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データベース

概要

データベースは、データを組織化して格納・管理するためのシステムです。情報システムにおいて、データベースは重要な役割を果たしています。以下にデータベースの詳細を解説します。

データの組織化

データベースは、関連するデータを論理的に組織化する仕組みを提供します。データはテーブルと呼ばれる行と列の形式で表現され、関連性のあるデータは異なるテーブルに格納されます。これにより、データの整合性や一貫性を維持し、効率的なデータの操作や検索が可能となります。

データの永続性

データベースは、データを永続的に保存します。データはディスクやメモリなどの物理的な媒体に格納され、システムの再起動や障害が発生してもデータは失われません。これにより、データの永続性と安全性が確保されます。

データの共有性

データベースは複数のユーザーが同時にアクセスできるように設計されています。複数のユーザーが同時にデータの読み書きを行うことができ、データの整合性や排他制御が管理されます。これにより、複数のユーザーが同じデータにアクセスして作業を行えるため、効率的な情報共有が可能となります。

データのセキュリティ

データベースは、データのセキュリティを確保するための機能を提供します。アクセス制御や認証機構を導入し、データの機密性や整合性を保護します。また、データのバックアップや復元機能も備えており、データの喪失や災害に備えることができます。

データのクエリと操作

データベースは、SQL(Structured Query Language)と呼ばれる言語を使用してデータのクエリや操作を行います。SQLを使うことで、データの検索、挿入、更新、削除などの操作が行えます。さまざまな条件を指定してデータを抽出したり、複数のテーブルを結合して情報を取得したりすることができます。

データベースは、企業や組織における重要なデータの管理と活用に欠かせない技術です。効率的なデータの格納・操作やデータの永続性・共有性・セキュリティの確保などが特徴であり、さまざまなアプリケーションやシステムで利用されています。

歴史

1960年代

データベースの起源は、主に業務処理をサポートするためのデータ処理システムに求められます。この時期、ハードウェアの進化とともにディスクストレージが登場し、大量のデータを格納・アクセスするための新しいアプローチが求められました。

1970年代

データベース管理システム(DBMS)の開発が進み、データの論理的な組織化やデータの整合性の確保、データの永続性の実現など、データベースの基本的な機能が整備されました。また、関係データベースモデルが提案され、関係データベース管理システム(RDBMS)の登場がデータベース技術の進化を促しました。

1980年代

ネットワーク技術やクライアント・サーバーモデルの普及により、分散データベースシステムが開発されました。分散データベースシステムでは、複数のデータベースがネットワークを介して相互に連携し、データの共有性と可用性が向上しました。

1990年代

インターネットの普及により、オンラインサービスやeコマースの需要が急増しました。この時期、ウェブベースのデータベースアプリケーションが登場し、ユーザーがWebブラウザを通じてデータベースにアクセスできるようになりました。

2000年代以降

データの増加と多様性が進み、ビッグデータの概念が注目されました。ビッグデータ処理のための分散データベースシステムやNoSQL(非関係型)データベースが開発され、大規模で複雑なデータの処理と分析が可能となりました。

類義語・類似サービス

データウェアハウス

データウェアハウスは、企業内のさまざまなデータソースからデータを抽出し、統合・加工して分析目的のデータを提供するシステムです。データウェアハウスは、大量のデータを高速に処理し、意思決定やビジネスインテリジェンスに活用するためのデータを集約・整理します。

データレイク

データレイクは、さまざまな種類のデータを収集し、そのまま保存する大容量のストレージシステムです。データレイクでは、データの構造やスキーマをあらかじめ定義せずに保管するため、柔軟なデータの収集と分析が可能です。

データベースマネジメントシステム (DBMS)

DBMSは、データベースを管理するためのソフトウェアです。DBMSはデータの作成、編集、削除、検索などの操作を提供し、データの整合性やセキュリティを確保します。一般的なDBMSには、リレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) があります。

データストレージ

データストレージは、データを永続的に保存するためのメディアや装置のことです。データベースでは、データを効率的かつ安全に格納・管理するために、ディスクドライブやSSD、テープストレージなどのデータストレージが使用されます。

データセンター

概要

データセンター(Data Center)は、ITシステムやネットワーク機器、データストレージなどのコンピューター関連機器を集約して保管し、管理・運用する施設です。データセンターは、ビジネスや組織がデータやアプリケーションを安全かつ効率的に運用するための重要なインフラストラクチャとなっています。

以下にデータセンターの特徴と主な機能を解説します。

ハードウェア保管

データセンターでは、サーバー、ストレージデバイス、ネットワーク機器などのハードウェアが保管されます。これらの機器は適切な環境条件(温度、湿度、電力供給など)が提供され、適切なセキュリティ対策が講じられたラックやキャビネットに収納されます。

