【必見】Wi-Fiの速度を上げる方法13選|通信が遅くなる原因もわかりやすく解説
Wi-Fiが遅いと感じる時、原因として真っ先に思い浮かぶのは契約しているインターネット回線が遅いというものでしょう。
しかし、実はそれ以外の要因で遅くなっているケースも多かったりします。適切な対策を取れば、インターネット回線を別のサービスに乗り換えなくてもWi-Fiの速度を上げられる可能性があります。
この記事では、Wi-Fiの速度を改善する方法を紹介しています。併せて、そもそもの遅くなる原因についても解説しているので、現状に照らし合わせながら参考にしてください。
〈この記事を読んでわかる内容〉
- Wi-Fiの速度が遅くなる原因
- Wi-Fiの速度が遅くなった場合の対処法
Wi-Fiの速度を上げる方法13選
Wi-Fiの速度を改善するには、様々な方法があります。通信速度が遅いと感じた際は、まず以下の13個の方法を試してみましょう。
- Wi-Fiルーターを再起動する
- Wi-Fiルーターの設置場所を変える
- Wi-Fiの通信規格を最新のものにする
- 接続する周波数帯を変える
- 接続するデバイスの数を制限する
- ファームウェアをアップデートする
- ルーターのセキュリティ設定を見直す
- メッシュWi-FiやWi-Fi中継器を利用する
- 端末を買い替える
- 有線接続に切り替える
- 光回線を利用したWi-Fiを使う
- プロバイダーを乗り換える
- インターネット回線を別のサービスへ乗り換える
Wi-Fiルーターを再起動する
Wi-Fiの速度が遅い場合、Wi-Fiルーターに問題がある可能性が考えられます。Wi-Fiルーターは常に電源をつけっ放しなので、熱がこもるなどの理由で通信に不調を起こす可能性があります。
そのような場合は、取扱説明書を参考にしながら再起動をしてみましょう。内部のキャッシュもクリアされ、速度とパフォーマンスが改善する可能性があります。
ちなみにキャッシュとは、一時的にデータを保存して再利用するための一時記憶領域のことを指します。これは主にパフォーマンス向上のために使用されます。一時的に保存しておくことで、同じデータを再度インターネットからダウンロードする必要がなくなり、ブラウジング速度が向上します。
しかし、時にはキャッシュが古くなったり、誤ったデータが保存されたりすると、パフォーマンスの問題やエラーを引き起こすことがあります。そのような場合、キャッシュをクリア(削除)することで問題を解決することができます。
一般的なWi-Fiルーターの再起動手順は以下のとおりです。
- ルーターの電源をオフにします。これは通常、電源ボタンを押すか、電源コードを抜くことで行います。
- 30秒から1分ほど待ちます。この待機時間は、ルーターの内部コンポーネントが完全に電力を失い、一時的なバグや設定がクリアされるのを確認するためです。
- ルーターの電源を再度オンにします。電源ボタンを押すか、電源コードを再度差し込みます。
- ルーターが起動し、全てのインジケーターライトが通常通り点灯するまで数分待ちます。
- インターネット接続が回復したか確認します。これは通常、Webブラウザーを開き、Webページをロードすることで確認できます。
Wi-Fiルーターの設置場所を変える
Wi-Fiルーターの設置場所を変えることにより、電波の届き具合や電波の干渉を減らすことができ、通信速度や安定性を改善することが期待できます。
Wi-Fiルーターから放たれる電波は、直線的に広がります。そのため中心から遠く離れるほど、また障害物があるほど、電波の強度が弱まります。このため、ルーターを家の中心に近い場所や高い位置に設置すると、電波が家中に広がりやすくなります。
電子レンジやコードレス電話など他の電子機器はWi-Fiの電波と同じ周波数帯を使用していることがあり、これがWi-Fiの電波を干渉させることがあります。ルーターをこれらの機器から離すことで干渉を減らし、通信品質を向上させることができます。
Wi-Fiルーターの設置場所として適しているのは、なるべく部屋の中心で高い位置、そして他の電子機器から離れた場所です。
Wi-Fiの通信規格を最新のものにする
Wi-Fiの通信規格を最新のものにすることで、通信速度や範囲、信頼性などが大幅に改善される可能性があります。新しい規格は、通常、前の規格よりも高速な通信を提供し、より多くのデバイスをサポートし、より広い範囲をカバーする能力があります。
以下の表から、現在どの通信規格を使っているのか確認しましょう。
通信規格(正式名称) | 通称 | 周波数帯 | 最大通信速度(理論値) |
---|---|---|---|
IEEE 802.11b | - | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE 802.11g | - | 2.4GHz | 54Mbps |
IEEE 802.11a | - | 5GHz | |
IEEE 802.11n | Wi-Fi 4 | 2.4GHz / 5GHz | 600Mbps |
