【必見】失敗しないローカルネットワーク構築の5つのポイント | 構築の手順までわかりやすく解説
「ローカルネットワークの構築は専門用語が多くてわかりにくい」「ローカルネットワークの構築を検討しているけど、方法がわからない」このように悩んでいる方は多くいると思います。
社内の情報共有は、企業の成長に不可欠な要素です。しかし、従来のファイル共有方法では情報漏えいのリスクや、リアルタイムでの共有が難しいといった問題があります。
ローカルネットワークを構築すれば、そうした問題を解決できます。一方で、難しいと感じてしまうのも事実です。
そこで今回は「ローカルネットワークの構築方法」を解説します。構築の際に知っておきたい「意識すべきポイント」も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
〈この記事を読んでわかる内容〉
- ローカルネットワークの構築とは何か
- ローカルネットワークを構築する際のポイント
- ローカルネットワークを構築する手順
ローカルネットワークの構築とは
ローカルネットワークの構築は、企業の業務効率を向上させるための重要な要素です。社内のデバイス間で通信しデータの共有を行うために、適切なネットワーク環境を整えられるかが重要になってきます。
構築の手順を知る前に、まずは以下の基本的なポイントを抑えておきましょう。
- 有線LAN・無線LANの特徴
- LANとWANの違い
有線LAN・無線LANの特徴
ローカルネットワークは、ローカルエリアネットワークともいい、LAN(ラン)と略されます。
LANを構築する際に悩むのが有線か無線かということです。それぞれどのような特徴があるのか、以下に分けて解説します。
- 有線LANの特徴
- 無線LANの特徴
有線LANの特徴
有線LANは、物理的なケーブルでデバイスを接続する方式です。その最大の特徴は、通信速度と安定性にあります。ケーブルで接続しているからこそ、外部からの影響を受けにくい安定した接続を確立できます。
特に、大容量のデータを頻繁に送受信するのであれば、有線LANが適しています。ケーブルを設置するという物理的な制限はあるものの、通信に関するストレスは大きく軽減するでしょう。
無線LANの特徴
無線LANは、ケーブルを使わずにデバイス同士を接続する方式です。無線LANの一般的な規格として「Wi-Fi」が使われることがほとんどなので、単にWi-Fiと呼ばれることもあります。スマートフォンやタブレットのように、LANケーブルを接続できないデバイスでも接続できます。
ケーブルを使用しないため、自由度が高い点が特徴です。電波が届く場所であれば、どこでもネットワークに接続できます。会議室でのプレゼンテーションなど、自身のデスク以外での作業を行う場合にも重宝します。
ただし、電波を飛ばしているため、電波干渉やセキュリティリスクがあります。導入の際は十分な対策が必要になる点には注意が必要です。
LANとWANの違い
LAN(ローカルエリアネットワーク)と似ているものに、WAN(ワイドエリアネットワーク:ワン)があります。どちらも通信を行うためのネットワークを表しますが、以下の点で違いがあります。
- LAN:物理的な距離が離れておらず、一般的に同一建物内での通信に使われるネットワーク
- WAN:物理的な距離が離れていて、異なる建物を含む広範囲での通信に使われるネットワーク
LANは、比較的小さな範囲(例えば、家庭、オフィス、学校など)で使用されるネットワークです。通常、一つの建物内や隣接する建物間をカバーします。主に、共有リソース(ファイル、プリンターなど)への高速アクセスを提供し、通常はプライベートネットワークであり、外部からのアクセスは制限されます。
一方で、WANは、地理的に広範囲にわたるネットワークを指します。これは複数の都市、国、あるいは世界中に広がる可能性があります。インターネット自体が最大のWANの一例です。WANは、通常公共のネットワーク転送施設(例えば、衛星リンク、光ファイバーケーブルなど)を使用して、遠隔地のLANネットワーク同士を接続します。
ローカルネットワークにおける構成の種類
ローカルネットワークを構成する方法には、代表的なものとして以下の3種類があります。それぞれの構成によってメリットとデメリットがあるため、どのような特徴があるのかを知っておきましょう。
- スター型接続
- バス型接続
- リング型接続
スター型接続
スター型接続では、すべてのデバイスが中央のハブ(またはスイッチ)に直接接続されます。データは中央のハブを経由して送信され、ハブはデータを適切なデバイスにルーティング(経路を決定)します。
スター型の利点は、一部のデバイスが故障してもネットワーク全体に影響を及ぼさないことです。しかし、中央のハブが故障すると、ネットワーク全体がダウンします。
バス型接続
バス型接続では、すべてのデバイスが単一の通信ライン(バス)に接続されます。データはバス全体に送信され、各デバイスは自分宛てのデータを受け取ります。
バス型の利点はシンプルさとコスト効率ですが、バスが故障するとネットワーク全体がダウンします。また、多くのデバイスが同時に通信しようとすると、パフォーマンスが低下する可能性があります。
リング型接続
リング型接続では、デバイスは物理的なリングの形を作るように接続されます。データはリングを通じて一方向に送信され、各デバイスはデータを受け取り次のデバイスに送ります。
