BWA(広帯域移動無線アクセス)とは?基本をわかりやすく解説
BWA(広帯域移動無線アクセス)とは?
BWA(Broadband Wireless Access)とは、ブロードバンド無線アクセスのことです。2.5GHz帯などの高い周波数帯の電波を利用することで、無線によるインターネット接続ができるようになります。
有線回線でなくても大容量のデータを高速通信することができ、通信のエリアも広いため、大学キャンパスや工場といった広い敷地がある施設での無線ネットワーク構築などにも利用されています。
全国的には、Wireless City Planning社とUQコミュニケーション社より提供されており、CMでもおなじみSoftBank AirはWireless City Planning社の保有する周波数帯を利用したBWAです。
地域BWA(地域WiMAX)とは
総務省はBWAを利用することで地域の公共サービスの向上やデジタル・ディバイド(条件不利地域)の改善を地域BWA(地域WiMAX)という施策によって実施しています。
例えば、通信が脆弱な山岳地域における通信環境の整備や非常時の災害連絡用、児童・高齢者の見守りなどに活用されます。
WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)とは高速移動無線技術の標準規格です。
地域WiMAXでは2,582MHz~2,592MHzの10MHz帯幅が割り当てられており、免許を取得した一部の地域事業者で利用されています。
電波法令の制度改正により、2014年10月よりこれまでのWiMAX方式に加え、LTE技術をベースとした新しい無線方式(AXGP方式、WiMAX R2.1 AE方式)も利用可能になりました。
また近年は、地域BWAの5G対応も進んでおり、徐々に5Gに移行していくと言われております。
全国BWAと地域BWAの違い
BWAには全国BWAと地域BWAがあり、それぞれ使用される周波数が異なります(前述のとおり)。
基本的にはどちらも総務省の審査によって免許が付与されており、全国BWAに登録している事業者は地域BWAには登録できません。
そのため、全国BWA事業者は携帯電話会社が、BWA事業者は地方ケーブルテレビの事業者が地域がなるケースが多いようです。
地域BWAの活用イメージ
地域BWAでは、活用イメージとして以下のものが挙げられています。
- 地域の暮らし・防災情報の配信
- 児童・高齢者見守り
- 学校などのネット利用
- 交通機関の運行情報
- 商店街監視カメラなどの映像伝送
- 条件不利地域の解消
総務省「地域広帯域移動無線アクセス(地域BWA)システム」参照
簡単にいうと、光回線インターネットが使えない地域でも高速インターネットを使えるようにして、デジタル格差を埋め、公共サービスを向上させよう、といったことになります。
全国BWAは、どちらかというと家庭用インターネット回線を手軽に導入できるものとして認識されていますが、ビジネスでも導入が進んでいます。
例えば通信回線を引くことが難しい工事現場などに設置することで、施工現場と事務所をインターネットでつなぎ図面やリアルタイムの映像を共有したりすることもできます。
回線工事ができない店舗などでも、工事不要で無線インターネットが使えるなどのメリットがあります。
今回はBWAについて解説しました。どちらかというと地域の公共サービス向上のための総務省の施策や、簡単回線開通!といったような家庭用利用のイメージが強いですが、ビジネスでも活用の幅がある通信方式です。
通信品質は当然、有線回線には劣るため、基幹システムとの通信やサービス提供のためのメイン回線とするのは難しいかもしれませんが、自社の業務において、「ここにインターネットがあればな…」といったことがあれば、導入を検討してみても良いのではないでしょうか?