スマートロックに潜む危険性とは?起こり得るトラブルや対処法を解説
近年話題になっているスマートロックは、物理的な鍵を持たなくてもスマートフォンなどでドアの施解錠できるため、大変便利なシステムですが、一方で利用の際にトラブルが起こる危険性があるのをご存知でしょうか。
本記事では、導入前に知っておきたいスマートロックの危険性や対処法について解説します。リスクを理解し、対策をとっておけば安心して利用できるようになります。
また、スマートロックを利用するメリットや購入前にチェックすべきポイントについても説明していきますので、ぜひ導入前にご覧いただき、製品選びの参考にしていただけたら幸いです。
スマートロックとは
スマートロックとは、スマートフォンなどのモバイルデバイスにインストールした専用アプリで鍵に取り付けた機器を操作し、玄関ドアや門扉の施錠や解錠ができるシステムです。
物理的な鍵は必要ないためドアの施解錠が楽になる点や、賃貸でも設置がしやすい点、また、オートロック機能が防犯対策になるなどの点から、近年需要が高まっています。
スマートロックを導入するメリット
スマートロックを取り入れるメリットは以下のように多岐にわたります。
- 外出先から施錠管理が行える
- 賃貸でも簡単に設置できる
- ハンズフリーで解錠できる
- 鍵を持ち歩かなくて良い
- オートロック機能で鍵の閉め忘れを防止できる
スマートロックは、鍵穴に差し込む鍵が必要なく、普段持ち歩くスマートフォンや暗証番号で解錠できるため、ストレスフリーです。さらに、オートロック機能がついた製品も多く、ドアを閉めると鍵がかかるので、鍵の閉め忘れが心配な方も安心して利用できます。
スマートロックの取り付け方法の違い
スマートロックは大きく分けて3つの取り付け方法があります。
- 貼り付けタイプ
- 穴あけタイプ
- シリンダータイプ
それぞれの特徴を以下にまとめました。
種類 | 貼り付けタイプ | 穴あけタイプ | シリンダー交換タイプ |
---|---|---|---|
設置方法 | 両面テープで玄関ドアに貼り付ける | 玄関ドアに穴をあけて取り付ける | シリンダー(ドアの鍵部分)自体をスマートロックに交換する |
特徴 |
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賃貸での使用 | できる可能性が高い | できない場合が多い | 管理者に要相談(原状復帰が必要) |
最も手軽に取り付けられるのは貼り付けタイプですが、本体が落下してしまうリスクがあるため、強度を確かめる必要があります。
また、賃貸物件でスマートロックを導入する場合、どのタイプであってもあらかじめ管理者に使用できるか確認しておきましょう。
スマートロックの施解錠方法
スマートロックの多くはスマートフォンなどのデバイスを使って施解錠を行いますが、それ以外にも以下のような方法があります。
- スマートフォン操作
- ハンズフリー
- マルチデバイス
- 暗証番号
- タイマー開閉
- 指紋認証
それぞれの特徴をまとめましたので、自分に合った施解錠方法を選びましょう。
スマートフォン操作 | スマートフォン等のアプリを操作して施解錠する |
---|---|
ハンズフリー | スマートフォン等が玄関に近づくと自動で解錠する |
マルチデバイス | スマートフォンに加え、カードキーやスマートウォッチ等を用いて、複数のデバイスで施解錠する |
暗証番号 | 設定した番号をテンキーに打って解錠する |
タイマー開閉 | 曜日や日付、時間などを設定し、自動に施解錠する |
指紋認証 | 指紋認証を用いて解錠する |
スマートロックの危険性と対処法
スマートロックを導入すると様々なメリットがあり生活が便利になりますが、その一方で危険性も潜んでいるため、導入すべきかよく考える必要があります。
ここでは、スマートロックでよくあるトラブルと対処法について解説していきます。
自宅のドアに設置できない
スマートロック設置時のよくトラブルとして、そもそも「取り付けられない」「設置できない」というものがあります。
スマートロックがドアに設置できない理由として以下が考えられます。
- ドアノブ、サムターンとの相性が悪い
- 賃貸物件の場合、オーナーの許可が下りない
- GPSが受信しづらい
設置面がフラットなドアの場合は取り付けやすいですが、ドアノブがあるドアやプッシュプルハンドルのドアには取り付けられないケースが多いです。また、賃貸の場合はスマートロックの取り付けを断られる場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
充電切れや電池切れによる締め出し
スマートロック本体は電池式のものが多いため、停電時に使えなくなる心配はありませんが、本体の電池が切れるとドアの施解錠ができなくなってしまいます。また、スマートフォンの充電が切れた場合も同様にドアの施解錠ができません。
ドアの内側にいる場合に電池切れや充電切れが発生した場合は手動で鍵を開け閉めできますが、外出時に発生した場合は締め出されてしまうので、電池残量をこまめにチェックする必要があります。
スマートロックの電池の交換頻度
スマートロックの電池の寿命は製品や使用頻度によっても大きく異なりますが、半年〜1年ほどが交換の目安です。電池残量を知らせる機能が付いた製品もあるため、不安な方はこれらを導入するのがおすすめです。
また、スマートフォンの充電切れの対策としては、日頃からモバイルバッテリーを持ち歩くなどの方法があります。
スマートロック本体の不具合
スマートロック本体の不具合や故障によって施解錠ができなくなる場合もあります。
スマートロックは機械であるため、本体内部の配線がショートしたり、誤作動を起こしたりしてしまうことも稀にあるでしょう。