IEEE 802.11ac | Wi-Fi 5 | 5GHz | 6.9Gbps |
IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6 | 2.4GHz / 5GHz | 9.6Gbps |
Wi-Fiルーターの通信規格は、通常ルーターのユーザーマニュアルや製品仕様書で確認できます。現在最新の規格はWi-Fi 6(802.11ax)ですが、一部のルーターはWi-Fi 5(802.11ac)までしかサポートしていないかもしれません。
後述しますが、最新の規格で通信を行うためには、ルーターだけでなく接続しているデバイスもその規格をサポートしている必要があります。サポートしていないデバイスは、旧式の規格でしか通信できないので、注意しましょう。
接続する周波数帯を変える
Wi-Fiの通信では、2.4GHz(ギガヘルツ)または5GHzという2種類の周波数帯が使われます。上の表にあったとおり、通信規格ごとに利用できる周波数帯が異なります。そして、それぞれの周波数帯では、異なる特徴を持っています。
2.4GHz | 5GHz | |
---|---|---|
障害物への強さ | 強い | 弱い |
電波干渉への強さ | 弱い | 強い |
通信できる距離 | 遠くまで届く | 近くまでしか届かない |
最大通信速度 | 遅い | 速い |
2.4GHz帯は、電波が遠くまで届きやすい特徴があるため、Wi-Fiルーターから離れた距離で使う際にオススメです。ただし、電波干渉に弱いため、電子レンジのように電波を発するものが間にあると通信が阻害されるケースがあります。
一方、5GHzは電波が届く範囲が狭いものの、通信速度が速く安定します。それぞれに良い面と悪い面があるので、利用する状況に応じて選択するようにしましょう。
接続するデバイスの数を制限する
Wi-Fiルーターは一度に多数のデバイスをサポートできますが、同時接続数が増えるとネットワークの負荷も大きくなり、各デバイスの通信速度が遅くなる可能性があります。
同時接続数を制限することで、必要なデバイスにより多くの通信帯域を確保でき、インターネットを快適に利用できるようになります。
以下に、接続するデバイスの数を制限する一般的な手順を紹介します。
- ルーターの管理ページにログインします。通常、ルーターのマニュアルや本体に記載されているIPアドレスをWebブラウザーに入力してアクセスします。
- ログイン後、ネットワーク設定や無線設定などのメニューを探します。
- ここで「接続デバイスの管理」や「MACアドレスフィルタリング」などの設定を見つけることができます。これらの設定を利用して、特定のデバイスの接続を許可したり、拒否したりすることができます。
- デバイスを制限したい場合、そのデバイスのMACアドレスを入力し、接続を拒否するように設定します。
- 設定が完了したら、設定を保存し、必要に応じてルーターを再起動します。
※具体的な手順はルーターのメーカーやモデルにより異なります。詳しい手順はルーターのマニュアルやメーカーのサポートページをご参照ください。
デバイスを制限する前に、無線接続に必要なデバイスをすべて確認しておきましょう。必要なデバイスが接続できなくなってしまった、ということがないよう注意してください。
ファームウェアをアップデートする
ファームウェアとは、ハードウェアを制御するためのソフトウェアの一種です。ファームウェアはハードウェア内に埋め込まれており、ハードウェアの基本的な動作や制御を担っています。
ルーターのファームウェアをアップデートすることにより、新しい技術を利用できるようになり、通信速度や範囲が向上することがあります。
また、最新のファームウェアには、新たに発見されたセキュリティ脆弱性への対策が含まれていることが多いため、ファームウェアを更新することで、ネットワークのセキュリティも高めることができます。
ファームウェアをアップデートする一般的な手順は以下のとおりです。
- まず、ルーターの管理ページにアクセスします。これは通常、ルーターのマニュアルや本体に記載されているIPアドレスをWebブラウザーに入力してアクセスします。
- 管理ページにログイン後、ファームウェアアップデートのセクションを探します。このセクションは、「システム設定」、「高度な設定」、「管理」などのメニュー内にあることが多いです。
- 「ファームウェアアップデート」や「ソフトウェアアップデート」などのオプションを見つけたら、クリックします。もし新しいファームウェアが利用可能であれば、ダウンロードとインストールの指示に従います。
- アップデートが完了したら、ルーターが自動的に再起動することが多いです。そうでない場合は、手動で再起動します。
具体的な手順はルーターのメーカーやモデルにより異なります。詳しい手順はルーターのマニュアルやメーカーのサポートページをご参照ください。
ファームウェアのアップデート中に電源が切れると、ルーターが使えなくなる可能性があるので、アップデート中は電源が安定していることを確認しておきましょう。
