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column_1562024.08.16

情シスの課題&問題解決の方法|本来求められるITの力

著者:情シスマン
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情シスとは、情報システム部門(または情報システム担当)の略で社内のIT技術・環境を支えている部門・人を指します。

今、その情シスは多くの課題を抱えています。

情シスが現在担っている業務内容と、本来求められている業務内容を考えてみましょう。情シスの課題と、課題改善のために取り組める対策をお伝えします。

情シスとは

情シスとは、社内の情報システム部門(または情報システム担当)の略で、社内のIT環境を整える役割があります。ITを活用した経営課題の解決や新しいシステムの開発、また社内のIT機器に関する問い合わせ対応なども行っています。

どの企業も、PCなどのIT機器を駆使しながら企業運営を行うのが当たり前の時代です。システムを正常に稼働させるのはもちろん、快適なIT環境の維持も情シスの役割のひとつであり、各企業で情シスの重要性は日に日に増してきています。

情シスの役割

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企業によって異なるものの、主に情シスはこれらの役割を担っています。

  • 社内システムの開発・管理
  • IT機器の運用・管理
  • ITツールの導入・運用・管理
  • 社内のヘルプデスク対応
  • セキュリティ対策

売上の向上や管理体制を目的とした、社内システムの開発・導入が主な仕事とされてきました。一方で、さまざまなSaaSが台頭するなかで、それらの検討・導入も主たる業務となりつつあります。

また、社内で使用するPCやネットワーク機器などあらゆるIT機器の管理や、それらに関するヘルプデスク対応も日常業務のひとつです。

加えて、最近はセキュリティ担当やDX推進担当も併せて任されることが多く、多くの業務を抱えているのが現状です。

情シスが抱える課題とは

情シスは社内のIT業務全般を担っていますので、課題も多く抱えています。

具体的には以下のような課題が挙げられます。

  1. 人材不足
  2. ひとり情シス・ゼロ情シス
  3. 時代の流れによるシステムの複雑化
  4. セキュリティ対策
  5. コストセンターにされる
  6. 「2025年の崖」への対応

人材不足

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情シスの業務では高度なITスキルが必要になるので、慢性的な人材不足に悩まされています。

また、情シスの業務内容は多岐にわたるため、業務負担が大きくなりすぎてしまっているという懸念もあります。情シス担当者は心身にストレスがかかり、退職してしまうというケースも珍しくありません。

ひとり情シス・ゼロ情シス

先述の人材不足に起因し、社内の情シスを1人で担当する「ひとり情シス」、ITが得意な社員が情シスを兼務してしまう「ゼロ情シス」が問題になっています。

中小企業だけでなく、大企業でもひとり情シスやゼロ情シスという状況があり、数名の社員に大きな負担がかかってしまっています。

当然、企業規模が大きくなるほど負担は大きくなり、ITインフラやITシステムを機能させるのが困難になっていきます。システムトラブルが起こった際の対応が充分にできないと、企業としてもリスクを抱えている状態となります。

時代の流れによるシステムの複雑化

IT関連技術は急速に進化しており、情シスは常にキャッチアップを求められるため、より負荷がかかってしまいます。

一方で、技術の進歩とともに社内システムが複雑化していくと、システムを熟知している担当者しか対応ができなくなる、いわゆる俗人化を招いてしまいます。情シス担当が退職した場合、最悪システムが維持できなくなるというリスクがあります。

セキュリティ対策

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企業にとってセキュリティ対策の重要性が日に日に増している一方で、セキュリティ専任の担当者を設けている企業はまだまだ少なく、情シスが兼任しているケースがほとんどです。

そうすると、専門知識がないままに場当たり的な対応が増えてしまう可能性があります。セキュリティ対策は慢性的に悪循環となり、企業にとっても大きなリスクとなるでしょう。

コストセンターにされる

情シスは直接的に利益を出す部門ではなく、むしろコストセンターと見なされることが多いです。機器やツールの導入はもちろん、昨今はセキュリティ対策にもコストがかかるため、必要な予算はますます膨張しています。

しかし、それらの“効果が目に見えにくいもの”にコストをかけることを忌避する経営者も少なくありません。そうなると当然、情シスができることも少なくなってしまいますので、これまた悪循環を生み出してしまいます。

企業運営の根幹を支える部門であるにもかかわらずコストセンター扱いされてしまうのは、情シスが抱えるジレンマである大きな課題でしょう。

「2025年の崖」への対応

「2025年の崖」とは経済産業省が提示したキーワードで、DX推進ができずに国際競争力が失われる問題に警鐘を鳴らしたものです。DX推進の遅れにより、2025年以降に大きな経済損失が招くと懸念されています。
参考:経済産業省:DXレポート