データ管理

データセンターは大量のデータを管理します。データはバックアップや冗長化などの手法を用いて保護され、必要な際にアクセス可能な状態に保たれます。データセンターはデータの安全性や可用性を確保するための物理的なセキュリティ対策やデータバックアップシステムを備えています。

ネットワーク接続

データセンターは高速で信頼性の高いネットワーク接続を提供します。インターネットへの接続やプライベートネットワークへの接続など、さまざまなネットワーク接続が確立され、データセンター内のシステムやサービスが外部と連携できるようになっています。

冷却・電力管理

データセンターでは大量の機器が稼働しており、それに伴う発熱や電力消費が問題となります。データセンターでは効率的な冷却システムや電力管理手法が採用され、機器の安定した動作とエネルギー効率の向上を図っています。

セキュリティ

データセンターは重要なデータやシステムを保管しているため、セキュリティが重視されます。物理的なセキュリティ対策(アクセス制御、監視カメラ、防火システムなど)やネットワークセキュリティ対策(ファイアウォール、侵入検知システムなど)が実施され、データセンター内のシステムやデータへの不正なアクセスや攻撃を防止します。

データセンターは、クラウドサービスプロバイダーや大規模な組織が自社で運用する場合があります。また、データセンターサービスプロバイダーが複数のクライアントに対してデータセンター施設やサービスを提供する場合もあります。

データセンターは、ビジネスの持続性やデータのセキュリティを確保するために重要な存在です。クラウドコンピューティングやビッグデータなどの技術の発展に伴い、データセンターの役割と重要性はますます高まっています。

歴史

1990年代

データセンターの普及が進み、パーソナルコンピューター(PC)の台頭とクライアントサーバーモデルの発展により、中小規模の組織でもデータセンターを利用するようになりました。この時期には、より小型のサーバーやネットワーク機器が登場し、データセンターの構築や運用が容易になりました。

2000年代から現在

インターネットの普及とクラウドコンピューティングの台頭により、データセンターの需要が急速に増加しました。大規模なインターネット企業やクラウドサービスプロバイダーが、データセンターを複数の地域に分散配置し、大量のデータを処理・保管するインフラストラクチャを構築しました。

また、エネルギー効率や環境への影響にも配慮が必要となり、省エネルギー設計や再生可能エネルギーの利用など、持続可能なデータセンターの概念も浸透しています。

類義語・類似サービス

クラウドサービス

クラウドサービスは、データセンターのリソースやサービスをインターネット経由で提供するサービスです。クラウドサービスプロバイダーは、データセンターにおけるインフラストラクチャやアプリケーションを提供し、ユーザーは必要なリソースを必要なだけ利用することができます。データセンターは、クラウドサービスを実現するための基盤となっています。

コロケーションサービス

コロケーションサービスは、複数の組織が所有するサーバーやネットワーク機器を1つのデータセンターに収容するサービスです。データセンタープロバイダーは、物理的な施設やセキュリティ対策を提供し、組織は自社の機器をデータセンターに設置して運用します。コロケーションサービスは、インフラストラクチャの管理やセキュリティの負担を軽減するために利用されます。

エッジコンピューティング

エッジコンピューティングは、データセンターの中央に位置するクラウド環境ではなく、データ生成源の近くにコンピューティングリソースを配置するアーキテクチャです。エッジデバイスやエッジノードに近い場所にデータセンターの機能を持つ小規模な施設が設置され、リアルタイム性や低レイテンシーの要求を満たすために利用されます。

バックアップサービス

バックアップサービスは、データセンター内のデータのバックアップやレプリケーションを提供するサービスです。データセンタープロバイダーは、データの冗長性を確保し、災害やデータの喪失に備えるためにバックアップサービスを提供します。

ディザスタリカバリ

概要

ディザスタリカバリ(Disaster Recovery)は、ITシステムやネットワークが災害や障害によってダウンした場合に、迅速かつ効果的にシステムを復旧させるための計画と手順を指します。ディザスタリカバリは、ビジネス継続性の確保やサービスの可用性を維持するために重要な役割を果たします。

以下に、ディザスタリカバリに関する重要なポイントを説明します。

目的

ディザスタリカバリの主な目的は、災害や障害によってシステムが停止した場合でも、業務を迅速に再開し、データやアプリケーションの損失を最小限に抑えることです。復旧目標時間(Recovery Time Objective、RTO)と復旧目標ポイント(Recovery Point Objective、RPO)などの指標が設定され、それに基づいて復旧計画が策定されます。

