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column_1462024.05.13

【必見】SASEとゼロトラストの違いをわかりやすく解説。仕組みやメリット・デメリットも紹介

著者:情シスマン
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企業が直面しているセキュリティのリスクは日々高まり、より巧妙かつ複雑になっています。このような環境下では、セキュリティ対策も進化させなければいけません。

近年セキュリティ対策の中でも注目を集めているのが、「SASE」と「ゼロトラスト」です。両者の違いを理解しておくことは、適切なセキュリティ戦略を立てる上で非常に重要になります。

一方で、似ているため誤解しがちな言葉でもあります。そこで今回は、「SASEとゼロトラストの違い」について解説します。他にも「SASEを導入するメリット・デメリット」や「SASEを導入する際の注意点」も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

〈この記事を読んでわかる内容〉

  • SASEの仕組み
  • SASEとゼロトラストの違い
  • SASEでゼロトラストを導入するメリット・デメリット

SASEとゼロトラストの違い

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SASEとゼロトラストには、明確な違いがあります。まずは以下の項目にわけて、どのような違いがあるのか具体的に診ていきましょう。

  • SASEとは
  • ゼロトラストとは
  • SASEとゼロトラストの違い

SASEとは

SASEは、クラウドサービスの利用を前提とした、ネットワークセキュリティ機能を包括的に提供するフレームワークのことです。「Secure Access Service Edge」の略称で「サシー」とも呼ばれています。

アメリカのIT調査企業であるガートナーが2019年に提唱した考え方であり、以下を含みます。

簡単に言えば、ネットワーク機能とセキュリティ機能をクラウドサービス上にまとめたものです。従来はバラバラに提供されていましたが、SASEはひとつでそれらを完結できるため、高い利便性を持ちます。

リモートアクセスが増えたり、セキュリティ対策が多様化するなかで、セキュリティと利便性のバランスを保つ解決策として注目されているのです。

ゼロトラストとは

ゼロトラストは、信頼を前提としないセキュリティモデルです。その名の通り、何も信頼しません。内部と外部を問わず、アクセスに対してはすべてのユーザーとデバイスを検証し、最小限のアクセス権限のみを付与します。

従来、企業は外部からの攻撃への対策を徹底していました。ですが近年は、内部の様々なポイントにセキュリティリスクが潜んでいるとわかっています。そのため、常にゼロトラストでセキュリティ対策を徹底する必要があるのです。

このような観点から、ゼロトラストは、セキュリティを最大限に高めるための手法として広く採用されています。

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ゼロトラストのセキュリティについて詳しく解説した記事はこちら
ゼロトラストセキュリティとは?仕組みやメリットについて解説
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SASEとゼロトラストの違い

SASEとゼロトラストは、どちらも現代のセキュリティ課題に対応するためのアプローチですが、両者は明確に異なります。

SASEがネットワークセキュリティ機能を包括的に提供するフレームワーク(実際に提供される技術やソリューション、サービスに近い)であるのに対し、ゼロトラストは「信頼を前提としない」というモデル(概念や考え方に近い)です。

もう少し簡単に言うと、SASEはゼロトラストの考え方に基づいています。ゼロトラストを実現するための具体的な技術やソリューション、サービスがSASEだと認識しておくと良いでしょう。

SASEとゼロトラストが注目されている背景

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SASEとゼロトラストが注目されているのには、以下の理由が関係しています。

  • SASEが注目されている背景
  • ゼロトラストが注目されている背景

SASEが注目されている背景

SASEが注目されているのには、テレワークやリモートワークの増加が考えられます。クラウドサービスやサブスクリプションサービスの利用増と、使用するデバイス数の増加が、大きな理由です。

従来のオフィス中心のワークスタイルから分散型の労働環境へと変化する中で、企業は従業員がどこでも働ける環境を用意する必要が出てきました。実現すれば便利な反面、外部からの不正アクセスも容易になってしまいます。ネットワークとセキュリティをクラウド上で統合的に管理できればこれらの課題を解決できるため、SASEが注目されているというわけです。

ゼロトラストが注目されている背景

ゼロトラストが注目されるようになったのも、SASEと同じくクラウドサービスやテレワークの増加が考えられます。社外で作業する状況が増えた結果、セキュリティを意識せざるを得なくなったのです。

従来のネットワークセキュリティは、社内と社外を厳密に分離して社内の端末のみがアクセスできる形=境界型セキュリティでした。社内で仕事をしている限りはそれほどリスクはありません。しかし、ひとたび社外に出てしまえば境界型セキュリティは意味を為さず、何も“信頼できない”状態となってしまいます。

そこで、「信頼しないこと」を基本原則としたゼロトラストが注目を集めました。

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クラウド時代のネットワークセキュリティについての記事はこちら
SDPとは?ゼロトラストで提唱されるクラウド時代のネットワークセキュリティ
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SASEでゼロトラストを導入するメリット3選

