Google Workspace で独自ドメインのメール設定をする方法
リモートワークやオフィスとのハイブリッドワークを取り入れる企業が増え、Google Workspace の導入を検討しているという企業も増えてきました。
Google Workspace を利用すると、独自ドメインを利用できます。独自ドメインとは「~@gmail.com」のように誰でも使えるドメインではなく、「~@company.co.jp」のように会社名を使った固有のドメインです。
独自ドメインをこれから取得するという企業はもちろんですが、すでに持っている企業でも、Google Workspace と紐づけることで引き続き使い続けられます。
〈この記事を読んでわかる内容〉
- Google Workspace とは
- 独自ドメインとは
- 独自ドメイン設定のメリット
- Google Workspace の独自ドメイン設定方法
- Google Workspace がおすすめの理由
- Google Workspace のデメリット
Google Workspace とは
Google アカウントを持っていれば、無料で Gmail や Google ドライブ、 Google カレンダー などの機能を使うことができます。ただし、無料プランだと、一部の機能やストレージの容量に制限があります。
ビジネスを目的に使用するのであれば、Google Workspace を活用すべきです。Google Workspace は、メール機能の他にもファイル共有機能やドキュメントの同時編集機能など、様々なコラボレーション機能を持っています。同じドメインのユーザー同士であれば、スムーズに情報共有することができます。また、アカウントを一元的に管理するコンソール機能も持っているため、組織で利用するのに向いています。
独自ドメインとは
ドメインには、以下の2種類があります。
- 共有ドメイン
- 独自ドメイン
共有ドメインとは、「~@yahoo.co.jp」「~@gmail.com」のように不特定多数の人が使用しているものです。無料で利用できるものもあり、誰もがこのようなメールアドレスをひとつは持っているでしょう。
独自ドメインとは、「.com」や「.co.jp」の前の部分を独自に設定したものです。例えば「~@company.com」「~@example.co.jp」のように、「company」や「example」の部分を自由に決められます。
会社名を入れて社内で利用すれば、企業独自のメールアドレスを作れます。このように世界にひとつの特別なドメインを、独自ドメインといいます。
独自ドメインには適したTLDを
TLD(トップレベルドメイン)とは、ドメインの最後の部分のことで、分野別トップレベルドメイン(gTLD:generic TLD)と国コードトップレベルドメイン(ccTLD:country code TLD)に大別されます。
TLDは、用途ごとに利用できるものが決められており、代表的なTLDを以下に示します。
LTDの種類 | ドメイン名 | 用途 |
---|---|---|
gTLD | com | 商業組織用 |
gTLD | org | 非営利組織用 |
gTLD | edu | 教育機関用 |
gTLD | info | 制限なし |
ccTLD | jp | 日本 |
ccTLD | us | アメリカ合衆国 |
独自ドメイン設定のメリット
独自ドメインを取得すれば、メールアドレスやウェブサイトのURLをオリジナルのものとして設定できます。企業として独自ドメインを利用するメリットは、主に以下のようなものが挙げられます。
- 企業の信頼性につながる
- ブランドイメージが向上する
- メールアドレスが認識しやすい
- ドメインパワーが資産になる
企業の信頼性につながる
「~@yahoo.co.jp」や「~@gmail.com」のような個人のメールアドレスは、誰もが無料で作成できるものです。個人の利用では問題ありませんが、ビジネスでこのようなメールを使用していると法人としての信頼性に欠けてしまう恐れがあります。
独自ドメインでないフリーメールだと、表札のない家のようで実態がよくわからないという印象を与えてしまいます。会社名やブランド名、サービス名などを用いた独自ドメインは、そのまま企業への信頼に影響すると言ってもいいでしょう。
企業としての信頼感は、後に顧客の集客や人材募集へも繋がっていくと心得ておきましょう。
ブランドイメージが向上する
独自ドメインは会社名やブランド名で取得しますので、このようなメールアドレスを使用していると認知度アップやブランドイメージの向上に繋がっていきます。単純にブランド名や店名を覚えるきっかけにもなっていくでしょう。
メールアドレスが認識しやすい