プロセス

ディザスタリカバリのプロセスは、以下のステップで構成されることが一般的です。

リスクアセスメント

システムやデータに関連するリスクを特定し、災害の影響度や復旧の優先順位を評価します。

ビジネスインパクト分析

システムの停止やデータの損失がビジネスに与える影響を評価し、重要なシステムやデータを特定します。

リカバリ戦略の策定

システムやデータのバックアップ、冗長化、仮想化などのリカバリ手法を選択し、災害発生時の復旧手順を定義します。

テストと継続的な改善

ディザスタリカバリ計画の定期的なテストと評価を行い、問題点や改善点を特定して修正します。

リカバリ戦略

ディザスタリカバリ戦略には、オンサイトバックアップやオフサイトバックアップ、冗長化、仮想化、クラウドサービスの活用など、さまざまな手法が含まれます。バックアップは重要なデータやシステムのコピーを作成し、災害発生時にこれらのバックアップからデータを復元します。冗長化はシステムやネットワークの冗長なコンポーネントを備えることで、システムの可用性を向上させます。仮想化は物理的なサーバーを仮想化ソフトウェア上で動作させ、災害発生時に仮想マシンを別のハードウェアに移行させることで復旧を実現します。クラウドサービスを利用することで、データやアプリケーションをオンプレミス環境からクラウドにバックアップし、必要に応じて復旧することができます。

テストと継続的な改善

ディザスタリカバリ計画は定期的にテストされるべきです。テストによって計画の有効性や問題点が明らかにされ、修正や改善が行われます。また、テストは復旧手順や担当者の訓練にも役立ちます。

歴史

1960年代から1970年代

コンピューターシステムの導入が進む中、ディザスタリカバリの概念が初めて意識され始めました。この時期は主に大規模なメインフレームコンピューターが使用されており、ディザスタリカバリは主にバックアップテープやオフサイト保管などの手法によってデータの保護が行われました。

1980年代から1990年代

ディザスタリカバリの重要性がますます認識され、復旧手順や計画の策定が行われるようになりました。この時期には、バックアップディスクやホットサイト(バックアップシステムが即座に利用可能なサイト)などのテクノロジーが導入されました。

2000年代

インターネットの普及や仮想化技術の進歩により、ディザスタリカバリの手法やアプローチが変化しました。仮想化によってシステムの復旧が容易になり、ディザスタリカバリの費用対効果が向上しました。また、クラウドコンピューティングの台頭により、ディザスタリカバリのオンデマンドなリソースやサービスが利用可能になりました。

現代

現在では、ディザスタリカバリは企業や組織において一般的な概念となっています。クラウドベースのディザスタリカバリサービスやテクノロジーが進化し、より柔軟で信頼性の高いリカバリソリューションが提供されています。さらに、AIや機械学習を活用した自動化や予測分析がディザスタリカバリにも導入されつつあります。

類義語・類似サービス

ビジネスコンティニュイティ(Business Continuity)

ビジネスコンティニュイティは、ディザスタリカバリと密接に関連しています。ディザスタリカバリは主にシステムやデータの復旧を対象とするのに対し、ビジネスコンティニュイティは事業の継続性を確保するための総合的なアプローチです。ディザスタリカバリはビジネスコンティニュイティの一部として位置付けられることがあります。

バックアップ(Backup)

バックアップは、データのコピーを作成し、元のデータが損失した場合にそれを復元する手法です。ディザスタリカバリとは異なり、バックアップは主にデータの保護と復元に焦点を当てています。バックアップはディザスタリカバリの一部として使用されることがあります。

ハイアベイラビリティ(High Availability)

ハイアベイラビリティは、システムやサービスの高い可用性を確保するための手法です。ハイアベイラビリティの目的は、システムの停止やサービスの中断を最小限に抑え、ユーザーに対して連続的なアクセスを提供することです。ディザスタリカバリは復旧を重視するのに対し、ハイアベイラビリティは中断を最小化することに重点を置いています。

フェイルオーバー(Failover)

フェイルオーバーは、システムやサービスが障害や故障した場合に、別のシステムやサービスに切り替えることで連続性を確保する手法です。フェイルオーバーはハイアベイラビリティを実現するための手段の一つであり、ディザスタリカバリの一部としても使用されます。

ディスラプター

概要

ディスラプター(Disruptor)は、イノベーションやビジネスにおいて、既存の市場や産業に大きな変革をもたらす存在や技術を指す言葉です。ディスラプターは、従来のビジネスモデルや市場構造を根本的に変える力を持ち、新たなトレンドやパラダイムシフトを引き起こすことがあります。以下では、ディスラプターの特徴や例、その影響について解説します。

