Web会議に便利な Teams とは?メリット・デメリット、会議に招待・参加する方法を解説
コロナ禍以降、働き方のダイナミックな変化により、Web会議ツールを取り入れた企業が急増しました。Web会議のツールは様々ありますが、その中でも特に認知度の高い Microsoft が提供する「Teams(チームズ)」は、どのような企業に適しているのでしょうか。
本記事では、「Microsoft Teams」の便利な機能やメリットやデメリットについて解説します。
結論として、Teams は他の Microsoft 製品も併用して会議を行いたい企業に向いています。
Teams の招待方法、参加方法についてもご説明しますので、利用を検討している企業は、この記事を参考に自社のWeb会議に役立ててみてください。
Teams(チームズ)とは
「Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ)」(以下、Teams)は、Microsoft が提供するコミュニケーションツールです。2024年3月までは Microsoft 365 / Office 365 標準付帯していましたが、2024年4月より独立したサービスとしての提供となりました。PCやスマートフォン、タブレットなど、基本的にどのデバイスからでも使うことができ、PCはブラウザでも動作します。
Web会議やビジネスチャット、リアルタイムでの共同編集など様々な機能が備わっているのが特徴です。
Teams の無料版と有料版の違い
Teams には1種の無料プランと2種の有料プランがあります(2024年4月以降)。
プラン名 | 月額料金 | 参加者 | グループ会議 | クラウド |
---|---|---|---|---|
Microsoft Teams (無料) | 無料 | 100人 | 60分 | 5GB |
Microsoft Teams Essentials | 599円 | 300人 | 30時間 | 1人あたり10GB |
Microsoft Teams Enterprise | 787円 | 1,000人 | 30時間 | 1人あたり10GB |
Web会議の参加人数やWeb会議の必要時間が少ない場合は無料プランでも十分かもしれませんが、基本的にビジネスで使うには有料プランがおすすめです。
また、セキュリティの面から見ても有料プランの方がより高度なものとなっています。
- 音声通話・ビデオ通話をする(どこからでも会議が可能)
- 画面を共有する(会議中に自身の画面を参加者に提示できる)
- チャットをする(1対1のチャットやグループチャットも可能)
- 画像送信(Teams のチャットにて画像やリンクを送信できる)
- ホワイトボードを使う(イメージや自分のアイデアを提示しながらプレゼンできる)
- ファイルの共有(チャット上にファイルを添付するだけで、メンバーが資料を確認できる)
上記のように、Teams さえあれば複合的なコミュニケーションが可能であり、多くの企業でWeb会議のためのツールとして多く利用されています。
Web会議で Teams を利用するメリット
Web会議システムには多様なサービスが存在しており、「どのサービスを選んだら良いのか」と迷っている方も多いかと思います。
ここでは、Web会議において Teams を利用するメリットをご紹介しますので、自社に合うか確認してみましょう。
- 文字起こし機能があり議事録作成に便利
- Microsoft 製品との連携ができる
- あらゆるデバイスに対応
- セキュリティレベルが高い
文字起こし機能があり議事録作成に便利
有料プランの Teams には、文字起こし機能(トランスクリプション機能)が搭載されており、議事録作成を効率化できます。
トランスクリプション機能とは、音声を録音することにより、リアルタイムに文字起こしした会話を録音停止後にテキストデータとしてダウンロードできる機能です。
文字起こししたデータは、会議終了後にドキュメントやファイルとしてダウンロードや共有できます。
文字起こしの精度としては誤変換などがあり、現状手直しが必要なレベルではありますが、それでも議事録作成にかかる時間は大幅に短縮できるでしょう。
Microsoft 製品との連携ができる
Teams の大きなメリットは、Excel、Word、PowerPoint などといった、Microsoft 製品との連携ができる点です。
有料プランであれば、専用のアプリを起動することなく Teams 上でリアルタイムにメンバー内で共同編集ができます。
Excel や PowerPoint を共同編集しながらWeb会議をしたい場合は、Teams を利用するのが適しているでしょう。
あらゆるデバイスに対応
Teams は、Windows や Mac などのPCで利用する場合、ブラウザ版とアプリ版があります。また、Android や iOS にも最適化されたアプリもあるため、モバイル端末でも利用可能です。
そのため、場所にとらわれずにコミュニケーションをとることができます。
セキュリティレベルが高い
Web会議では、会社の大切な情報が外部に漏れないよう、セキュリティ性の高いツールが求められます。Microsoft はセキュリティに特に力を入れており、Teams には以下のような最先端のセキュリティ技術が導入されています。
- 転送中、保存中のデータを自動的に暗号化
- 個人情報や機密情報の含まれるファイルの保護
- 悪意のある添付ファイルの自動検出
- Active Directory によるシングルサインオン
- チーム全体および組織全体の2要素認証
- Web会議の参加者・権限についてのセキュリティポリシー設定
Teams で送受信されるファイルは、基本的に全てファイル暗号化機能で自動的に暗号化されているので、外部から自社の Teams に不正アクセスし、データを盗もうとしても、簡単には読み取れません。
また、相手ユーザーの属性によって、アクセス範囲を限定してやり取りできる2つのセキュリティ設定「外部アクセス制御」と「ゲストアクセス制御」があり、Teams で組織外のユーザーとコミュニケーションを取りつつも、組織内のセキュリティも守ることが可能です。