独自ドメインのメールアドレスは会社名を入れて取得する企業が多く、メールが届くと一目でその企業から送信されたものだと認識できます。独自ドメインのメールアドレスは、個人メールのように誰でも気軽に発行できるものではありません。
また、第三者が酷似したメールアドレスを作る心配もありません。「~@gmail.com」のような個人メールだと、「company_name@gmail.com」と「company-name@gmail.com」など、似たメールアドレスでトラブルになる危険もありますが、独自ドメインであればその心配もありません。
迷惑メールとの見分けもつきやすく、メールアドレスを認識してもらえれば届けたい情報を正確に届けられるようになります。
ドメインパワーが資産になる
ウェブサイトのURLとして独自ドメインを設定していると、長期間運営したサイトはドメインパワーを蓄えていきます。ドメインパワーが大きくなると、Google の検索結果に上位表示されやすくなります。
サーバーを乗り換えるような状況が訪れたとしても、ドメインパワーをそのまま引き継いでいけます。会社を長期的に発展させていきたいと考えているのであれば、独自ドメインを取得しブランディングをしていきましょう。
Google Workspace の独自ドメイン設定方法
Google Workspace にて独自ドメインを設定する手順について、ご紹介していきます。
- Google Workspace に申し込む
- ビジネス名、従業員数、国を入力する
- 連絡先を入力する
- 既存ドメインを使用するか確認する
- 登録する独自ドメインを検索する
- ドメインを決定する
- ビジネス情報を入力する
- 最新情報、お知らせ通知を設定する
- ログイン情報を入力する
- Gmail に独自ドメインを登録する
Google Workspace に申し込む
まずはGoogle Workspace の公式サイトから申し込みをしていきます。ここでは、Google との直接契約の方法を紹介しますが、販売代理店を通して契約することもできます。販売代理店によっては、料金の値引きがあったり、独自のサポートがついたりするので、気になるようであれば検討してみてください。
Google Workspace は利用料がかかりますが、初めての利用の場合は無料トライアル期間が14日間あります。
使用人数やサービス内容によって、企業規模にあったプランを選択しましょう。
プラン | 月額/ユーザー1人あたり1年 |
---|---|
Business Starter | 680円 |
Business Standard | 1,360円 |
Business Plus | 2,040円 |
Enterprise | 営業担当者へ問い合わせ |
ビジネス名、従業員数、国を入力する
次にビジネス名や従業員数など、順に沿って必要事項を記入していきます。従業員数は、自分も含めた人数を入れてください。
連絡先を入力する
流れに沿って連絡先を記入していきます。Google Workspace の管理者となる人の連絡先を記入しましょう。
既存ドメインを使用するか確認する
次に独自ドメインの確認が行われます。すでに別で取得した独自ドメインがある場合には、「使用できるドメインがある」を選択します。これから新たに独自ドメインを取得する場合には、「ドメインを購入」を選択します。
独自ドメインのDNS設定
使用できるドメインをすでにお持ちであれば、DNS設定をしていきます。Google パートナーから独自ドメインを購入するのであれば、DNS設定は自動で行われるので不要です。
- DNS レコードを確認する
- 確認コードを追加する
- Google Workspace にコードの確認を指示する
ドメインの所有権を TXT レコードで証明するを参考に設定が可能です。
登録する独自ドメインを検索する
Google パートナーから独自ドメインを購入するのであれば、希望のドメインを検索していきます。希望のドメインはすでに使用されている場合もありますので、いくつか候補を挙げておいてください。
.comや.jpなど選ぶドメインによって、価格が異なります。特殊なものは避けて、ビジネス利用であれば「.com」のようにわかりやすいものを選ぶといいでしょう。
ドメインを決定する
希望のドメインが決まり、料金にも納得できたら購入します。最終確認をして、問題なければ「次へ」をクリックしていきます。
ビジネス情報等を入力する
次にビジネスの情報を求められますので、住所や電話番号を登録していきます。さらに Google からの最新情報やお知らせ通知の設定といった、最後の設定をしておきます。ログイン情報を入力したら、設定は完了です。
Gmail に独自ドメインを登録する
独自ドメインの登録を完了させたら、Gmail に独自ドメインを登録していきます。独自ドメインの設定だけではメールアドレスとしては使用できませんので、注意しましょう。
