開催されたヴィンジの講演「テクノロジカル・シンギュラリティという危機」で初めて提唱されました。彼は、人工知能や情報技術の進化が指数関数的な速度で進んでいるため、将来的に人間の知性を超えるポイントが到来すると予測しました。彼は、この時点で予測が不可能な変化が起こり、人間の理解や制御を超える状態が生まれると述べました。

レイ・カーツワイルの発展

レイ・カーツワイルは、ヴィンジの概念を発展させ、シンギュラリティに関する詳細な予測とタイムラインを提案しました。彼は2005年に著書『シンギュラリティが起こる日』を出版し、2030年ごろにシンギュラリティが実現すると予測しました。カーツワイルは、人工知能の進化、遺伝子工学、ナノテクノロジーなどの技術の融合がシンギュラリティの原動力となると考えました。

テクノロジーの進化と議論

シンギュラリティの概念は、その後、テクノロジーの進化に伴ってさまざまな議論や予測が行われました。一部の研究者や専門家は、シンギュラリティが人類にとって非常に有益なものとなる可能性を強調しました。一方で、一部の人々は懸念を表明し、シンギュラリティが社会や倫理に与える影響を議論しました。

シンギュラリティの進化と予測の変化

シンギュラリティに関する予測は、その提唱以来、さまざまな変化を経験しています。予測のタイムラインやシナリオは異なる意見があり、一部の予測ではシンギュラリティが2030年代に到来するとされていますが、具体的な時期や形態は未だ不確定です。

類義語・類似サービス

AGI(Artificial General Intelligence)

AGIは、人間と同等あるいはそれ以上の知能を持つ人工知能を指します。AGIは、幅広いタスクに対して人間と同様のレベルの知識や能力を持ち、自律的に学習や進化を遂げることができます。

進化的ロボティクス(Evolutionary Robotics)

進化的ロボティクスは、進化計算や人工生命の手法を用いてロボットの制御システムを進化させる方法です。進化的アルゴリズムによって、ロボットの制御システムのパラメータや構造が進化し、環境に最適化された振る舞いが実現されます。

クラウドAI(Cloud AI)

クラウドAIは、クラウドコンピューティングのリソースを利用してAI処理を実行するサービスです。クラウドAIは、高性能な計算リソースや大規模なデータセットを活用して、機械学習やディープラーニングモデルの訓練や推論を行います。

ニューラルネットワーク(Neural Network)

ニューラルネットワークは、人間の脳の神経細胞の仕組みに着想を得た機械学習の手法です。ニューラルネットワークは、多層のニューロン(ユニット)から構成され、データのパターン認識や予測を行うために使用されます。

シャドーIT

概要

「シャドーIT」は、組織内で従業員が情報技術(IT)に関連するツールやサービスを組織の承認や管理の範囲外で利用することを指します。一般的には、組織のIT部門が正式に認めたシステムやソフトウェア以外のものを指し、個人が個別に導入したり利用したりすることがあります。

シャドーITの例には、クラウドストレージサービス、コミュニケーションツール、プロジェクト管理ツール、SaaS(Software as a Service)アプリケーションなどがあります。従業員はこれらのツールを自分の作業に利用し、業務の効率化やコラボレーションの向上を図ることがありますが、組織としてはセキュリティ上の懸念やリスク管理の問題が生じる可能性があります。

シャドーITのリスクとしては、次のような点が挙げられます。

セキュリティリスク

組織外のツールやサービスの使用は、組織のセキュリティポリシーやコンプライアンス要件に準拠していない可能性があります。データの漏洩や機密情報の不適切な取り扱いなど、セキュリティ上の脆弱性が発生するリスクがあります。

データの管理と可視性の欠如

シャドーITによって、組織のIT部門は従業員がどのようなツールやサービスを使用しているか把握できなくなる場合があります。これにより、データの管理、保護、バックアップなどの重要なタスクが困難になる可能性があります。

サポートの問題

シャドーITで利用されているツールやサービスは、組織の公式なサポート体制の外にあるため、従業員が問題や障害に直面した場合に適切なサポートを受けることができない可能性があります。

シャドーITの管理には、次のような対策が取られます。

ポリシーとガバナンス

組織は明確なITポリシーを策定し、従業員に許可されたツールとサービスの使用を促すことで、シャドーITのリスクを軽減します。

教育とトレーニング

従業員に対して、組織の承認済みのツールとサービスの利点や利用方法を教育し、適切なITリソースの使用を奨励します。

アクセス管理と監視

組織はネットワークやシステムへのアクセス制御や監視を強化し、シャドーITの使用を検知し、適切な対応を行います。

オルタナティブの提供

組織は従業員が必要とする機能や要件に応じて、セキュリティを確保した公式のITソリューションを提供することで、シャドーITの使用を抑制することができます。

歴史

シャドーITの起源は、従業員が組織の公式なITシステムやソフトウェアに制約を感じ、自分たちの業務を効率化するために個人的にツールやサービスを導入するという行為に遡ります。このような行為は、1980年代から1990年代初頭にかけて増加し始めました。