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SASEでゼロトラストを導入すると、大きなメリットがあります。特に以下の3点は重要です。

  • 強固なセキュリティ体制で運用できる
  • アクセスする場所や端末を選ばない
  • 運用負荷を軽減できる

強固なセキュリティ体制で運用できる

SASEでゼロトラストを導入する最大のメリットは、より強固なセキュリティ体制を構築できる点です。社内・社外問わず、同じセキュリティ対策を適用できます。例えば、以下のような対策です。

  • 不正サイトへのアクセス遮断(Webフィルタリング)
  • クラウドサービスのアクセス制御
  • 機密データの漏えい防止

リモートワークやテレワーク、ハイブリッドワークなども導入しやすくなるでしょう。事前に認証されたユーザーだけのアクセス設定も可能なため、許可されていないアクセスをブロックもできます。

アクセスする場所や端末を選ばない

SASEを導入することで、従業員はどこにいても、どのデバイスを使用していても、安全に社内システムにアクセスできます。リモートワークやハイブリッドワークが当たり前となった現代の働き方に最適です。

また、SASE環境では会社の各拠点や自宅、外出先から直接インターネットに接続することができます。一見リスクが高そうに思えますが、クラウド上にネットワーク機能とセキュリティ機能を有することでそれを可能にします。コア拠点のネットワークに負荷がかからないため、通信環境の向上も期待できます。

運用負荷を軽減できる

SASEを導入すれば、運用負荷の軽減にも寄与します。従来のセキュリティ体制と比較して、統合的な管理が可能になるためです。

複数のネットワーク機能・セキュリティ機能をクラウド上で一元的に管理することにより、運用の煩雑さが軽減されます。また、クラウドであるため機器購入も必要ありません。

セキュリティを強化しつつ、運用負荷の軽減も実現できる点は運用する側にとって、大きなメリットです。

SASEでゼロトラストを導入するデメリット3選

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メリットが大きいSASEですが、デメリットもあります。特に以下の3点は注意しましょう。

  • ネットワーク障害時の影響が大きい
  • 部門間の連携が必要になる
  • 運用開始までに時間とコストがかかる

ネットワーク障害時の影響が大きい

SASEはクラウドベースです。そのため、サービス提供事業者側でネットワーク障害が発生した場合、通信やセキュリティ機能に影響を及ぼす可能性があります。最悪の場合、サービスそのものが利用できなくなり、会社全体の業務が止まってしまうなんてことも考えられます。

SASE導入における考慮すべきリスクの1つですが、事業者によっては何らかの冗長化プランを提案してくれるかもしれませんので、問い合わせてみましょう。

部門間の連携が必要になる

SASE・ゼロトラストを効果的に導入するには、情シス部門だけでなく、部門間の連携が必要になる可能性があります。

特に注意したいのが、部門間でセキュリティ対策に差がある場合です。SASEの導入にあたって対策は統一されるため、事前のすり合わせが必要になるでしょう。

運用開始までに時間とコストがかかる

SASE・ゼロトラストの導入には、コストと時間がかかる点には注意が必要です。特にゼロトラストセキュリティの全体計画を検討してから導入しなければいけないため、実現までにはどうしても時間がかかります。ゼロトラストセキュリティを実現するために、複数の製品を導入する可能性もあるでしょう。

運用負荷とコストが削減できる一方で、導入前には入念な準備とコストが必要な点は、注意してください。

SASEを導入する際に意識したい注意点

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SASEを導入する際、意識しておきたい注意点があります。特に以下の2つは重要なので、覚えておきましょう。

  • 社内でロードマップを作成する
  • 単一事業者のソリューションを利用する

社内でロードマップを作成する

SASE導入の成功は、計画性にかかっています。社内で明確なロードマップを作成するようにしましょう。ロードマップによって導入の成否が変わります。具体的には、以下の項目です。

  • 目標の設定
  • 段階的な導入プロセス
  • 期待される成果

これらを盛り込んでロードマップを作成したら、導入します。初期段階は小規模テストを行い、従業員からのフィードバックをもとに改善を重ね、最終的に全社規模で展開をする形でも良いでしょう。

単一事業者のソリューションを利用する

SASEを導入する際は、単一事業者のソリューションを選んでください。管理の簡素化と効率化が期待できます。

SASEは、これまでバラバラに構築していたネットワークとセキュリティを統合できるフレームワークです。単一事業者から提供を受けることで、セキュリティの統一性を保ちながら運用コストも削減できます。SASE導入の際には、検討しておきたい重要なポイントです。

まとめ

SASE・ゼロトラストは、現代のセキュリティ環境に欠かせないフレームワーク・セキュリティモデルです。SASEでゼロトラストを導入することで、どこからでも安全に社内システムへアクセス可能な環境を構築できます。

導入には気を付けなければいけない点はあるものの、セキュリティ強化だけでなく、ビジネスの柔軟性も高められるでしょう。

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