リング型の利点は、バス型とは異なり、多くのデバイスが同時に通信してもパフォーマンスが低下しないことです。しかし、一つのデバイスが故障すると、ネットワーク全体が影響を受ける可能性があります。
ローカルネットワーク構築をする際に注意したい5つのポイント
ローカルネットワークを構築する際は、以下の5つのポイントに注意しましょう。
- 自社に合うネットワークの規格を判断する
- 将来の拡張性を考慮する
- 拠点数を把握しておく
- トラフィック量を把握する
- セキュリティ対策を徹底する
自社に合うネットワークの規格を判断する
まずは、自社のニーズと目標を理解することから始めます。
ネットワークの規格は、ビジネスのサイズ、業種、そして必要なデータの種類と量によって異なります。
より大規模なビジネスやデータ集約型のビジネスでは、高速で安定した接続を提供する規格が必要となる場合があります。対照的に、小規模なビジネスでは、より基本的な規格で十分な場合もあります。
将来の拡張性を考慮する
ネットワークは、企業の成長と進化に対応できるように設計する必要があります。
拡張性を考慮することで、企業が新たな拠点を設けたり、スタッフを増やしたりする際に、ネットワークがこれらの変更を吸収できます。
したがって、必要に応じて容易にスケーリング(拡張)できるネットワークソリューションを選択することが重要です。
拠点数を把握しておく
企業の拠点数は、ネットワークの設計と構築に大きな影響を与えます。
各拠点の位置とそれぞれの拠点間でのデータの流れを理解することで、適切なネットワークトポロジー(ネットワーク型)を選択し、各拠点が適切に接続され、データが効率的に流れることが確保できます。
トラフィック量を把握する
ネットワークのパフォーマンスを最適化するためには、予想されるトラフィック量を把握することが重要です。
高いトラフィック量を処理する必要がある場合、それに対応するための適切なハードウェアとソフトウェアのソリューションを選択する必要があります。
セキュリティ対策を徹底する
ネットワークは、企業の重要なデータと情報を保護する役割を果たします。
したがって、データ侵害や不正アクセスを防ぐために、セキュリティ対策を徹底的に行うことが重要です。
これには、ファイアウォールの設定、アンチウイルスソフトウェアの導入、強固なパスワードポリシーの設定などが含まれます。また、定期的なセキュリティチェックとアップデートも重要です。
ローカルネットワークの構築をする手順
ローカルネットワークを構築する際は、以下の手順で進めましょう。
- 現状を把握する
- 必要な要件を洗い出す
- ネットワークの規格を決める
- ネットワークの構成を決める
- デバイスの設定をする
- ネットワークが繋がっているかを確認する
- 運用方法をマニュアル化して配布する
Step1 現状を把握する
ネットワーク構築の最初のステップは、現状を把握することです。
既存のネットワーク環境について、使用しているハードウェアやソフトウェア、ネットワークの設定やパフォーマンス、セキュリティ状況などを詳細に確認します。これにより、新たなネットワーク構築のための基本情報を得ることができます。
Step2 必要な要件を洗い出す
次に、ネットワークに求められる要件を洗い出します。
これは、ビジネスの要件、利用者のニーズ、技術的な制約、予算、セキュリティ要件などを考慮に入れます。これらの情報は、ネットワークの規模、構成、ハードウェアとソフトウェアの選択に影響を与えます。
Step3 ネットワークの規格を決める
要件が明確になったら、それに基づいてネットワークの規格を決定します。
規格選択は、ネットワークのパフォーマンス、安定性、拡張性に直接影響を与えます。また、選択した規格は、ネットワークデバイスの選択と互換性にも影響を与えます。
Step4 ネットワークの構成を決める
ネットワークの規格を選んだら、次にネットワークの構成を計画します。
どのデバイスをどの位置に配置し、どのように接続するか、どのデバイスがどの役割を担うかを決定します。これにより、ネットワークの効率性とパフォーマンスを最大化します。
Step5 デバイスの設定をする
ネットワークの構成が決まったら、各デバイスの設定を行います。
これには、IPアドレスの設定、セキュリティ設定、ネットワークサービスの設定などが含まれます。全ての設定が正しく行われていることを確認することで、ネットワークの安定性とパフォーマンスを保証します。
Step6 ネットワークが繋がっているかを確認する
全ての設定が終わったら、ネットワークが正常に接続されているかを確認します。
各デバイスからの接続テスト、パフォーマンステストを行うことで、ネットワークの正常な動作を確認します。
Step7.運用方法をマニュアル化して配布する
最後に、新たに構築したネットワークの運用方法をマニュアル化し、関係者に配布します。
これにより、ネットワークの適切な使用方法やトラブルシューティング手順、保守手順などが明確になり、ネットワークの維持管理が円滑に行えます。
ローカルネットワークの構築は、社内業務の効率を大きく左右します。構築する際は自社に合ったネットワークを選び、正しく運用するようにしましょう。
最適なネットワーク環境は、企業によって異なります。まずは自社の現状を把握し、必要な要件を洗い出すところから始めてみてくださいね。