1980年代には、PCの普及が進み、個人でソフトウェアを購入して使用することが一般的になりました。当時は、組織が提供するITシステムに制約があり、従業員は個人的なニーズに合わせてソフトウェアを導入することで生産性を向上させる試みが行われました。

1990年代には、インターネットの普及が進み、従業員はWebベースのツールやクラウドサービスを利用するようになりました。電子メールやウェブブラウジングなどのツールは、組織の公式なITシステムには含まれていなかったため、従業員は個人的にこれらのツールを導入して業務に活用しました。

2000年代以降、スマートフォンやタブレットの普及により、個人のデバイスから組織のネットワークやデータにアクセスすることが一般的となりました。従業員は自分のデバイスを使って業務を行い、クラウドストレージやコミュニケーションツールなどのサービスを自発的に利用するようになりました。

死活監視

概要

システムやネットワークの正常な動作を監視し、障害や異常が発生した場合に早期に検知するための手法や仕組みを指します。主な目的は、システムやネットワークの可用性を高め、障害発生時の復旧や対応を迅速に行うことです。

死活監視は、定期的に対象となるシステムやネットワークの状態を監視し、以下のような要素を確認・評価します。

リソースの状態

サーバーやネットワーク機器などのリソースの使用状況を監視します。CPU使用率、メモリ使用量、ディスク容量、ネットワークトラフィックなどが含まれます。これにより、リソースの過負荷や不足が検知され、障害の原因特定や予防対策が可能となります。

応答性の確認

監視対象のシステムやネットワークが正常に応答しているかどうかを確認します。定期的にパケットを送信して応答を確認したり、ポートの状態をチェックしたりします。応答がない場合は障害とみなされ、適切な対応が行われます。

サービスの可用性

監視対象のサービスが正常に提供されているかどうかを確認します。具体的なサービスによって異なりますが、ウェブサーバー、データベース、メールサーバーなどの稼働状態や応答時間を監視します。

エラーログの解析

システムやネットワークから発生するエラーログや警告メッセージを監視し、異常なパターンや予兆を検知します。エラーログの解析により、問題の発生原因を特定し、適切な対策や修復措置を行います。

死活監視のためには、監視対象のシステムやネットワークに対して監視エージェントを配置し、定期的な監視や通知を行うモニタリングシステムが使用されます。また、監視結果の可視化やアラート機能なども提供され、管理者が迅速に問題に対処できるようにサポートされます。

歴史

初期のコンピューターシステムでは、システムの状態を監視する手段が限られており、障害が発生した場合には人間が手動で検知・対応する必要がありました。

1960年代から1970年代にかけて、コンピューターシステムの規模や複雑性が増していく中で、システムの運用管理の自動化の需要が高まりました。この時期には、システムの稼働状態を監視し、障害が発生した場合には自動的に通知する仕組みが登場しました。

1980年代に入ると、分散システムやネットワークの普及により、複数のサーバーやネットワーク機器を一元的に監視する必要性が生じました。この時期には、死活監視の範囲がシステム全体やネットワーク全体に広がり、より包括的な監視手法が開発されました。

1990年代以降、インターネットの普及により、オンラインサービスの可用性が重要視されるようになりました。この時期には、ウェブサイトやオンラインシステムの死活監視が注目され、監視ツールやサービスが数多く開発されました。

近年では、クラウドコンピューティングやマイクロサービスアーキテクチャの台頭により、システムの複雑性と可用性の要求が高まっています。死活監視の技術も進化し、AIや機械学習を活用した異常検知や自動応答の機能が組み込まれるなど、より高度な監視手法が提供されています。

類義語・類似サービス

ヘルスチェック(Health Check)

ヘルスチェックは、サービスやシステムの状態や可用性を監視するための手法です。死活監視はヘルスチェックの一形態であり、システムの「生死」を確認することに重点を置いています。一方、ヘルスチェックはシステムの動作状態やパフォーマンスを評価するために、さまざまな要素をチェックすることがあります。

フェイルオーバー(Failover)

フェイルオーバーは、障害が発生した場合に自動的に別のシステムやサーバーに切り替える仕組みです。死活監視は、障害の検知とフェイルオーバーのトリガーとして使用されることがあります。死活監視によって障害が検知されると、フェイルオーバーが実行されてサービスの中断時間を最小限に抑えることができます。

ロードバランシング(Load Balancing)

ロードバランシングは、複数のサーバやリソースに負荷を均等に分散する仕組みです。死活監視はロードバランサーに組み込まれ、各サーバーの状態を監視し、正常なサーバーにトラフィックを分散する役割を果たします。障害が発生した場合は、ロードバランサーがそのサーバを排除してトラフィックの受け入れを停止することがあります。

インシデント管理(Incident Management)

インシデント管理は、システムの障害や問題に対する迅速な対応と復旧を行うためのプロセスや手法です。死活監視はインシデント管理の一部として位置付けられ、障害の早期検知や通知、適切な対応手順の実行を支援します。

対義語

アクティブ監視(Active Monitoring)

アクティブ監視は、システムやネットワークに対して定期的にテストやリクエストを送信し、応答やパフォーマンスを測定する監視手法です。対して、死活監視はシステムの生死を確認するため、リクエストや応答を検証するよりもシステムの稼働状態そのものに注目します。

