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column_52023.08.16

クラウド導入で失敗しないために!事例から学ぶ注意点と解決方法

著者:情シスマン
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クラウドへの移行を検討する企業も増えてきている昨今、思いつくままにクラウド導入を進めると、自社に合わないサービスを導入してコストが高く付いたり、管理工数が増大し二度手間になったりと、失敗に終わってしまうことも…

本記事では、クラウド導入で失敗しないための注意点と解決方法を紹介します。失敗事例も掲載しているので、クラウド移行の際の目安にしてください。

そもそもクラウドとは?

PCで情報を閲覧したり、データを取得したりするには、情報やデータを提供するサーバーが必要です。サーバーはアプリケーションを動かすには欠かせない存在ですが、自前で用意して管理するのは大変な労力を伴います。

その点、クラウドを利用すれば自前でサーバーを用意しなくとも、インターネットを介してサーバーの機能を利用できます。クラウドサービス事業者がサーバーを用意して運用管理を行うので、自社で問題が起こらないように監視したり、トラブル対応したりする必要がありません。

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クラウド導入時のよくある失敗事例

クラウドを導入すれば、自前でサーバーを運用管理するのに比べてコストが削減できたり、業務効率が上がったりするというメリットがよく語られます。しかし、導入後に思わぬ落とし穴に気づいたという企業も少なくありません。ここからは、クラウド導入時に気を付けたいことを失敗事例とともに紹介します。

クラウド移行時のコストや工数が想定よりも増大してしまった

クラウドを利用すると、アップロードしたデータにいつでもどこでもアクセスできる環境が整います。とはいえ、データが膨大であればあるほどクラウド移行には時間がかかります。

クラウドサービスはすべてインターネットを介して提供されますが、移行時のデータのアップロードに用いるインターネット回線の品質が十分でない場合、帯域を逼迫してほかの業務に影響を与えてしまったり、最悪すべてのデータがアップロードできずじまいになってしったりする可能性があります。そうすると今度はインターネット回線の増強を検討する必要が出てきてしまい、コストも増大してしまいます。

移行したいデータ量や移行に使用する回線の品質については、あらかじめ正確に見積もっておく必要があるでしょう。

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運用コストが想定よりも高くなってしまった

クラウドを導入すると、自前でサーバーを運用管理するオンプレミスよりも割高になるケースは珍しくありません。

ユーザー単位の課金システムを採用しているサービスであればユーザー数に応じて、従量課金制を採用しているサービスであれば利用量に応じてランニングコストは高くなっていきます。対してオンプレミスは、サービス利用料のようなものはかかりませんが運用管理のための人件費やメンテナンス費がかかります。クラウドに比べてオンプレミスはランニングコストが見えにくいため、総合的に比較する必要があるでしょう。

また、オンプレミスでハードウェアのスペックに余裕を持たせてシステムを構築している場合、そのままクラウド移行するとオーバースペックになります。余分なコストがかかってしまうため、想定よりも高く付く恐れがあります。

環境が複雑化してしまい、管理工数が増大した

クラウドといっても複数の種類があります。クラウドサービス事業者のサーバーを利用してシステムを構築できるIaaSから、独自のアプリケーションを追加できるPaaS、特定のソフトウェアだけを利用できるSaaSまで選択肢がたくさんあります。

思いつくままにクラウドサービスを導入していると、環境が複雑化し管理工数が増大するので注意が必要です。

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クラウド利用時の通信遅延により業務に支障がでる

クラウド利用時の回線帯域幅が狭いことで、アクセスが集中して回線速度が遅延する恐れがあります。外部向けサービスの基盤としてクラウドを利用している場合、ユーザーからのアクセス集中により遅延が発生してしまうと、販売機会を逃すなど業務に支障が出る恐れも…

とはいえ、クラウドの利用用途やネットワーク構成によっては単純に回線帯域幅を広くすれば良いというものでもなく、利用に適した構成に組み替えなければならないケースもあるので注意が必要です。

ベンダーのサポート体制が不十分で運用に支障が生じる

クラウドはクラウドサービス事業者のサーバーを利用するため、運用管理を自社で行う必要がありません。一方で、もしもネットワーク障害などのトラブルが発生した場合、クラウドサービス事業者が対応することになります。ベンダーのサポート体制が不十分だと、運用に支障が生じ恐れがあります。

失敗しないためのポイントとは

クラウド化で失敗しないためのポイントを5つまとめました。導入時は以下の内容に注意して、スムーズな移行を目指しましょう。

自社環境や移行・導入の目的を整理する

クラウドを導入する際は、自社のインフラ環境を調査して、過不足のないように条件を絞り込んでください。社内で方向性を統一しておくと、オーバースペックになったり、環境が複雑化したりする心配がなくなります。

自社に合ったクラウドの種類・サービスを選択する

クラウドは大まかに分けるとIaaS・PaaS・SaaSと3つの種類がありますが、利用目的によって選ぶべき種類・サービスは異なります。移行時の規模やコストを考えて、利用するクラウドサービスが乱立しないよう自社に合ったものを選定しましょう。実際にアプリケーションを利用する現場のことを考えて、利便性や安全性、サポート力などを比較して選ぶ必要があります。

コスト(費用・工数)を綿密に見積もる

クラウドへ移行する場合、後から回線増強やサービスの変更に費用がかからないように、トータルコストを綿密に見積もることが大切です。オンプレミスでシステム構築をしている企業は、クラウド移行で回線が遅延しないか、オーバースペックになっていないかを確認しておきたいところです。スペックが不足していると突発的な追加費用がかかり、過剰であると余分な固定費用がかかります。

クラウドへの移行は段階的に

クラウド移行する際は、段階的に進めていくと失敗するリスクを低減できます。一度に切り替えてしまうと、回線遅延により業務に支障が生じたり、社員が対応しきれなかったりと、工数が増大する恐れがあります。

少しずつ移行して慣らしていくと、コストや工数が余分にかかる心配がありません。

サポートが十分なパートナーを選ぶ

クラウド移行の費用・工数をともに削減するには、パートナー選びが重要です。知見があり、いざという時に対応してくれるクラウドサービス事業者かどうかを見極めてください。

また、クラウドは自社でサーバーを運用管理しない分セキュリティリスクがあるので、障害やリスクに備えている事業者を選ぶことが大切です。費用を削減するために、自社に合ったスペックを提案してくれるかどうかも大事な要素だと言えます。

まとめ

クラウドはサーバーの運用管理の手間が省けるため、導入するメリットが大きいと注目されています。ただメリットばかりではなく、移行時にコストがかさむ、管理工数が増えるといったデメリットも存在します。クラウドサービス事業者を選ぶ際は、導入目的を明らかにし、種類・コスト・サービス面で自社の条件を満たすものを導入しましょう。

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