Web会議で Teams を利用するデメリット
Teams は、各種機能を活用することで多くのメリットを得られますが、使用環境によっては不便に感じる点もあります。
ここでは、Web会議で Teams を利用する主なデメリットをご説明します。
- Microsoft 製品を使っていないと恩恵が薄い
- 過去のファイルを探しづらい
- トラフィック(通信量)やセッションを大量消費する
Microsoft 製品を使っていないと恩恵が薄い
Teams は、Zoom(Web会議ツール)、Asana(タスク管理)、Box(クラウドストレージ)など多様な外部ツールとの連携が可能ですが、あくまでもほかの Microsoft 製品(Excel、Word、PowerPoint など)と連携して使用することが前提となっています。
Microsoft 製品を全く使っていない場合、Teams の利点を最大限に活かせない点がデメリットとなります。
過去のファイルを探しづらい
Teams を使うユーザーで、データやファイルを共有した際の検索性が低いという声が多くあります。
過去のファイルやメッセージを遡りづらいため、Web会議で大量のデータを扱う場合、時間を取られてしまう可能性が高いです。
そのため、検索性を求める企業や、スピード感をもって取り組みたい企業にとっては、かえって負担が増えてしまうでしょう。
トラフィック(通信量)やセッションを大量消費する
Web会議ツール全般に言えますが、トラフィック(通信量)が多くなるため、利用しているインターネット回線がそれに耐えられない場合、会議がままならなくなってしまいます。
また、Microsoft 製品はセッションを大量に張るという特徴があります。セッションとはユーザーのコンピューターとサーバー間の一意の接続を意味しますが、これが多いとトラフィックとは別に通信が遅くなる原因となります。ネットワーク設計が適切でない場合、Teams の利用が他の業務の通信を圧迫してしまう可能性もあります。
これらのデメリットは、インターネットブレイクアウトを利用することで改善できます。Teams 導入の際には併せて検討しても良いかもしれません。
Teamsで会議に招待する方法
Teams 会議に主催者としてゲストを招待する主な方法をご説明します。
その場で開始した会議へすぐに招待したい場合や、あらかじめ設定した会議のスケジュールにメンバーを招待しておきたい場合にも有効なので、確認してみてください。
会議招待URLをチャットで共有する方法
URLを取得してメンバーを招待する方法です。
- Teams アプリを起動し「予定表」ページを開く。
- 画面右上の「今すぐ会議」を選択する。
- 会議の名前を任意で設定し「共有リンクを取得する」をクリックする。
- URLの右にあるコピーマークをクリックして会議招待URLを取得し、会議を開始後、コピーした会議招待URLを Teams チャットで共有する。
- 招待メンバーが参加したら「参加許可」をクリックする。
設定した会議をメンバーに送信する方法
あらかじめ会議の予定を立てた場合、以下の方法でメンバーを招待します。
- Teams アプリを起動後「予定表」ページを開き、「+新しい会議」をクリックする。
- スケジュールを入力し画面右上の「保存」をクリックする。
- 保存後に表示されたウィンドウから会議招待URLをコピーし、メールやチャットで共有する。
Outlook から外部ゲストを招待する方法
外部ゲストを Outlook から招待する方法は以下の通りです。
- Outlook の予定表を開く
- ホームメニューから「+新しいイベント」を選択する
- 会議の設定画面が表示され、タイトル、必須の参加者、任意の参加者のメールアドレス、会議の日時を入力する
- 「Teams 会議」をオンにする
- メール本文を入力して送信する
Teams で会議に参加する方法
Teams 会議にゲスト(外部ユーザー)として参加する方法をご説明します。
なお、Teams アプリをインストールしていない、Microsoft のアカウントを持っていない場合を想定しています。
PCからブラウザで Teams 会議に参加する方法
PCからブラウザで参加する場合、Microsoft のアカウント登録不要、事前のアプリケーションインストール不要で行えます。
- 主催者から送られたメールに記載されたリンクをクリックする。
- 「Microsoft Teams を開きますか?」これに対し「キャンセル」をクリックする。
- 「このブラウザで続ける」をクリックする。
- マイクとカメラの使用は「許可」をクリックする。
- 名前(会議中の表示名)を入力する。
- カメラとマイクのON/OFFを設定する。
- 「今すぐ参加」をクリックする。
- 主催者からの参加許可を待ち、会議に参加する。
スマートフォンから Teams 会議に参加する
スマートフォンから会議に参加する場合、事前に Teams アプリをインストールしておきましょう。
- 主催者から送られたメールに記載されたリンクをクリックする。
- 「ゲストとして参加」をクリックする
- 名前(会議中の表示名)を入力し、「会議に参加」をクリックする。
- 主催者からの参加許可を待ち、会議に参加する。
Teams でWeb会議をスムーズに進めよう
Teams はWeb会議機能の他に、チャットやファイル共有など業務におけるコミュニケーションに必要な多くの機能が備わっているため、業務効率化に大いに役立ちます。
また、Excel、Word、PowerPoint などの Microsoft 製品と連携させることができるため、これらを使って同時編集しながら、Web会議をしたい企業におすすめです。
Teams には無料プランのほか、参加人数や使用可能時間が増えてセキュリティレベルも向上する有料プランもあります。Web会議をスムーズに進めるためにも、ぜひ Teams の導入を検討していただけたらと思います。