Google Admin にログインし、アカウント選択画面が表示されたら「別のアカウントを使用」をクリックします。先ほど取得した独自ドメインのメールアドレスとパスワードを入力してください。最初にログインする際には、本人確認が必要となりますので、携帯電話に送られるパスコードの入力も必要です。
Google Workspace がおすすめの理由
Google Workspace は独自ドメインでメールアドレスを取得するだけではなく、さまざまな機能が備わっています。Google が提供するグループウェアサービスですので、ビジネスをする上で上手く活用していきましょう。
Google Workspace の利用がおすすめできるのには、このような理由があります。
- セキュリティに強いから
- Google のサポートがついているから
- 多機能との連携ができるから
セキュリティに強いから
Google Workspace はクラウドサービスなので、セキュリティに不安を感じるという方もいるかもしれません。Google Workspace のセキュリティは、Google 社と同等の環境にあると考えられます。
Google 社では全ての従業員がプライバシーとセキュリティを重視しており、セキュリティにおいては世界有数の専門家が安全対策に取り組んでいます。
Business Starter という1番安いプランであったとしても、セキュリティ管理は変わりません。
Google Workspace はこのような環境でビジネスメールの運用ができますので、セキュリティにも強く安心して事業に専念できます。
Google のサポートがついているから
Google Workspace は、管理者であれば Google のサポートチームへの問い合わせが可能です。個人Gmail はこのような保証はなく、パスワード流出といったトラブルが発生したとしてもサポートは受けられません。
オンライン対応だけでなく、電話やメールも24時間365日体制でサポートを受けられます。何かしらのトラブルが起きると、顧客や取引先に迷惑をかけてしまうかもしれません。
個人で利用するわけではなく、ビジネスでの利用となるとこのようなサポート体制が整っている方が安心して利用できます。
多機能との連携ができるから
Google Workspace では、このような機能が利用できます。
- Google ビジネス用メール
- Google カレンダーでのスケジュール管理
- クラウドストレージの Googleドライブ
- ビデオ会議ができる Google Meet
ビデオ会議はプランによって、参加可能人数が100人まで~1,000人までと差があります。Business Standard 以上のプランであれば、会議を録画して Google ドライブ にそのまま保存もできます。
「組織内の全ユーザーに権限付与」という権限の設定もできますので、独自ドメインのユーザーに権限を限定させ、セキュリティを強化して使用できます。
独自ドメインメールは移行もできる
すでに他のメールサーバーで独自ドメインメールを使用している場合には、Google Workspace に移行もできます。データ移行をすれば、すでに利用している独自ドメインをそのまま引き継ぐ形での移行となります。
Google Workspace 管理者ヘルプ「データ移行サービスを使用してメールを移行する」では、データの移行方法が詳しく記載されています。
Google Workspace のデメリットとは?
Google Workspace はさまざまな機能が充実しており、企業にとっておすすめのツールだといえます。しかし、このようなデメリットを感じている人もいるようなので、留意しておきましょう。
- 使わない機能もある
- ユーザー1人1人に料金が発生する
- デザインが限定される
Google Workspace は多機能ですが、機能が多すぎて使いきれないという企業もあります。ユーザー1人1人に料金が発生しますので、そこまでの価値があるのかと考える必要があるのかもしれません。また、デザインが限定されてしまうので、「凝ったカスタマイズをしたい」「企業の使い勝手に合わない」という場合には使いにくさを感じるかもしれません。
Google Workspace をビジネスに活用しよう
Google Workspace は世界でも高水準のグループウェアです。独自ドメインの登録も比較的簡単で、企業としての信頼性のあるメールアドレスを持てるようになります。
企業として独自ドメインを持つメリットは多々ありますので、独自ドメインを取得し、独自ドメインメールを活用していきましょう。「たかがメールアドレス」と軽視している場合ではありません。このような体制ができているという企業であれば、信頼性もアップし、自社のブランドイメージの構築にもなっていくでしょう。