特徴

ディスラプターは以下の特徴を持っています。

  • 革新的な技術やアイデアを持ち、既存の方法やビジネスモデルとは異なるアプローチを取る。
  • 新しい市場を作り出すか、既存の市場において既存企業に対して大きな競争力を持つ。
  • 顧客のニーズをより効率的かつ革新的に満たすソリューションを提供する。

ディスラプターの例:ディスラプターの例としては、以下のようなものがあります。

インターネットの普及

インターネットの登場により、情報のアクセスやコミュニケーションの方法が劇的に変化しました。

スマートフォン

スマートフォンの普及により、モバイルアプリやオンデマンドサービスの市場が急速に拡大しました。

クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングの登場により、ITインフラやソフトウェアの提供方法が変わり、ビジネスの効率性が向上しました。

ディスラプターの影響

ディスラプターは市場や産業に大きな影響を与えます。既存の企業やビジネスモデルが淘汰される可能性があります。新たな市場が形成され、新たなビジネスチャンスが生まれることがあります。顧客の期待や行動パターンが変化し、ビジネスや産業全体のあり方が変わることがあります。

ディスラプターはイノベーションの源泉とも言える存在であり、ビジネスや社会の進化を促進する役割を果たしています。

歴史

「ディスラプター」は、クレイトン・M・クリステンセン(Clayton M. Christensen)教授によって提唱された概念です。以下にディスラプターの歴史を要点ごとに解説します。

クリステンセンの理論

クレイトン・M・クリステンセンは、1997年に著書『ディスラプティブ・テクノロジー』(原題:The Innovator's Dilemma)を発表し、ディスラプターの理論を提唱しました。彼は、イノベーションが市場を変革する際には、従来の大企業が新興企業によって追い抜かれる現象が起こることを指摘しました。

クリステンセンの研究

クリステンセンは、ディスラプターとは従来の技術やビジネスモデルとは異なる特性を持つ新興技術やビジネスモデルを指すと定義しました。彼はさまざまな産業や市場におけるディスラプターの事例を研究し、その特徴や影響を分析しました。

ディスラプターの事例

クリステンセンの研究に基づき、さまざまなディスラプターの事例が挙げられています。例えば、デジタルカメラがフィルムカメラを置き換えた、オンラインストリーミングがDVDレンタル業界を変革した、スマートフォンが携帯電話市場に革新をもたらしたなどです。これらの事例では、新興技術が従来の市場を変革し、既存企業が淘汰されるか、大きな変革を余儀なくされました。

ディスラプターの進化

ディスラプターの概念は、その後も発展し続けています。デジタル技術の急速な進歩により、ディスラプターの範囲は広がり、さまざまな産業や市場に影響を与えるようになりました。また、ディスラプターの概念は経済学やビジネス戦略の分野で広く受け入れられ、イノベーションにおける重要な概念となりました。

ディスラプターは、新興技術やビジネスモデルによって従来の市場や産業を変革する現象を指し、その影響は経済やビジネスにおいて大きな関心を集めています。

類義語・類似サービス

イノベーション

ディスラプターはイノベーションの一形態であり、市場や産業に新しい価値や技術をもたらすことを特徴としています。イノベーションにはさまざまなタイプがあり、ディスラプターもその一つです。

インクリメンタルイノベーション

インクリメンタルイノベーションは、既存の製品やサービスを改良し進化させるイノベーションです。ディスラプターとは異なり、市場や産業の変革をもたらすほどの大きな影響はありません。

ラディカルイノベーション

ラディカルイノベーションは、既存の製品やサービスを根本的に変革するイノベーションです。ディスラプターもラディカルイノベーションの一形態であり、従来の市場や産業に新しいビジネスモデルや技術をもたらします。

コンペティティブインテリジェンス

コンペティティブインテリジェンスは、競合他社や市場の動向を分析し、戦略を立てるための情報収集と分析のプロセスです。ディスラプターの出現は、企業にとって重要な情報となりますので、コンペティティブインテリジェンスの一環として扱われることがあります。

トランスフォーメーション

ディスラプターの登場によって、既存の企業や産業は大きな変革を余儀なくされることがあります。このような変革をトランスフォーメーションと呼び、企業が自身のビジネスモデルや戦略を再考し、新たな競争力を獲得する必要があります。

対義語

イノベーションフォロワー

イノベーションフォロワーは、他社や市場で成功したイノベーションを追いかける企業や組織を指します。ディスラプターとは対照的に、既存の成功モデルを追い求めることに焦点を当てています。

エスタブリッシュメント

エスタブリッシュメントは、既存の権威や組織の体制やルールに基づいて運営される従来の産業や市場を指します。ディスラプターは、エスタブリッシュメントに対して新しいアプローチや視点を持ち、変革をもたらします。

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