ビジネスは情報をいかに速く収集し、意思決定を下すかが重要です。エンドポイントであるパソコン・スマートフォン端末とWi-Fiのアクセスポイントを最速で通信できるように設計することが、ビジネスの価値を変える近道になります。本資料では、通信速度を爆速にするWi-Fi6についてわかりやすく解説します。
2023.07.13
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5G、4G、LTEは巷でもよく聞く用語です。これらはスマートフォンで通信する際に利用される通信方式ですが、それぞれの違いを正確に知っている人は多くはないでしょう。それぞれの用語について正確に理解しておくと、モバイルデバイスを快適に利用できるようになります。そこで今回は、5G、4G、LTE、それぞれの違いについてさまざまな方向から解説していきます。
モバイル通信をうまく活用できれば、快適な通信が可能になるだけでなくコスト削減にも繋がります。この機会にしっかりと学んでおきましょう。
5G(ファイブジー)とは、スマートフォン等の携帯端末の通信に用いられる第5世代移動通信システムのことです。”G”は「世代」を意味する「Generation」の頭文字であり、「ギガ」を表す”G”とは異なりますので注意しましょう。
2020年春から商用利用が開始され、今まさに次世代ITインフラの一つとして社会で活用が進んでいます。
4Kや8Kといった高画質動画の視聴がスムーズにできたり、VRやARを用いた新たな視聴方法を実現したり、遠隔操作技術の向上やIoT(モノのインターネット)化の促進など、私たちの身の回りの様々な分野で大きな変革につながる技術です。
新しい移動通信システムである5G。前身の通信規格である4Gとはどのような違いがあるのでしょうか。
4G(フォージー)とは、第4世代移動通信システムです。
4G以前の通信規格である3Gに比べ、通信速度が速いのが特徴です。3Gの通信速度が数百キロbps程度なのに対して4Gは数百メガbps程であり、およそ1,000倍にまで段違いに速くなりました。これにより、Webサイトの表示や動画の読み込み速度も非常に速くなり、自分の端末からストレスなく画像のアップロードを行えるようにもなりました。
スマートフォンの普及により、より速い通信が求められる時代になったことで、4Gの普及が一気に進みました。現在、主に使用されているモバイル通信規格は4Gですが、一部エリアでは5Gが利用できます。5Gの対応エリアは今後ますます広がっていくでしょう。
5Gは4Gに比べ多くの点で性能がUPしています。
4G | 5G | |
---|---|---|
通信速度 |
1Gbps | 20Gbps |
伝送遅延 |
10ms | 1ms |
同時接続数 |
10万デバイス/㎢ | 100万デバイス/㎢ |
5Gになることで、より高速・大容量の通信が低遅延で利用できるようになります。加えて同時に接続できる端末の台数も大幅に多くなります。
5Gには、従来のモバイルデバイスの通信規格に比べ様々なメリットがあります。
5Gは従来のモバイル通信規格よりもはるかに高速なデータ通信を提供します。
4Gの最大通信速度は下り1Gbps、上り100Mbpsですが、5Gでは下り20Gbps、上り10Gbpsと10倍以上の速度となります。
ウェブページやアプリの読み込み速度が向上したり、高品質な動画ストリーミングやリアルタイムのオンラインゲームなどの利用が可能になります。
また、データ処理能力が高く、複数のユーザーが同時に大量のデータを送受信してもネットワークの混雑が起きにくくなるといったメリットがあります。
5Gは低遅延通信が可能で、リアルタイムの応答性が向上します。リモートコントロール、例えば遠隔医療などにおいて、より高度な操作が可能になります。
5Gは従来のネットワークに比べて同時接続数を大幅に増やすことができます。スマートフォンやIoT機器といった大量のデバイスが同時に接続される状況でもネットワークパフォーマンスが低下しにくくなります。
5Gの高速・大容量・低遅延といった特性は、新たなテクノロジーの実現に寄与するでしょう。
例えば、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)のよりリアルな体験、自動運転車のより高度な制御、遠隔医療のより正確な診断や手術支援などが実現される可能性があります。
メリットがたくさんある5Gですが、もちろんデメリットもあります。
利用者の多い都市部を中心に5Gの提供エリアを広げてきているため、エリアカバー率が低い地域があります。
総務省の発表では2022年3月末時点での全国の5G人口カバー率は93.2%となっておりますが、岩手県や島根県、高知県など一部地域では75%を下回るカバー率であり、「地域格差」があるのが現状です。
総務省、5Gの整備状況より一部抜粋
5Gの電波は建物や障害物によって電波が遮られやすく、屋内や都市の密集した地域では、通信品質が低下する可能性があります。
5G対応のエリアでも、地下やビルの中だと4Gになってしまうといった経験をしたユーザーも多いのではないでしょうか。
5Gになることで、新たなセキュリティ上のリスクが生じる可能性があります。例えば、通信やセンサーによる個人識別、自動認証のサービスが加速した場合、パーソナルなデータのやり取りが頻繁に行われるようになります。
通信頻度が増えるほど、確率的に情報漏えいのリスクも高まるということになるため、取得・通信される情報の内容や扱いには、サービス提供側・ユーザー側ともに注意が必要です。
5Gが普及し様々なシーンで活用が広がることで、大きな社会的な変化が訪れると考えられます。
高速・大容量・低遅延通信により4Kや8Kといった高解像度の映像をライブで見ることができるようになるため、大迫力の映像体験が可能になります。
また、VRやARを活用することで、実際の会場にいるかのような体験もすることができるようになります。様々な視点でアーティストのライブやスポーツを自宅に居ながら体験できたり、仮想空間で仕事や友人との集まりができるようになるなど、様々な分野での活用が期待されています。