リアルタイム監視(Real-time Monitoring)

リアルタイム監視は、システムやネットワークの状態をリアルタイムで監視し、即座に問題を検知する手法です。一方、死活監視はシステムが「生きている」か「死んでいる」かを判断するため、リアルタイムの状態監視よりも低い頻度で監視が行われることがあります。

CSIRT(シーサート)

概要

CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は、コンピューターセキュリティインシデント対応チームを指す用語です。CSIRTは、組織内または組織間でセキュリティインシデントへの対応を担当し、セキュリティに関連する脅威や攻撃に対して迅速かつ効果的に対処する役割を果たします。

CSIRTは組織内部に設置される場合と、複数の組織や団体が共同で設立する場合があります。主な目的は、セキュリティインシデントの検出、分析、対応、復旧、そして予防策の改善です。CSIRTはセキュリティポリシーやガイドラインの策定、セキュリティ教育・訓練の提供、セキュリティイベントの監視など、幅広い活動を行います。

CSIRTの役割としては以下のような活動があります。

インシデント検出と分析

セキュリティインシデントを検出し、その原因や影響範囲を分析します。異常なネットワークトラフィックや不正アクセスの検知、ログの解析などが行われます。

インシデント対応

セキュリティインシデントに対する迅速かつ適切な対応を行います。インシデントの鎮静化や被害の拡大を防ぐために、侵入元の追跡、マルウェアの除去、システムの修復などが行われます。

インシデント報告と連絡

インシデントの状況や対応状況を関係者や上級管理職に報告します。また、他の組織やセキュリティコミュニティとの情報共有や連絡調整も重要な役割です。

予防策とセキュリティ改善

インシデントから得られた知見をもとに、セキュリティポリシーや手順、技術的な対策の改善を行います。セキュリティ意識の向上やセキュリティトレーニングの提供も重要な活動です。

CSIRTは、組織内のセキュリティ専門家やネットワークエンジニア、システム管理者などが参加するチームです。一般的なCSIRTの組織形態には、内部CSIRT(Internal CSIRT)と外部CSIRT(External CSIRT)の2つがあります。内部CSIRTは組織内に設置され、その組織のセキュリティインシデントに対応します。一方、外部CSIRTは複数の組織が共同で設立し、セキュリティインシデントへの対応や情報共有を行います。

歴史

1980年代から1990年代初頭:インターネットの普及とセキュリティの重要性の認識

1980年代から1990年代初頭にかけて、インターネットの普及が進み、コンピューターネットワークのセキュリティに関する問題が浮き彫りになりました。この時期は、コンピューターウイルスやハッカーによる攻撃が増加し、セキュリティインシデントへの対応が求められるようになりました。

1990年代中盤:最初のCSIRTの設立

1990年代中盤には、最初のCSIRTが設立されました。その中には、CERT(Computer Emergency Response Team)があります。CERTは、カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所(SEI)が運営するCSIRTであり、コンピューターセキュリティに関する情報提供や対応支援を行っていました。CERTは、セキュリティインシデントへの迅速な対応と情報共有の役割を果たし、現在でも活動を続けています。

2000年代:グローバルなCSIRTの発展と連携

2000年代に入ると、CSIRTの発展と連携が進みました。国際的なCSIRTのネットワークが形成され、情報共有やインシデント対応の協力体制が整備されました。この時期には、FIRST(Forum of Incident Response and Security Teams)という国際的なCSIRTの組織が設立され、CSIRT間の協力と情報共有を促進しました。

2010年代以降:セキュリティインシデントの増加とCSIRTの重要性の向上

2010年代以降、セキュリティインシデントの複雑化と増加に伴い、CSIRTの重要性がますます高まっています。組織や企業の中には、自社内で独自のCSIRTを設立するケースも増えており、セキュリティインシデントへの対応と予防策の改善に注力しています。

類似語・類似サービス

CERT(Computer Emergency Response Team)

CERTは、CSIRTの一形態であり、カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所(SEI)が運営するCSIRTです。CERTは、コンピューターセキュリティに関する情報提供や対応支援を行い、セキュリティインシデントに対応するためのガイダンスやベストプラクティスを提供します。

SOC(Security Operations Center)

SOCは、組織内でセキュリティ監視、脅威検知、インシデント対応などのセキュリティ業務を担当する部署やチームです。CSIRTとSOCは密接に関連しており、SOCはセキュリティインシデントの検知や監視を担当し、必要に応じてCSIRTに対応を依頼します。

レスポンスプラン

CSIRTは、セキュリティインシデントに迅速かつ効果的に対応するために、事前に策定されたレスポンスプランを作成します。レスポンスプランには、インシデントの検知・報告手順、担当者の役割と責任、対応手法、情報共有の手段などが含まれます。

ペネトレーションテスト

ペネトレーションテストは、システムやネットワークの脆弱性を特定し、セキュリティ上の脅威を模擬するためのテストです。CSIRTは、ペネトレーションテストの結果や脆弱性の報告を受けて、適切な対策や修復作業を行います。

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