ルーターのセキュリティ設定を見直す
ルーターのセキュリティ強度が低いと、不正なデバイスがあなたのWi-Fiネットワークに接続し、大量のデータ通信を行ってしまう可能性があります。これは通信速度を大幅に低下させるだけでなく、セキュリティ上のリスクも生じます。
デバイス数を制限したり、ファームウェアをアップデートしたときと同じように管理画面にログインし、無線のセキュリティモードを確認、必要に応じて更新します。通常、WPA2またはWPA3が最も安全です。加えて、パスワードを強固なものに変更しましょう。長くて予測不可能なパスワードを設定し、定期的に更新することが推奨されています。
メッシュWi-FiやWi-Fi中継器を利用する
Wi-Fiルーターからの距離が遠い場合や、障害物があって速度が出ない場合は、メッシュWi-FiやWi-Fi中継器を使う方法もあります。
メッシュWi-Fiは、親機となるWi-Fiルーターと子機となるポッドをメッシュ(網目)のように繋げて通信速度を担保する仕組みです。
一方のWi-Fi中継器は、中継機能を搭載したルーターを間に挟んでインターネットに接続します。対応機器も増えているので、比較的簡単に導入できます。
端末を買い替える
Wi-Fi速度が遅い原因は、使っているデバイスのスペックに問題があるのかもしれません。 前述したとおり、Wi-Fiルーターが新しい通信規格の対応していても、デバイスが古い場合は、最新の通信規格に対応していないケースがあります。
Wi-Fiルーターだけでなく、PCやスマートフォン、タブレットなどのデバイスに原因がないか、今一度探ってみましょう。
有線接続に切り替える
どうしてもWi-Fiの通信速度が上がらない場合、有線接続するという方法もあります。LANケーブルが届く範囲でしか利用できませんが、これまでに紹介した対処法を試してみても速度が改善しない場合は、無線通信を諦めて、有線通信にしてしまうのもひとつの手です。
光回線を利用したWi-Fiを使う
「Wi-Fi」というのは、本来の意味では、基地局と宅内装置までを固定回線で接続し、宅内装置とデバイス間を無線で通信する際の通信規格のことです。
しかし、ポケットWi-Fiやホームルーターなど、モバイル回線を利用した通信も、「Wi-Fi」と呼ばれる場合があります。厳密には誤りですが、自宅で使う無線インターネット回線をまとめて「Wi-Fi」と呼ぶ人が多いです。
ポケットWi-Fiやホームルーターで使っているネットワークは、外出先でスマートフォンを利用する際に使っているモバイル回線と同じものです。近年、「5G」という非常に高速な通信が可能なモバイルネットワークも登場していますが、まだまだ光ファイバーを利用した固定回線ほどは安定した高速通信は難しいです。
自宅で使っているWi-Fiが、モバイル回線を利用したものか、光回線を利用したものか、改めて確認してみましょう。
プロバイダーを乗り換える
現在、多くの人が使っている光回線サービスとして、NTT東西の「フレッツ光」があります。このフレッツ光というサービスは、最寄りの基地局と宅内装置をつなぐサービスで、インターネット通信を行うためには、別途ISP(インターネットサービスプロバイダー)と契約する必要があります。プロバイダーと契約することではじめてインターネットと接続することができるようになります。
近年は、光コラボレーションモデルという提供形態が広まっていますが、これは、NTT東西からインターネット回線サービスの卸売を受けたプロバイダーが自社のプロバイダーサービスとインターネット回線サービスをセットにして販売するというものです。これにより、ユーザーは1社とだけ契約すれば、インターネット通信ができるようになります。
代表的なサービスには、ドコモ光やソフトバンク光などがあります。
プロバイダーの設備が処理できる能力に対し、利用者が多すぎたり、大きすぎるデータ量を流そうとした場合、輻輳(ふくそう)という通信の渋滞が起こります。この問題は、混雑していない他社プロバイダーへ乗り換えることで解決できる可能性があります。
ただし、最近は、NTT東西の提供範囲内でも輻輳が起こっているため、プロバイダーを変更してもパフォーマンスが改善しない可能性があります。
インターネット回線を別のサービスへ乗り換える
プロバイダーでの輻輳やフレッツ光の輻輳はユーザー側で対処できる問題ではありません。提供事業者が設備投資をして、より多くのデータ量を処理できるように増強しなければいけません。
そんなときユーザー側が対処できる方法としては、他社のインターネット回線サービスへ乗り換えるということです。
家庭の場合、CATV回線や電力系回線などのNTT東西とはまったく別の設備で提供されるサービスがおすすめです。
オフィスの場合はより法人向けに特化した回線が多数存在するため、そういったサービスを検討してみましょう。
Wi-Fiの速度が遅い原因や、それらを改善するために採れる方法は、様々なものがあります。サービスを乗り換えたりするのは、お金も時間もかかるため、まずは簡単な設定変更や機器の見直しから行いましょう。