本体の故障や経年劣化による不具合の場合、すぐに解決するのは難しいため、メーカーのサポートセンターに連絡し、修理や交換の手続きを早めに進める必要があります。
通信トラブル
スマートロックはインターネットで通信してサーバーと接続しますが、通信トラブルで施解錠できないケースもあります。スマートフォンの機能をオフにしていたり、機内モードにしていたりすると通信できず、操作が効かなくなってしまうのです。
また、スマートフォンとドアに設置した機器がBluetoothで通信するタイプの場合、Bluetoothを使用している他の機器や複数台を同時に使った際に、お互いに干渉する可能性があり、正常に作用しない恐れがあります。
これを避けるために、干渉を受けづらいインターネットで接続する製品や暗証番号で解錠する製品を選ぶ方法があります。
オートロック機能による締め出し
オートロック機能が搭載されたスマートロックは、基本的にスマートフォンやカードキーがなければ施解錠できないため、スマートフォンなどを自宅に置いたまま外に出てしまうと、オートロックが作動して締め出される危険性があります。
そのため、外出する際はスマートフォンやカードキーを持っているかをしっかり確認したうえで出かけるようにしましょう。また、万が一のために鍵を使って開ける手段も残しておくことをおすすめします。
ハッキングのリスク
スマートロックはインターネットによってサーバーと接続するため、ハッキング(不正アクセス)されるリスクが少なからずあります。
とはいえ、パソコンやIoT製品などインターネットを利用するシステムは全てハッキングされるリスクがあるので、必ずしもスマートロックだけが危険というわけではありません。
スマートロックのハッキング対策として、高度な暗号化処理を行っている製品を選んだり、ドアの施解錠に使用した信号が、動作の度に最新のものになる製品を選んだりする方法があります。
スマートロック導入前にチェックしておきたいポイント
先述した通り、スマートロックは多くのメリットがある一方で、危険性も潜んでおり、締め出されてしまったり、ハッキングの被害に遭ったりする恐れがあるのです。
そこで、スマートロックを導入する前に確認すべきポイントを説明していきます。
コストを理解しているか
スマートロックを導入する際は、コストがかかる点を理解し、コストと機能性どちらを優先するか考えなければなりません。
スマートロック本体の料金相場は1万円〜5万円程度とメーカーや性能によっても大きく異なり、最新のもので機能が充実しているほど購入費用が高くなる傾向にあります。
また、ドアによってはスマートロックの設置工事が必要で、その場合は工賃がかかりますし、月額制の場合は月額料金が1,000〜6,000円程度かかるものもあります。
物理的な鍵の携帯を検討する
スマートロックの不具合や故障、電池切れに加え、スマートフォンの充電切れや紛失などによる締め出しのリスクを回避するために、物理的な鍵を常に携帯しておくことも有効です。普段使わない場合でも、緊急時に使える鍵として役立ちます。
鍵を携帯することなく施解錠ができるのがスマートロックの利点なので、物理的な鍵を持ち歩くのに抵抗を感じるかもしれませんが、その場合は職場で鍵を管理するなど、別の場所で鍵を管理しておくのもおすすめです。
機能や使い方が自分と合っているか
様々な特徴を持ったスマートロックが存在しているので、必要な機能が搭載されているか、自身の使い方と合っているかを導入前に確かめることも大切です。
特に、以下の点については製品ごとに違いがありますので、チェックしておきましょう。
- 取り付けられるドアの種類
- 設置方法
- 合鍵の上限数
- スマートフォン以外の専用端末キー
- 緊急解錠機能 など
サポート体制が充実しているか
スマートロックの故障やシステムの不具合が発生した際、自分だけでは対処が難しい場合もあります。そのため、万が一のトラブルが起きたときに迅速なサポートを受けられるかどうかも導入する際に確認しておきたいポイントです。
多くの製品は購入から1年間のメーカー保証が付いていますが、それ以外にもサポート体制が充実していると安心して利用できます。メールや電話、チャットなどの問い合わせ方法や、サポートを受けられる時間帯なども確認しておきましょう。
高度なセキュリティ対策が実施されているか
スマートロックの多くは、各メーカーごとに様々なセキュリティ対策を施しているため、ハッキングに遭うリスクはほとんどないと言われていますが、製品の中にはこのような対策が全くされていないものもあるので、注意が必要です。
セキュリティ対策がしっかりしているスマートロックは、データを暗号化して送受信するものを採用しています。中には、SSL通信を使った金融機関でも採用されるほど高度な暗号化を行っている製品もあるため、安全性を重要視する方には注目しておきたいポイントです。
スマートロックを導入する際は、どのようなセキュリティ対策が実施されているのかをよく確認して選びましょう。
信頼できるメーカーの製品を選ぶ
利用する製品が信頼できるメーカーのものであるかも選ぶ際に考慮するポイントです。販売実績を調べるとともに、インターネット上の口コミなども参考にすると良いでしょう。
スマートロックを導入すると、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- 自宅のドアに設置できない
- 充電切れや電池切れによる締め出し
- スマートロック本体の不具合
- 通信トラブル
- オートロック機能による締め出し
- ハッキングのリスク
しかし、事前にリスクや対策方法が分かっていれば、生活が豊かになる非常に便利な製品です。
これからスマートロックの導入を検討している方は、この記事を参考に危険性や対処法を理解し、自身に合った製品を使っていただけたらと思います。