5Gの低遅延通信は、遠隔操作のリアルタイム性向上に活用されると考えられます。
例えば、遠方の医師が指示を出して手術のアドバイスをしたり、場合によっては手術をしたりすることもできるようになるでしょう。
工事現場や災害現場においても、遠隔から重機を操作することができるようになるため、安全を保ちながら業務をすることも可能になります。
自動車をネットワークに接続し、車両状態や歩行者、交通状況などの様々な情報をリアルタイムで通信することで自動車の制御が可能になります。
人材不足が叫ばれる物流業界の課題解決や交通事故・交通渋滞の低減につながると期待されています。
LTE(エルティーイー)とは3Gの後に生まれたモバイルデバイス専用の通信規格で、「Long Term Evolution」の略です。
第3.9世代移動通信規格とも呼ばれ、4Gの普及への橋渡し的存在です。
データの通信速度は最大150Mbpsで、当時は高速な回線として知られていました。
プラチナバンドLTEと呼ばれる、建物や障害物を迂回して電波を届けるLTEもあり、広範囲の地域を安定してカバーすることができます。
現在では「LTE=4G」と捉えることもあるようですが、本稿では別世代の通信規格として記載していこうと思います。
もともとLTEは屋外でのスマートフォン・タブレット端末などの「モバイルデバイス」使用を想定して作られた通信技術のため、外で利用しても電波が安定しているというメリットがあります。これはLTE電波を飛ばしている基地局が多く、電波の距離が半径数100メートルから数キロメートルとエリアも広いためです。
しかし、それほど大容量の通信が可能というわけではないので、ユーザーごとに通信可能なデータ量が制限されています。つまり、一部のユーザーが大量に通信を行うことでその他のユーザーが通信できなくなってしまう、ということを防いでいるのです。
よって、動画をよく見る人や常にモバイルデバイスでインターネット接続しているヘビーユーザーには向いていません。このデメリットを回避するには、外でモバイルデバイスを使うときはモバイル通信であるLTEを、自宅で使うときはデータ通信容量に上限のないWi-Fiを使用するといった具合に使い分けるのがいいでしょう。
近年では、4Gや5G回線での通信容量無制限のプランなども各キャリアから提供されるようになり、モバイル通信のデメリットも解消されつつあります。
モバイル通信規格は1Gに始まり、現在は5Gとなっております。簡単な歴史を以下にまとめました。
1G |
第1世代移動通信規格 |
第アナログ方式 |
1980年代 |
---|---|---|---|
2G |
第2世代移動通信規格 |
デジタル方式 |
1990年代 |
3G |
第3世代移動通信規格 | 64~284kbpsの通信速度 | 2000年代 |
3.9G(LTE) | 第3.9世代移動通信規格 | ~150Mbpsの高速通信 | 2010年代 |
4G | 第4世代移動通信規格 | 100Mbps~1GBpsの高速通信 | 2010年代 |
5G | 第5世代移動通信規格 | 約10Gps以上の超高速通信 | 2020年代 |
5Gや4G、LTEは携帯端末専用の通信規格(モバイル通信規格)であり、利用できるのはスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスです。主に各通信会社が提供する基地局をアクセスポイントとして通信を行います。
Wi-Fiについては、無線を利用した通信技術という点ではモバイル通信規格と同様ですが、モバイルデバイス以外も利用できる通信規格という点で異なります。
Wi-Fi対応のものであれば、ノートPCやモバイルデバイスだけでなく、プリンターやゲーム機、家電も接続することが可能です。Wi-Fiを利用するためには、対象端末から宅内にある無線LANルーターやモバイルWi-Fiルーター(ポケットWi-Fi)、街中に設置されたWi-Fiスポットに接続する必要があります。
総務省、5Gの整備状況より一部抜粋
無線LANやWi-Fiについて詳しく知りたい方はこちら
状況により変わる…というのが答えになります。
Wi-Fiを利用した際の通信速度は、その先に接続するインターネット回線によって変わります。たとえば、インターネット回線がADSLの場合、回線速度が遅いのでWi-Fiでも通信速度は遅くなります。インターネット回線が光ファイバーであれば、光ファイバー自体の速度が速いため、Wi-Fiも快適に使用することが可能です。もちろんWi-Fiルーター(無線LANルーター)の性能や電波干渉の具合によっても最大通信速度は異なります。
モバイル通信規格は年々通信速度が向上していますが、通信環境によって実測値は大きく変わります。たとえば、電波状況の良い都心部であっても、そのスポットにたくさん人が集まっていて、各々がモバイル機器でインターネット接続をしていれば、その分混雑して通信速度は遅くなります。MVNO(いわゆる格安SIM)を利用している場合は、通信制限などがかかるケースもあります。
通信速度は、環境や使用しているデバイスの機種などに大きく依存すると言えるでしょう。
まとめ
近年の技術革新が目覚ましいモバイル通信やWi-Fi。各携帯キャリアからも様々なプランがでており、企業においても従業員に支給するモバイル通信のプランなどは定期的に見直す必要があるのかもしれません。それぞれの通信規格の特性を理解して、最適なプランを選べるよう、基本的な事項についてはしっかりと押さえておきましょう。
「5G」だけじゃない!高速な通信を可能にする「Wi-Fi6」とは?
ビジネスは情報をいかに速く収集し、意思決定を下すかが重要です。エンドポイントであるパソコン・スマートフォン端末とWi-Fiのアクセスポイントを最速で通信できるように設計することが、ビジネスの価値を変える近道になります。本資料では、通信速度を爆速にするWi-Fi6についてわかりやすく解説します。
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