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column_1552024.07.17

PCのキッティング手順は?手作業・クローニング別に細かく解説

著者:情シスマン
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キッティングとは、企業などがパソコンやスマホ、タブレットなどのデバイスを大量に導入した際、従業員が使える状態まで設定をする一連の作業を指します。

基本的には手作業で行うか、クローニングという手法が用いられます。クローニングとは、マスターPCに対して行った設定を他のデバイスへコピー(クローン)していく手法で、台数が膨大にある場合に適しています。

手作業やクローニングそれぞれにおけるキッティングの手順や、社内でキッティングを行う際の注意点などをまとめました。

手作業によるキッティングの手順

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パソコンの台数が少なければ、手作業でキッティングを行うこともそれほど大変ではありません。

手作業でPCのキッティングを行う際の一般的な手順は以下のようになります。

ハードウェアの確認

PCが正常に動作するかチェックします。これには電源のON/OFF、モニターの表示、キーボードやマウスの操作などが含まれます。

OSのインストール

PCにオペレーティングシステムをインストールします。これがPCの基本的な動作を制御するためのソフトウェアです。

初期設定

OSのインストール後、言語設定、日付と時刻の設定、ユーザーアカウントの作成などの初期設定を行います。

ネットワーク設定

PCがインターネットや内部ネットワークに接続できるように設定します。

セキュリティ設定

ウイルス対策ソフトウェアのインストールやファイアウォールの設定など、PCのセキュリティに関する設定を行います。

必要なソフトウェアのインストール

ユーザーが必要とするソフトウェア(例: オフィススイート、メールソフトウェア、専門アプリケーションなど)をインストールします。

動作確認

全ての設定とインストールが完了したら、PCが正常に動作するかを確認します。これにはアプリケーションの起動、ネットワークへの接続、ファイルの作成と保存などが含まれます。

以上が一般的な手作業によるPCキッティングの手順となります。ただし、特定の組織や目的に応じて手順は変わることがあります。

担当者によって品質に差が出ないよう、キッティングをマニュアル化しておくといいでしょう。

手作業によるキッティングの注意点

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手作業でのPCキッティングに際しては以下の点に注意が必要です。

一貫性の確保

手作業でキッティングを行う場合、操作の手順や設定が一貫していることが重要です。作業者によって手順や設定が異なると、PCの性能や動作に差が生じ、後々トラブルの原因となることがあります。作業手順のマニュアル化やチェックリストの活用などで、一貫性を確保することをお勧めします。

時間管理

手作業でのキッティングは時間がかかる作業であるため、適切なスケジューリングと時間管理が必要です。特に大量のPCをキッティングする場合や、特定の期限までにキッティングを完了させる必要がある場合には、事前にしっかりと作業時間を見積もり、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。

クローニングによるキッティングの手順

マスターPCを用意してコピーしていく方法を、クローニングといいます。

クローニングによるPCキッティングの一般的な手順は以下のようになります。

マスターPCの選定

クローニングの対象となるマスターPCを選定します。このPCに必要な設定やソフトウェアをインストールし、その状態を他のPCに複製します。

マスターPCの設定

マスターPCに必要なソフトウェアをインストールし、必要な設定を行います。ここでは、全てのPCに共通して必要な設定やソフトウェアのインストールを行います。

イメージの作成

マスターPCの設定が完了したら、その状態をイメージとして保存します。このイメージは他のPCに複製するためのものです。

イメージのクローニング

保存したイメージを他のPCに複製(クローニング)します。これにより、マスターPCと同じ設定とソフトウェアがインストールされたPCが作成されます。

個別の設定

クローニング後、個々のPCに固有の設定(例えば、ユーザー名やIPアドレスなど)を行います。

動作確認

クローニングと個別の設定が完了したら、PCが正常に動作するかを確認します。

以上が一般的なクローニングによるPCキッティングの手順となります。ただし、具体的な手順は使用するソフトウェアや組織のポリシーにより異なることがあります。

マスターPCは、手作業で作成する他、専用ソフトを使用したり、業者に依頼したりといった方法があります。また、仕様が異なるデバイスの数だけマスターが必要になるので、クローニングだからといって、それほど手間が省けない場合もあります。

クローニングによるキッティングの注意点

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マスターPCの設定

マスターPCには全てのPCが必要とする設定やソフトウェアをインストールし、まったくの同一環境を作り出します。このマスターPCの設定が他の全てのPCに影響を与えるため、細心の注意を払って設定を行う必要があります。

イメージの保存と管理

クローニングのためのイメージは大切な資源であり、適切に保存と管理することが必要です。また、OSやソフトウェアの更新があった場合は、新たにイメージを作成し直すことも重要です。

個別設定の確認

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クローニングでは個々のPCに固有の設定(例えば、ユーザー名やIPアドレスなど)が必要になる場合があります。これらの設定を忘れずに行い、各PCが正常に動作することを確認することが重要です。

ハードウェアの適合性

クローニングは大抵の場合、同じハードウェア構成のPCに対して行います。しかし、ハードウェアの違いによっては、クローニング後にトラブルが発生することもあります。そのため、異なるハードウェア構成のPCにクローニングを行う場合は注意が必要です。

ライセンス管理

クローニングによりソフトウェアを大量に複製する際には、ソフトウェアのライセンスに注意が必要です。ソフトウェアによってはライセンス違反となる可能性があるため、事前に各ソフトウェアのライセンス条項を確認し、適切なライセンス管理を行うことが重要です。