既存のレガシーシステムのブラックボックス化などが技術の進歩に大きく歯止めをかけており、「2025年の崖」は情シスが超えなければならない課題として重くのしかかっています。

情シスの課題解決のために

上記のような情シスの課題を解決していくためには、どのような対応が必要になるのでしょうか。

情シスだけでなく、企業として以下のように取り組んでいけるようにしましょう。

  1. 情シスの業務範囲を明確に
  2. 社員のITリテラシーを底上げする
  3. ITツールの積極的な導入
  4. 経営層の理解を得る

情シスの業務範囲を明確に

情シスの業務範囲は、社内システムの開発や管理、社内ヘルプデスクやセキュリティ対策など、多岐にわたります。

まずは情シスでどんな業務を行っているのか、現状を把握しましょう。そこから、必ず情シスで対応すべき内容と他部署でも対応できる内容を明確に分けて切り分けていきます。例えば、セキュリティ担当は別部門に切り分けてもよいかもしれません。

情シスが本来必要な業務に注力できるようになることは、企業にとっても大きなメリットとなります。

社員のITリテラシーを底上げする

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社員のITリテラシーの底上げは、リスクマネジメントや売上向上の観点からも非常に重要と言えます。それぞれの社員がPCやITツールなどに関する疑問を自身で解決できるようになれば、情シスのヘルプデスク業務は軽減され、情報漏えいなどの事故も防ぐことができ、業務効率も向上します。

情シスは対処療法的なヘルプデスク業務に終始するより、ITリテラシー教育という原因療法に注力すべき時代なのかもしれません。

ITツールの積極的な導入

然るべきITツールを導入することで、先述のさまざまな課題を解決できるでしょう。

人材不足向けにはマネージドサービスが付帯した機器やツールを導入しても良いですし、ヘルプデスク代行のようなサービスもあります。

セキュリティ対策についても、自社の課題に合ったツールを適切に導入すれば、結果的にコストも下げることができるかもしれません。

経営層の理解を得る

企業の経営層は、情シスの業務に理解を示しているでしょうか。情シスの業務負担増加、人手不足の原因のひとつは、経営層の理解不足にあります。

いち情シス担当が経営層の理解を得に行くというのはなかなか難しいことかもしれませんが、普段やりとりしているベンダーの協力を仰ぐなど、さまざまな角度からチャレンジしてみてもよいでしょう。

情シスはコストやリソースを割くべき部門であるという正しい認識を経営層が持てば、情シスを取り巻く悪循環は解消に進むことができます。

情シス業務の効率化

情シスの業務を効率化させるために、以下のような対策に取り組んでいきましょう。

  1. マニュアルや社内FAQの整備
  2. チャットボットの導入
  3. アウトソーシングの活用

マニュアルや社内FAQの整備

社内ヘルプデスクとしての問い合わせ対応に多くのリソースを割いている情シスは、マニュアルや社内FAQの整備が必要です。

マニュアルの充実や社内FAQの整備で全ての質問がなくなるわけではありませんが、情シスの負担軽減やITリテラシーの向上も期待できます。

チャットボットの導入

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社内ヘルプデスク業務を削減するのであれば、チャットボットの導入も視野に入れていきましょう。

チャットボットとはユーザーからの質問に対し自動的に回答するシステムで、社内ヘルプデスクの代替となり得ます。ある程度の質問にチャットボットが回答してくれるようになれば、情シスの負担は軽減されるでしょう。

また社員としても「気兼ねなく同じ質問ができる」「気軽に質問できる」というメリットがあります。

もちろん導入にはコストと手間がかかりますが、社内FAQやほかのデータベースと連携するといったことも可能なので、高い効果が期待できます。

アウトソーシングの活用

昨今はあらゆるレベルで情シス業務のアウトソースが可能です。情シス派遣のようなサービスから機器単位での運用代行、SOC、はたまたヘルプデスク代行まで、依頼できる内容もさまざまです。

機器やツールの導入よりも、アウトソーシングを優先してもよいかもしれません。

まとめ

本来情シスが求められている役割は、企業のIT戦略を考えることです。

システムの運用や社内ヘルプデスクなど「守り」の日常業務に忙殺されてしまいがちですが、今後はIT関連の戦略や施策を打ち出す「攻め」の姿勢も求められるようになるでしょう。

そのためには、経営層含む社員全員が情シスに対する意識を変え、ITリテラシーを向上する必要がありますし、情シス自身も主体となってそれらに取り組む必要があります。

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