Windows 10 のみに使えるキッティング

Windows 10 のPCに特化したキッティング方法として、以下の手法があります。

シスプレップ (Sysprep)

Microsoft が提供するツールで、PCの設定を一般化し、新たなPCにその設定を適用するためのものです。Windows 10 にプレインストールされており、イメージ作成やクローニングでよく使用されます。

Windows Configuration Designer

このツールは、Windows 10 のデバイスを簡単にセットアップするためのものです。初期設定やアプリのインストール、設定のカスタマイズなどを一括で行うことができます。

Windows AutoPilot

これは、新しい Windows 10 デバイスをクラウドから自動的にセットアップするためのサービスです。ユーザー自身が初回起動時に自分のデバイスをセットアップすることができます。

PowerShell スクリプト

PowerShell は、Windows 環境で自動化作業を行うためのコマンドラインツールです。特定の設定やソフトウェアのインストール等を自動化するスクリプトを作成し、それを実行することで一括設定が可能です。

これらの方法は、Windows 10のキッティングにおいて自動化や効率化を図るための手法です。ただし、各ツールやサービスの使い方、適用範囲、制限事項等を理解した上で適切に活用することが重要です。

キッティングを社内で行う

キッティングは特別な資格などは必要ありませんので、社内の人材でも行うことができます。

とはいえ、以下のような注意点があります。

  • 人材の確保が必要
  • 通常業務に支障が出てしまう可能性がある
  • 品質を均一化できない可能性がある
  • スケジュール管理が大変
  • セキュリティ対策を徹底しなければいけない

人材の確保が必要

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社内の人材がキッティングを行うのであれば、担当部署はシステム部門や総務などの管理部門となるでしょう。しかし、そのような部門は、キッティングだけが業務ではありません。その他の日常業務があるため、想定よりも時間がかかってしまう可能性もあります。

キッティングは特別な資格が不要とはいえ、基本的なITの知識やスキルは必要不可欠です。どの部署で、誰がキッティングをするか、といった適任な人材を探すのが難しいかもしれません。

通常業務に支障が出てしまう可能性がある

社内の人材がキッティングを行うということは、通常業務が一時的に停滞する可能性があります。通常業務の遅延することで、場合によっては事業活動にまで影響が出てしまう可能性がある点に注意が必要です。

品質を均一化できない可能性がある

キッティングを手作業で行う場合は、人為的なミスが発生する可能性があります。また、作業者によって品質にバラつきが出てしまわないよう、マニュアルを作るなどの対策も必要です。

設定ミスが起こると、従業員が使用した際、業務に支障が出るかもしれません。1つ1つは単純な作業なので誰でも取り組めばできますが、簡単なミスが発生しないよう注意しなくてはいけません。

スケジュール管理が大変

キッティングを手作業で行うと、標準的な Windows のパソコン1台で1時間~4時間程度かかるでしょう。クローニングをするにしても、開梱やラベル管理は1台ずつ行わなくてはいけませんのでそれなりの時間がかかります。

ミスが起きた際にはリカバリーにも時間を要すので、このような事態にも対応できるようなスケジュール管理をしていきましょう。

セキュリティ対策を徹底しなければいけない

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キッティングにはセキュリティ対策の設定も含まれています。企業としてセキュリティ対策を怠ると、情報漏えいやウイルス感染の危険があります。

社員が業務に無関係なアプリケーションをダウンロードしたためにウイルスに感染してしまうという場合もあります。そのような危険が伴う操作をできないように制御しておくのもキッティングの重要な効果の一つです。

情報漏えいしてしまうと、自社だけでなく、取引先や顧客へも悪影響を及ぼす可能性があります。大切な取引先や顧客を守るためにも、万全なセキュリティ対策を講じておきましょう。

キッティングを外部委託する

キッティングを外部に委託するという手もあります。

その際のメリットとデメリットは以下の通りです。

キッティングを外部委託するメリット

専門知識を利用できる

委託先はキッティングに関する専門知識を持っていますので、適切かつ効率的に作業を進めてくれます。

時間を短縮できる

自社でキッティングを行う場合は、それに時間と人手を割かなければなりません。外部へ委託することで、これらを節約することが可能です。

大量のキッティングに対応できる

大量のPCを一度にキッティングする必要がある場合、その作業は大変な労力を必要とします。専門の業者に委託することで、大量のキッティングもスムーズに行うことが可能です。

キッティングを外部委託するデメリット

コストがかかる

外部への委託には費用がかかります。その費用が予算内に収まるかどうかを確認する必要があります。

情報セキュリティリスクがある

PCの設定には機密情報が含まれることがあります。その情報を外部の業者に扱わせる際には、情報漏洩のリスクを十分に考慮する必要があります。

カスタマイズが制限されることがある

自社で行う場合は細かな設定やカスタマイズも可能ですが、外部に委託するとその範囲が制限されることがあります。

以上がキッティングを外部委託する際のメリットとデメリットです。これらを考慮し、自社の状況に最も適した選択をすることが重要です。

まとめ

キッティングは従業員が効率的にITツールを駆使して業務を行うために重要な作業ですが、新入社員の受け入れ時期や大規模や組織改編などによって多くの異動者が発生する時期など、業務が集中する時期が限られています。そのために専門の人材を確保するのか、外部へ業務委託するのか、状況に応じて適切な判断が必要といえます。

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